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3307. 哲学的・科学的な研究の両立に向けて


時刻は午後の五時を迎えた。今日は読書がはかどり、計画していた全ての書籍の初読を終えた。

先ほど芸術教育の歴史に関する書籍を読んでいると、絵画の作品理解や曲の作品理解について実証的な研究をしたいという考えが脳裏をよぎった。科学的な研究を控えると述べていたばかりなのだが、自分の中でまだ何かが揺らいでいるようだ。

現時点では、絵画の作品理解よりも、音楽の作品理解に対して関心があることは確かだが、仮にそのテーマに関する研究をしていくのであれば、定性・定量的なアプローチを採用することになるだろう。

具体的には、そもそも作品を理解するという意味はどういったことなのかを認識論の観点からアプローチし、実際に集めたデータに関しては発達理論や複雑性科学の分析手法を活用していく。そうした作品理解に関する研究のみならず、以前に述べていたように、作曲の学習プロセスについて再び関心が高まっている。

このテーマについて研究を進めていくためには、音楽学部の教授と協働する必要が出てくるだろう。そこでは、作曲理論に対する知的理解の発達プロセスと実際に曲を作る技術の発達プロセスを探究していく。

自分自身が日々作曲実践に従事する中で、作曲理論の理解と技術がどのような発達プロセスを辿っているのかを自らの直接経験だけを通じて探っているような状態に今の私は置かれている。このテーマについても、実際に科学的な研究を行いたいという思いが再び強まった。

やはり私は科学か哲学か、と両者を切り分けることができず、どちらにも従事したいという内なる要求が自分の内側にあるようだ。

以前、ハーバード大学教育大学院のハワード・ガードナー教授とメールを通じてやり取りをさせていただいている時に、ガードナー教授が責任者を務めているプロジェクトゼロでは、最近音楽に関する研究がなされておらず、近々音楽に関する研究プロジェクトを立ち上げようと思っているという連絡を受けた。さらには、音楽に関する研究でガードナー教授と以前協働していた研究者を何人か紹介いただいた。

プロジェクトゼロの枠組みの中で研究を進めていくかどうかはまだわからないが、いずれにせよ、作曲に関する研究について計画を練り、来年以降にはその研究に自発的に従事したいと思う。フローニンゲン大学で複雑性科学、とりわけ非線形ダイナミクスの理論と研究手法を学んだことには何かしらの意味があり、ここで研究を終えてしまうのではなく、それを活用した研究を小さく継続していくことが大切かもしれないと改めて思った。

この研究がどのような役に立つのかは、まだ明確なものはわからない。ただし今見えていることとしては、作曲に関するカリキュラムはどこの音楽大学のコースにもあるように思うが、果たして作曲の学習者及び実践者がどのような学習プロセスで作曲理論の理解を深めていき、作曲技術をどのようなプロセスで高度なものにしていくかは多分に未知であるように思うため、それらが明らかになれば、カリキュラムデザインに有益な研究になるだろう。

作曲に関する研究をしたいという個人的な理由は単純なものであり、そうした科学的な研究に従事すれば、自ずから作曲理論に触れる機会が多くなり、同時に作曲技術の発達に関して研究から多くのことを得ることができ、それが自分の実践につながると思っているからである。

芸術教育に関する哲学的な研究を行っていくことに並行して、作曲に関しては再び科学的な研究に従事していきたいという思いを新たにした。哲学と科学を分離することなく、双方の探究を継続して行っていきたいという強い思いを胸に、これからの探究活動を進めていきたい。フローニンゲン:2018/10/23(火)17:00

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