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3684. 修練の時期


これから本日三回目の作曲実践を行いたい。ラヴェルのいずれかの曲に範を求めて、一曲ほど作る。

今日は昼食前に、12音技法を用いて作曲を行い、その時の経験をもとに、次回どのような曲を作るかを少しばかり考えていた。次回12音技法を用いた作曲をするときには、実験的に、極端に高い音と極端に低い音を中心にして曲を作ってみようと思う。

もちろん、通常の高さの音も使っていくが、それは時折挿入する程度にしてみる。こうした実験をしようと思ったのは、今回の作曲実践を通じて、通常よく用いられる音域に音を鳴らした場合、どうしても汚く響きすぎてしまうことが多いが、極端に高い音や極端に低い音を使ってみると、不思議とそうした汚さが和らいだように感じたからである。

もしかしたら、この感覚の背後には、何かしらの理論があるのかもしれない。それもまた探究ポイントとなる。

12音技法のみならず、作曲全般に関しては、とにかく試行錯誤と実験の連続である。曲を作っていることは「実践」というよりも、失敗をして、失敗から気づきや発見を得るための「実験」と呼んだ方がふさわしいように思えてくる。

昨夜月を見上げながら、音楽的知性について考えていた。それを涵養することはいくつになってからでも可能であるということを、自分自身を実験台として検証していく試みを続けていく。

生み出される曲の質について考えるのは、少なくとも10,000曲を作ってからでいい。それまでは実験と修練あるのみである。

10,000曲を作った経験がない中で質についてあれこれ考えてもほぼ無意味だろう。もちろん、その時その時の作曲実践において質は意識するのだが、それはもうたかが知れているのは十分に分かっている。

10,000曲作るまでは、ほぼ間違いなく準備期間であり、今は曲を作ることに関する土俵にすら立っていないのである。

モーツァルトが五歳ぐらいの時に書いた曲には本当に驚かされ、ピカソが八歳で描いたデッサンには感嘆の声を上げずにはいられない。彼らにはやはり才能があったのだ。

才能を持った彼らでさえ、絶えず創造することを通じて技術を磨き上げていったプロセスには本当に感銘を受ける。

幸いにも、モーツァルトからは絶えず創造エネルギーを共有してもらっている。それに何より、実際にモーツァルが活躍したウィーンとザルツブルグを訪れ、モーツァルトの博物館を訪れたことにより、よりモーツァルトが近しい存在に感じられるようになった。

やはり今年の春は、パリの国立ピカソ美術館に足を運び、ピカソにより親近感を感じられるようにしたいと思う。仮に国立ピカソ美術館に足を運べば、ピカソの絶え間ない創造の秘密を知ることになるだろう。

それは言語的な気づきとして得られるかもしれないし、非言語的な体感的なものとして得られるかもしれない。いずれにせよ、ピカソから何かしらの創造エネルギーを共有してもらえるような気がしている。こうした他力の力を借りながらも、自助的な修練を積み重ねていきたい。

今、こうした日々を送ることができていることを改めてとても有り難く思う。同時に、こうした生き方そのものが、自分に与えられた一つの役割であり、その役割を全うするための必然的なものであるとも感じる。

このような生活は、一見すると、退職をして自由の身になった人の生き方と似ている。私は、こうした生活を30歳を前にした時から送れるような幸運を得た。

もしかしたら、25歳の時に会社を辞めた時に、すでにこうした生活の一部が始まっていたのではないかとすら思う。日々の生活において、これ以上ないほどの充実感を感じているのは、決して悠々自適な生活を送っているからではない。それよりもむしろ、絶え間ない修練がそこにあるからこそ、日々が充実感に満ちたものに感じられているように思う。

自分にもいつか老年期がやってくる。その時に、自由自在に曲を作れるようになっているために、これからの日々の修練がある。

修練の時期が後10年ほど続いたとしても、それは奇跡的なほどに短い。今はとにかく修業の時期であり、作曲技術の基礎、そして音楽理論をどれだけ時間がかかっても構わないのでゆっくりと継続して学んでいく。

こうした生活をやめるときは、自分が人間であることをやめるときであり、自分が人間としての生を存分に生きるためには、このような生活をこれからも絶えず送り続けていく必要がある。フローニンゲン:2019/1/15(火)15:29

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