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2637. 【アムステルダム滞在記】ゴッホの色彩感覚


国際ジャン・ピアジェ学会への参加に向けて、そろそろホテルを出発しようと思う。学会会場に向かう前に日記をもう一つだけ書き留めておきたい。

先ほどホテルのレストランに降り、エスプレッソをもらい、再度自室に戻ってきた。昨日お世話になったホテルマンのモレノが今朝も受付を担当しており、昨日のお礼を述べた。モレノのおかげで昨日美術館に入ることができたからである。

ヴァン・ゴッホ美術館で見たゴッホの数々の名作、そして特別企画展の「ゴッホとジャポニズム」が大変印象に残っており、ゴッホが大きな励ましと閃きを私に与えてくれたことは間違いない。

先日シュタイナーが色彩について論じた書籍“Colour (1992)を読むと、各色にはそれに対応する固有の感覚があるだけではなく、身体意識の階層とも関係があるようだ。本書に書かれていた事柄をまだ完全に咀嚼できていないため、何度も繰り返し読む必要があるのだが、ゴッホが用いた黄色とオレンジ色に対して特殊な力を感じるのは私だけではないだろう。

太陽の神々しい光のような黄色とオレンジ色には昨日も大いに目を見開かされた。あの力強い鮮やかな色を思い出すだけで、どこか力が湧いてくる。

あれは活力を示す色なのだろうか。シュタイナーの色彩論を核として今後ゆっくりとゴッホの用いた色について理解を深めたいと思う。そうした学びを通じて得られた事柄を自分のデッサンにも活かし、さらには作曲に活かしていく。

とにかく曲の中で色を出し、色を描き分けたいと思う。今は全くもってその境地に至っていない。

学習を一歩一歩進めていく必要がある。曲の中に色をつけるにはどうしたいいのだろうか。今のところ即座に思いつくのは、調の設定とハーモニーが曲の色を大きく左右するということだ。

一つ一つの調に対する理解を深め、さらには転調に関する技術にも習熟していく。そして、ハーモニーの技術にも習熟していきたいと思う。今日はこれから発達科学に関する学会があるのだが、頭の中は作曲に関することで一杯である。

学会から帰ったら、上記の事柄に関する手持ちの書籍を繰り返し読み込んでいきたいと思う。そうして得られた知識を毎日の作曲実践の中で適用していく。

ゴッホが絵画の理論を旺盛に学び、新たな技術を次々にものにしていったように修練を続ける。ゴッホの全ての手紙をゆっくりと読み返しながら、ゴッホがいかに絵画の技術と思想を高めていったのかを追っていく。ゴッホは本当に私の模範である。

昨日ゴッホ美術館で画集を含めた文献を五冊ほど購入した。また、昨年日本に一時帰国していた際に、上野の映画館で見たゴッホの作品のイラストレーションを用いた素晴らしい映画のブルーレイとゴッホの専門家がゴッホの生涯と作品について解説したドキュメンタリーDVDを合わせて購入した。

それらの文献と映画・ドキュメンタリーは、学会が終わってからじっくりと目を通したい。今日は終日学会があり、学会からホテルに戻ってきたら、明日の発表に向けて何度か予行練習をしようと思う。

昨日も移動中に頭の中で何度か発表の練習をしていたが、今夜は資料を眺めながら発表に向けた最終確認をしていく。

そろそろ学会に向けてホテルを出発しようと思う。早朝のアムステルダムに降り注ぐ朝日がダイヤモンドのように輝いている。朝のアムステルダムの雰囲気はどこかとても甘美だ。アムステルダム:2018/5/31(木)08:03 

No.1049: On an Early Summer Wind

A gentle wind is blowing in Groningen. I come to think that it is not so bad to ride on the wind to go to an unknown place. Groningen, 08:45, Friday, 7/6/2018

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