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282. オランダのIKEA


ここ二日間、朝夕がとても寒い。昨日の最高気温は17℃であり、最低気温は7℃であった。本日も似た様な気温である。

本日、日本にいる知人の方から暑中見舞いをいただいたのだが、「寒中見舞い」という言葉の方がふさわしいのではないかと思わせる気候である。念のため、フローニンゲンの年間気温を確かめたところ、やはり8月が最も気温が高い月であるということがわかったが、この気候は夏とは思えない。

私が二年半ほど過ごしたサンフランシスコも夏は非常に涼しく、気温はフローニンゲンと似た様なものだが、サンフランシスコの夏においては半袖で過ごしていたと記憶している。しかし、ここフローニンゲンでは、暑がりの私でさえ、長袖を着用して日中外出している。

気温が似通っていても体感温度が異なるというのは興味深い。フローニンゲンの夏の気候がどの様なものであり、それを自分はどの様に感じて受け止めているのかを徐々に掴み始めている。

イギリスの様に断続的に降る雨にも慣れてきたところで、昨日はIKEAに行ってきた。今回の新居も家具付きのマンションであるから、それほど必要品はないのであるが、備え付けの枕とベットカバーに満足していなかったため、それらを好みのものに変えようと思ったのだ。

IKEAに行くのは日米での生活を振り返ってみても、今回が初めてであることに気づいた。運動がてら片道40分ほど歩いて目的のIKEAに到着した。

到着してみて驚いたのは、広大な敷地の上にIKEAが存在しており、店内のスペースも想像以上に広かったことである。子供のための遊び場やカフェやレストランも同じ建物の中に入っており、このように充実した設備だと確かに週末に家族で訪れるのも理解できる。

日本からオランダに輸送した荷物のほとんどは、研究に必要な書籍や論文類であり、不要な日用品はできる限り処分していたため、バスタオルがもう一枚必要だとふと思った。浴室類のコーナーに到着し、バスタオルらしきものを発見した。

それらのバスタオルを全てチェックしてみたところ、何かが違うと思った・・・。広げたバスタオルを丁寧に折りたたみ、静かに元の位置に戻した。そして自分の身体のサイズを考えた場合、バスタオルではなく、こちらで言う「ハンドタオル」で十分だと思い、中ぐらいのハンドタオルをバスタオルとして使おうと思って一枚ほど購入した——言う必要もないと思うが、オランダ人の手の大きさが私の身体の大きさと等しいわけではない。

オランダ人男性の平均身長は182cm、女性の平均身長は170cmぐらいであるが、それはあくまで平均であり、190cmを越す男性や185cmを越す女性がゴロゴロいる。自分の心の動きを観察してみると、平均身長あたりに分布するオランダ人の男性や女性には親近感を覚えるが、190cmを越す男性や185cmを越す女性に対しては圧倒されるものを心の中で感じてしまう。

毎日スーパーや街で、必ずと言っていいほど190cmを越す男性や185cmを越す女性を見かけるので、このあたりも慣れてくるのだろうか。そうした事情もあり、認知バイアスが生じて、オランダのIKEAで置かれているものは、米国や日本のIKEAで置かれているものよりも格段にサイズが大きいのではないかと思ってしまう。先ほどのバスタオルの件がまさにそうだ。

だが、お目当ての低反発枕とベッドカバーは理想のサイズで購入することができ、こちらの常識の範囲内に収まるサイズのバスマットも合わせて購入した。もうしばらく時間をかけて、これまで培ってきた諸々の感覚を一旦リセットし、新たな感覚を構築していくという作業が続きそうである。

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