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3661. 12音技法を用いた作曲とバッハからの学び


時刻は午後の五時半を迎えた。確かにまだ冬の真っ只中にいるが、日没時間が少し遅くなっていることに気づく。

今日は、昨日に届いた二冊の書籍、“Serialism: Cambridge Introductions to Music (2008)”と“Serial Music, Serial Aesthetics: Compositional Theory in Post-War Europe (2008)”を少しずつ読み始めた。

まず前者に関して序文と第一章を読み終えた。とりわけ第一章の中には、12音技法を用いて作曲する手引きとなる解説があり、それは早速今日からでも活用できると思った。

しばらくは、掲載されていた音列を活用して、何曲か曲を作ってみようと思う。後者の書籍に関しては、つい先ほど序文を読み、目次を眺めたりしていた。

本書を通じて特に私が理解したいのは、12音技法で生み出された曲の美の性質についてである。本書を通じて著者は、12音技法に関する美学に言及しており、そのテーマに関する論述は非常に参考になるだろう。

正直なところ、私はまだ12音技法で作られた曲に美を見出していない。おそらく私には、12音技法で作られた曲が持つ美を掴む観点がなく、また、そうした感性が育まれていないのだと思う。

後者の感性を育むためにも、まずは観点を獲得し、実際に自分で曲を作っていく実践を積むことが重要になるだろう。上記の二冊の書籍を購入したのはまさにそのためである。

12音技法に関する様々な観点を得て、それを作曲実践に活かし、未だ未開発の自分の美的領域を開発していくこと。二冊の書籍を通じてそうしたことが実現されていくことを願う。

昨夜から、再びバッハの曲を聴いている。スヴャトスラフ・リヒテルの演奏するピアノ曲を今日はずっと聴いていた。それに合わせて、今日は午後に、バッハの曲を参考にして曲を作った。

バッハの曲を参考にするときはいつも、「これは凄い・・・」という言葉が自然と漏れる。バッハの曲の構造、そしてそれが生み出す美の双方に対して、いつも感嘆の声を上げている自分がいる。それは今日も例外ではなかった。

バッハの曲はどれも、それほど長くはないのだが、その構造が緻密なため、参考にする際には普段よりも作曲に時間がかかる。だが、仮に時間がかかったとしても、得られることが非常に多いことを考えると、バッハから学ぶことをやめたくはない。

むしろ、明日からは再びバッハの曲を参考にすることに力を入れたい。調性のある曲に関しては、バッハをとにかく参考にしようと改めて思った。それと合わせて、無調の曲も少しずつ作っていこうと思う。

夕食後に再び作曲実践を行う際にはモーツァルトに範を求め、就寝までまだ時間があれば、上記の書籍のどちらかを読み進め、さらにはゴッホの手紙も読み進めていきたいと思う。フローニンゲン:2019/1/10(木)17:45

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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