top of page

2696. 直接体験からの出発


時刻は夕方の四時を迎えた。たった今、近所の郵便局に行き、郵便物を投函してきた。

昨日に引き続き、今日も肌寒い一日である。初夏の足音は聞こえているのだが、その足取りは不安定だ。そうした時にこそ、気持ちのゆとりを忘れないようにしたい。

午前中に協働者の方とのオンラインミーティングを行い、今年度に着手する新たな開発プロジェクトについて話し合った。日本の企業社会への関与に関しては今年度も非常に充実したものになるだろう。

一方で、それとはまるっきり領域を変えたところで自分の探究活動と創造活動を着実に進めていく。一つは美学の探究である。

先月に街の中心部の古書店で購入した“Aesthetics: An Introduction to the Philosophy of Art (1987)”の初読を今日中に完了させたい。美学や芸術論に関する探究は本当に緩やかでいい。

知識の獲得が先ではなく、作曲実践を通じた体験が先に来るべきであり、実際に芸術作品を鑑賞するという体験が先に来る必要がある。

知識から出発するのではなく、自らの直接体験から出発することを最優先させたい。体験を豊かにし、体験を積む過程の中で美及び美的経験について考えていく。

その際に、美学や芸術論を参照しながら自らの思索を深めていく。そうしたプロセスを辿っていくように心がけていきたい。来月に訪れるクレラー・ミュラー美術館での体験は、また自らの探究を豊かにしてくれる肥やしとなるだろう。

上記の書籍を読み進めるのに並行して、作曲理論に関する基礎的なテキスト“Music Composition 1 (2014)”を読み進めていく。今朝方に読解を進め、今はその書籍の半分まで再読が済んでいる。

夕食までには残りの半分を読み終えることができそうだ。本書は二巻のシリーズになっており、明日は第二巻を読み進めていくことにしたい。

ここでも美学の探究と同様に、作曲という実践をとにかく最優先させる。体験を積みながら自分の中で仮説を立て、新たな問題意識を持っていく。そうした積み重ねがあって初めて、作曲理論の解説書が活きてくる。

夕食後、二冊の書籍を読み終えることができていれば、本日二度目の作曲実践を行いたい。おそらく時間的に夜の作曲実践は短い曲に範を求めることになるだろう。その際に参考にしたいのは、バルトークの『ミクロコスモス』の続きの作品だ。

昨夜もこの楽曲集の中の一曲を参考にして曲を作った。バルトークのこの楽曲集は演奏者に対する教育的配慮のみならず、作曲を志す者にとって教育的配慮を感じることのできる曲が多い。いや、全曲が教育的な配慮によって生み出されていると言っても過言ではない。

この楽曲集に収められている曲数は153に及ぶ。今ちょうど3分の1の曲を参考にした。残り百曲ほどに範を求めたあとは、ゲオルク・フィリップ・テレマンの楽曲を参考にしたい。

ちょうど先日にテレマンの楽譜が届いたため、中身を確認してみると、実に学びの多い学習教材のように思われた。バルトークの作品を全て参考にして曲を作るまでにもうしばらく時間がかかるだろう。テレマンの曲に範を求める頃にはまた少し作曲技術に進展があればと思う。フローニンゲン:2018/6/13(水)16:28 

No.1069: A Sequel to a Dream

I feel as if I’m having a sequel to a dream.

The spectrum of consciousness corresponds to that of reality. Groningen, 09:13, Monday, 7/16/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

bottom of page