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6453-6454: アートの国オランダからの便り 2020年12月4日(金)


No.1607 朝の幾何学模様_A Morning Geometric Pattern

本日の言葉

Everything can be changed by our mind. Chin Kung


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本日生まれた6曲

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タイトル一覧

6453. 今朝方の夢/『生きる(1952)』を見て

6454. 本日見た10本の映像作品より


6453. 今朝方の夢/『生きる(1952)』を見て


時刻はゆっくりと午前4時を迎えようとしている。今朝は3時半前に起床した。


実は偶然なのだが、昨日も今日も、起床した時間は3:23と全く同じ時間だった。体内の中で同じサイクルが回っていて、それが昨日と今日の目覚めを同一にしたのかもしれない。


目覚める前に少しばかり夢を見ていたようだが、内容に関してはあまり覚えていない。夢の舞台は外国であり、誰か1人の見知らぬ男性と日本語で話をしていたことだけを覚えている。夢の世界には光があまりなく、モノクロの世界の中にいるかのようだった。


夢の世界と同じく、今日は1日中光の見えない曇りがちの日になるようだ。来週の火曜日までは、ほとんど太陽が見えないような日が続くという予報が出ている。


本日もまたいつものように、旺盛に映像作品を見ていき、その合間合間に作曲実践を行っていく。映像作品から得られるインプットを通して、それを曲というアウトプットの形にしていく。


今は両者のバランスがとても良く、どちらも自然な形で実践が積み重なっていく。映像作品の鑑賞は、確かに娯楽的な要素もあるが、自分の中ではそれは探究活動の側面が強く、実践行為である。


昨日見た映画について改めて思い出している。昨日見た中で印象に残っている作品として、日本を代表する映画監督の黒澤明監督による『生きる(1952)』という作品がある。


この作品のストーリーは、癌の宣告を受けた余命幾ばくもない公務員の主人公(市役所勤務の課長)が、生きる意味を失い、そこから生きる意味を取り戻し、再び自分に仕事に向かい、自らの役割を全うするというものだ。テーマとしては、官僚主義への批判や人生の価値や意義に対する哲学的な主題を持つ。


理不尽な官僚システムの中で、自分にできる仕事とは何かに目覚め、それを最後までやり遂げた主人公の姿。彼にとっては自分の最後の役割は、子供たちのために公園を作ることだった。


物語の後半において、通夜の席で市役所の関係者の1人1人が亡くなった主人公についての思い出を語っていき、最初は「市民課長のくせに」ということや、「他の課の仕事の領域にまで首を突っ込みやがって」というような批判をしていたが、線香を上げに来た警官の話によって、みんなの心が動かされる場面がある。


そこで全員が一致団結するかに思われた。しかし翌日からは、再びほぼ全員がお役所マインドに戻ってしまう。


だが最後のシーンでは、主人公が作った公園で楽しく遊ぶ子供たちが映し出され、結局お役所体質は変わらないままだったが、それでも1人の名も知れない人間の仕事は確かに存在し続け、主人公の魂は公園として生き続けたかのように描かれていた点に感銘を受けた。


これこそが理不尽さを引き受け、己の役割を全うしていく生き方の規範に思えた。絶望を乗り越えようとするのではなく、自身の癌という絶望と、どうしようもないお役所体制という組織的癌という絶望を受け入れ、公園を最後まで作り上げた主人公の生き方には大変打たれるものがあった。


人生の意味や生の輝きは、死を見つめることによって得られる死からの照り返しを通じてもたらされるものなのかもしれない。つまり、人生の意味や生の輝きは、死からの反射によって得られるものなのかもしれないということだ。


であれば、人生の意味や生の輝きというのは、死の輝きでもあると言えなくもない。フローニンゲン2020/12/4(金)04:08


6454. 本日見た10本の映像作品より


時刻は午後8時を迎えた。振り返ってみると、今日もまた非常に充実していた。


今朝は朝の3時半前に起床し、そこから今に至るまで、旺盛に映像作品の鑑賞をし、作曲実践にも打ち込めていた。今日も結局、合計で10本の映画·ドキュメンタリーの作品を見ていた。


