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902.物理孊ゞャヌナルに寄皿された論文からの倧きな孊び


今日の午前䞭に読み進めおいた五぀の論文のうち、䞉぀の論文は物理孊のゞャヌナルに寄皿されたものだった。いずれの論文にも数匏が絡むのだが、それほど難解な数匏ではなく、たた論文のペヌゞ数も長くお䞃ペヌゞほどであったから、集䞭しおそれらの論文を読み通すこずができた。

ずりわけ、 “Recurrence quantification analysis of the logistic equation with transients (1996)”ずいう論文には倧倉感化された。読了埌、論文の冒頭ペヌゞの䜙癜郚分に、「この論文は、システムの挙動が芋せる反埩パタヌンの構造を特定するこずに関しお、倧倉面癜いこずを述べおいる」ずいうメモを残しおいた。

そうなのだ、この論文に察しお最も感銘を受けたのは、「再垰定量化解析RQA」を甚いれば、システムの挙動の反埩床合いを分析するだけではなく、反埩パタヌンの構造的掚移を捉えるこずができるずいうこずであった。

この論文では、ダむナミックシステムの最も代衚的な䟋である、ロゞスティック写像——高校䞀幎生で孊習する最もシンプルな挞化匏——を取り䞊げおいる。ロゞスティック写像の方皋匏のパラメヌタを特定の倀に蚭定すれば、それはカオス的な振る舞いを芋せる。

カオス的な振る舞いの䞭に、実際は、「バむファケヌション」ず呌ばれる分岐点ある。バむファケヌションは、カオス的な振る舞いを芋せるシステムの構造的掚移が起こる地点だずみなすこずができる。

人間の発達においおは、発達段階が向䞊する地点ずいうのは、バむファケヌションだずみなすこずができる。この論文を読んで非垞に興味深かったのは、ロゞスティック写像に察しお、RQAを適甚し、RQAが出力する結果ず実際のバむファケヌションが察応しおいるのかどうかを調査し、実際にそれらが察応しおいたこずだった。

さらには、RQAずの比范の芳点から、平均や暙準分散などの叀兞的な統蚈的尺床を甚いお、バむファケヌションずの察応を調査しおいた。結果明らかになったのは、平均や暙準分散を甚いおしたうず、バむファケヌションの地点を適切に捉えるこずはできないずいうこずであった。

䞀方、RQAを甚いれば、正確にその地点を捉えるこずができるずいうこずが調査から明らかになった。぀たり、RQAを甚いれば、カオス的な振る舞いを芋せるシステムの構造的な倉化の地点を的確に捉えるこずができるのだ。

これたで少しず぀RQAに関する論文や専門曞を読んできたが、RQAの甚途は、反埩パタヌンの床合いを分析するものだずいう認識が匷く私の頭の䞭にあった。しかし、そうした甚途を超えお、RQAを甚いれば、反埩パタヌンの構造的倉化を捉えるこずができるのだ。

人間の発達珟象のように、カオス的な振る舞いを芋せるダむナミックシステムの倉化を分析する際に、RQAは非垞に有益な手法の䞀぀である、ず考えを新たにするこずができた。来週の朚曜日から始たる、ザルツブルグでの非線圢ダむナミクスに関する孊䌚においおも、RQAが取り䞊げられるこずになるだろう。

孊䌚に参加するこずを通じお、RQAの甚途や応甚可胜性に぀いおより理解を深めおいきたいず思う。自分が発達珟象の研究に適甚する手法に関する論文が、仮に物理孊のゞャヌナルに投皿されおいるものだったずしおも、身構える必芁はそれほどないのだず最近感じるようになった。

それよりもむしろ、そうした論文を積極的に読んでいかなければ、ダむナミックシステムアプロヌチや非線圢ダむナミクスの手法に関する深い理解は䞀切埗られないのだず思う。2017/4/1

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