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2509. 楕円の思想


今日は午前中に、知人の方とオンラインでミーティングをさせていただいた。対話の話題に尽きることはなく、無数の気づきが私の中で生まれたことは間違いないが、改めて午前中の対話を振り返ってみたときに、一つ大変興味深い話があったことが印象に残っている。

それは「楕円の思想」と呼ばれるものだ。これは二つの異なる円が重なりあっており、それら二つの円をさらに包摂する一つの円をイメージとして持つ。

これはまさに「正反合」の発想と非常に似た発想でありながらも、円のイメージが私の中で強く印象に残っている。こうした印象を自分の内側に残しているのは、この思想と成人発達理論の思想が繋がっているからではないかと思った。

相矛盾するものや対極的なものの中に共通点や相違点を見出すところに留まるのではなく、そこから一歩認識世界を深め、それらの共通点や相違点を包括するようなさらに一段高い認識世界を構築していくというのは、まさに私たちの発達プロセスにおいて見られる。

単純に二つの円の共通点や相違点を見出すのではなく、それら二つの円そのものを包摂するような新たな円を認識することが可能になってくる。この点において私は、「真理は常に矛盾の中に宿っている」という言葉の意味が明確なものに思えてきたのである。

一段高い真理というのは矛盾の中に宿っているのだ。相矛盾した二つのものの先には常に新たな真実が待っている。

人間の発達というのは、真実が開かれていくプロセスなのだ。そのようなことを思う。

そうした思いを持っていると、これからなお一層東洋思想を学びたいという思いが強くなってくる。まずは龍樹、空海、道元らの思想に範を求めることになるだろう。

そうした探究を支援してくれるものとして、井筒俊彦先生の仕事がある。この夏は時間をかけて井筒先生の書籍と向き合っていきたい。

気づけば昼食の時間が迫ってきた。午後からは作曲実践を少し行い、午後の時間の多くは論文の執筆に充てたいと思う。

今日は気づけば木曜日であり、平日なのだが、どこか休日のような感覚が自分の中でする。時期としては日本のゴールデンウィークに該当することもあり、何か日本の集合意識が自分の意識と共鳴し合っているのだろうか。

日々創造行為に従事する中で、いつか本当に創造行為だけに没頭する生活を送りたいと思う。それを行うために街を離れ、自然の中に還っていく。

より自然が身近にある生活を送りたいと強く思う。仮に街に住まざるをえないとしても、街の中心部を避け、できるだけ自然の豊かな場所で暮らしを営むようにする。

昨年の夏に訪れたノルウェーの印象がまだ私の内側に強く残っている。ノルウェーを含めた北欧諸国の生活環境にどこか憧れのようなものを自分は持っているようだ。

自然の中には私を惹きつける何かがあり、大切なものがそこにある。自然の中で、自然に近い場所で創造行為に打ち込む日の実現に向けて、今日の残りの時間がある。

自分の内側に自然を見出し、内外の自然を通じて生きることのできる日がやってくるのはそれほど遠くないだろう。フローニンゲン:2018/5/3(木)12:00

No.1002: Impulse

A serene wind is blowing through Groningen.

I’m feeling not only such a wind that blows in early summer but also an impulse inside myself. Groningen, 08:46, Tuesday, 5/29/2018

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