確かに今は数多くの作品を手当たり次第に見ているが、作品の選定基準のようなものが明確にあり、完全にランダムで映像作品を見ているわけではない。自分なりの関心事項に沿ったものを見ていき、関心の幅と深さを緩やかに拡張させていくことが自然と実現できているようなサイクルがある。


これはとても良いサイクルだ。このサイクルを引き続き回していく。


今日のテーマを挙げるとするならば、1つは政治が挙げられる。このテーマに沿って、『ハンナ·アーレント(2012)』『マーガレット·サッチャー 鉄の女の素顔(2012)』『グッバイ、レーニン!(2003)』という3つの映画をまず午前中に見た。


そして政治をテーマにした映画の休憩として、『僕とカミンスキーの旅(2015)』を見た。その後、昼には黒澤明監督の名作の1つである『羅生門(1950)』を見た。これは傑作であり、また別の機会に感想を書いておきたいと思う。


そこから第2のテーマとして、現在先進国で密かに進行している薬物社会への問題意識から、薬物関係の映画やドキュメンタリーを見ていた。映画に関しては、これまた昨日の『ウェイキング·ライフ(2002)』と同じようにアニメーションで描かれた『スキャナー·ダークリー(2006)』という作品が興味深かった。


2つの映画や共通するテーマもあるが、根幹として扱っているものが異なるので、同列に比較することはできないが、どちらかというと昨日見た『ウェイキング·ライフ(2002)』の方が考えさせられることが多く、今日見た『スキャナー·ダークリー(2006)』は、すでに自分が持っている知識の域を超えるような内容はあまりなかったように思う。


とはいえ、それでも得ることが全くなかったわけではなく、この作品が制作された2006年において、薬物社会と監視社会の到来を示唆している点は注目に値するであろうし、6Gの時代が訪れたら、この作品で描かれているようなホログラムの活用(悪用)が進むであろう点も注目に値する。


そこからは、ドキュメンタリーとして『麻薬中毒の町 ~ルイ·セローが見たアメリカ~(2017)』と『ルイ·セローが見た この子に“心の薬”は必要か(2010)』を薬物をテーマとして視聴した。どちらもBBCのドキュメンタリーであり、時間としても60分程度とコンパクトにまとめられているが、ルイ·セローのその他のドキュメンタリーも色々と洞察の提供や問題提起をしてくれる素晴らしいものが多い。


政治や薬物関係以外としては、『TOMORROW パーマネントライフを探して(2015)』というドキュメンタリーがとても印象に残っている。書き残したメモを見ると、今日一番メモをしたのはこの作品だろう。


この作品は、「農業」「エネルギー」「経済」「民主主義」「教育」の5つの分野に焦点を当て、パーマカルチャー、トランジション·タウン、ゼロ·ウェストなど、世界各地で新しい取り組みを行っているパイオニアたちを次々と紹介していく内容だ。この作品から考えさせられたことは数多く、今はそれらをここで書くことをしない。


今日の締め括りとして見たのは、大友克洋監督の『老人Z(1991)』というアニメーション映画である。この映画が1991年に世に送り出されていたことに素直に驚いた。


作者の大友監督は、当時から日本の高齢化社会の到来と介護問題について鋭い洞察があったのだろう。また、「第六世代のコンピューター」と呼ばれるものが機械学習をしていたシーンがとても印象的であり、AIに関する知識も大友監督が持っていたことに驚かされた。


実は昨日も大友監督の『MEMORIES(1995)』という3話構成のアニメーション映画を見ていて、1つ1つの作品が非常に興味深く、大友監督の世界観に惹かれるものがあった。


明日はテーマというよりも、敬愛する辻邦生先生がお勧めしていたルキノ·ヴィスコンティ監督の『白夜』『ベニスに死す 』『家族の肖像』のうちどれかをまず見たい。その日の状態に応じて、ヴィスコンティ監督の作品を2つ見てもいいかもしれない。それは明日に判断しよう。いずれにせよ、明日もまた今日と同じぐらい充実した日になるであろう。フローニンゲン2020/12/4(金)20:18

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