1024. 二年目の「実証的教育学」のプログラムでの研究内容について


昨夜の夢を思い出しながら、日々の生活の中で振り返りの時間を設けることは極めて重要だと痛感している。それも頭の中で振り返りを行うのではなく、必ず文章の形で振り返ることが何よりも大切だと強く実感している。

私は基本的に、少なくとも朝と夕方のそれぞれに一時間か一時間半ほどの時間をとって日記を書き留めるようにしている。これは私にとって習慣的な実践であり、そうした習慣的な実践がいかに私の日々を支えてくれているのかに改めて気付かせてくれたのが、この二日間であった。

一昨日と昨日はワークショップに朝から夜まで参加していたため、朝と夕方に日記を綴るような時間的余裕がなかった。そうした時間的余裕の無さが、精神的余裕を剥奪することにつながっていた。

そして、時間的余裕が精神的余裕に対して一方向的に影響を与えるのではなく、精神的余裕が時間的余裕に影響を与えるという双方向的な円環関係が生まれていることにも気づいた。これは精神生活にとって負の連鎖を生み出しかねない。

この二日間、朝と夕方に多くの時間を取ることはできなかったが、それでも早朝の時間にかろうじて、昨日の出来事を振り返り、今日の展望に思いを馳せるような時間を設けたことは重要であった。この二日間を振り返ってみると、時間的な余裕がないことを言い訳にするのではなく、時間を作ろうと思えばいくらでも作れたことが後になってわかる。

その日の中で咀嚼するべき体験が多い時、そして慌ただしい時に限って、その瞬間にやる必要のないことに着手してしまうことがよくある。その瞬間にやるべきではない優先事項の低い項目を適切に判断し、振り返りの時間を優先的に確保し、文章を書き留めておくことを最優先にしたいと思わせてくれるような二日間であった。

今日からは再び通常の生活に戻るため、朝夕のリズムを取り戻し、時間的に余裕のない場合でも文章を書く時間を確保する試みを実践したいと思う。 今日は午後に一つ、とても楽しみな用事がある。今年の九月から私が在籍したいと思う「実証的教育学」のプログラムのコーディネーターと面接をすることになっているのだ。

実は偶然にも、二日間のワークショップにその教授も参加しており、一昨日にはその教授がプレゼンテーションを行い、昨日は相席をすることになり、色々と話をすることができた。私にとって最も喜ばしかったのは、フローニンゲン大学の実証的教育学の学科の中に、ダイナミックシステムアプローチに関心を持っている教授がいたことであった。

その教授は、チリ出身の女性の研究者である。今日はその方と面接をすることになっている。

形式的には、私のこれまでの経験と現在の関心が実証的教育学のプログラムに合致するのかを確かめるアドミッション面接なのだが、昨日の話に引き続き、さらに詳しく自分の研究テーマを紹介し、プログラムについてあれこれと質問をしてみたいと思う。

昨夜も二年目のプログラムの中で行う研究テーマについてあれこれと考えていた。今回の研究は、フローニンゲン大学が提供するMOOCを取り上げ、ダイナミックシステムアプローチや非線形ダイナミクスを活用する内容を考えている。

昨日あれこれと考えていたのは、具体的なテーマを設定することであった。その研究を通じて何を明らかにしたいのかを明確にする必要があった。

MOOCでの学習環境は、やはり実際の教室と性質を異にしており、教師と学習者がリアルタイムでやり取りをするのは今のところ難しい。私が研究対象にしようと思っているコースの規模が大きいものであるため、なおさら教師と学習者のリアルタイムなインタラクションは難しい。

コースの規模が小さいものであれば、もしかしたらリアルタイムなインタラクションを行うことが可能なのかもしれないが、そのようなMOOCのコースはそれほど多くないだろう。そうしたことから、一年目の研究で行っていたような、教師と学習者のリアルタイムなインタラクションを調査することは難しいだろうと思っていた。

また、フローニンゲン大学のMOOCを統括するディレクターから、研究内容をコースの改善や有益な実践につながるようなものにしてほしいという要望を受けていたことも、テーマ設定を難しくさせる要因の一つであった。 昨夜の段階では、これまでの研究と大きなテーマは同じにし、講義内容の複雑性と学習者の講義内容に対する理解度を調査するようなものにしたいと思った。しかし、得られるデータの性質上、これまでのように二つのプロセスを比較することが難しいため、工夫が必要だと思った。

例えば、講義動画のトランスクリプトの意味段落ごとに複雑性を分析し、その週に行われる講義の複雑性に関する時系列データを作成する。そして、その時系列データの構造を「トレンド除去変動解析(DFA)」で分析し、その結果を毎週の確認テストの結果と比較するというのは面白そうだと思った。

より具体的には、講義の複雑性に潜む構造特性が、受講生の確認テストの結果に重大な影響を与えているのかを調査するということである。この調査をするためには、DFAのような非線形ダイナミクスの手法と古典的な統計手法、もしくはモンテカルロ法などを活用する必要があるだろう。

いずれにせよ、講義内容に関する複雑性の時系列データを表面的に眺めるのではなく、データの示す波形がどのような潜在的構造特性を持っているのかを特定し、その構造特性と学習者の理解度との対応関係を調査していくというアイデアを、今日の面接の中で紹介したいと思う。2017/5/4

追記

昨日は、この日記を象徴するような一日だった。私は、文章を刻みながら時を刻んでいかなければ、日々を充実した形で過ごすことができなくなってきている。

二年目の研究の一つは、この日記で書かれているように、フローニンゲン大学が提供するあるオンラインコースの情報の複雑性が持つ「フラクタル次元」を特定し、特定されたフラクタル次元と学習者の学習結果を比較するような内容を考えている。2017/5/15

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