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3881. 造形運動:体験と経験および人間発達

February 27, 2019

時刻は午後三時半を過ぎた。これから近所の河川敷のサイクリングロードに散歩に出かけようと思う。今日はすこぶる天気が良いので、昨日と同様に、歩く距離を幾分か伸ばそうと思う。

 

昼食前に曲を作っている最中に、私たちの内側に存在している絶え間ない造形運動について考えていた。それは私の場合であれば、言葉と音楽という形を伴って行われる。

 

こうした造形運動は、ひょっとすると、発達運動そのものだと言えるのではないかと思った。また、そうした運動そのものが、ある一人の人間の固有性を規定するとさえ言えるかもしれない。そうであれば、その運動そのものが、自らの固有性の核にあるという点において、それは魂の運動と言えるように思えてくる。

 

昼食前に作曲をし終えると、改めて、メロディーとハーモニーについてはしっかりと学習を進めていく必要があると実感した。そうした学習を怠っていては、いつまで経ってもメロディーとハーモニーの創出に進展をもたらすことはできないだろう。

 

そもそも理論というものは、生理的に生まれてくる感覚に適切な形をもたらすものなのかもしれない。理論がない状態で形を生み出そうとすると、確かにそれは時にそれなりの形を生み出すが、それは往々にして極めて混沌としたものに陥りがちである。

 

理論というのは何らかの方向性をもたらすものであり、作曲においては、内的感覚を形にする際の方向性を提示するものであり、同時にそれは即、内的感覚に適切な形をもたらす枠組みになりうる。

 

作曲という創造活動に並行して音楽理論や作曲理論を学ぶことによって、これまで発達科学や学習科学を学んでいる時にはあまり疑問に思わなかった、理論とはそもそもいかなるものであるのかに対する問題意識が高まっているように思う。ここからは、理論というものがいかなるものなのかについて、その意味を自ら造形していこうと思う。

 

今日は午前中と午後に、森有正先生の日記を読んでいた。森先生の文章には、いつも自分を刺激してくれる何かがある。それがいかような条件から生まれ、どのような特性を持つものなのかについてはもう全貌が見えてきている。それは偶然にも、今朝方の日記で書き留めた事柄と密接な関係を持っている。

 

一見すると、何の変哲も無いように思える日常生活の中で、森羅万象から自己の新たな側面を浮き上がらせていくこと。実存的に真に深く生きる過程の中で、自らの言葉を紡ぎ出し続けていくこと。そのような形で生み出された文章こそが、自分にとっての真の肥やしとなる。

 

そしてその肥やしを真に自己を深めるために活かすには、その肥やしを持って同様のことをしていく必要がある。つまり、日々の生活の中で、一見すると些細な出来事からも学びを得、未だ気づかぬ自己の新たな側面に光を当てるために、自らの言葉を紡ぎ出して行くこと。そうした地道なプロセスを経て、自己はゆっくりと深まりを見せていく。

 

体験は私たちの意識付けによっていかようにも豊かにできる。だが、経験は私たちの意識によってどうこうできるものではなく、私たちの意識を超えた形で変容を遂げていくだけである、という趣旨のことを森先生は述べている。これには全くもって同意である。

 

そこに体験と経験の決定的な違いがあり、人間発達の本質があるように思う。この点についてより実践的に考えてみるならば、私たちは直接的に自他の経験の変容を促すことはできず、可能なことは、経験の変容を導くであろう豊かな体験を積む支援をするに留まるのではないだろうか。

 

これから散歩に出かけるが、その最中に上述の雑多な考えを整理する必要などなく、ただゆっくりと発酵させていきたいと思う。フローニンゲン:2019/2/25(月)16:04

 

No.1718: Spring Fragrance

 

The fragrance of spring is opening up, which is very mild and gentle. Groningen, 13:26, Tuesday, 2/26/2019

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