時刻は午前八時に近づきつつあるが、辺りはまだ暗い。小雨が引き続き降っている。
それにしても、ここ最近は毎朝随分と夢の振り返りを行っている。それが一つのシャドーワークとして完全に確立されたかのようである。
今朝方見ていた二つの夢に関しても、いろいろと思うことがあり、それは自分のシャドーと密接に関わっていることに気づく。そういえば、二つ目の夢の中で講演を行った後にも、また別の夢を見ていた。
夢の中で私は、先ほどの公民館と似た様な建物の中にいた。先ほどまでは日本人ばかりがそこにいたのだが、今度はアメリカ人しかそこにいなかった。
なにやら、アメフトに関するミーティングをそこで行っているようだった。アメフトのコーチや監督が二、三人ほどおり、あとは全員チアリーディングのメンバーであった。
みんなが半円になって椅子を並べ、壁側のスクリーンに映し出された人物とオンラインを通じてミーティングを行っている。私もそのミーティングに入れてもらい、彼らの話を聞いていた。
最初にチアリーディングのメンバーの女性たちが一言ずつ前回の試合について振り返りのコメントをしていった。その後、一人のコーチがスクリーン越しに、どこか別の場所にいるコーチに向かって振り返りのコメントを述べていた。
こちらの部屋で残りのコーチが全てコメントし終えた後、私にも何かコメントをして欲しいとお願いしてきた。私は何を話すかを一切考えていなかったのだが、少しばかりコメントをした。
すると突然公民館の形が変わり、体育館に変化した。その体育館の壇上の地べたに私は座っていた。
周りを見ると、先ほどのアメリカ人ではないアメリカ人の男女の大人たちがそこにいて、円になってゲームをしている。私もそのゲームに参加していた。
そのゲームは至ってシンプルであり、円の隣の人がある形容詞を述べ、その隣の人がその形容詞を用いた例文を作り、それを作り終えたら、新しい形容詞を述べるというものである。
ゲームの進行を観察していると、みんな何とか難しい形容詞を出そうとしているようだったが、どれも簡単な形容詞だった。私の横に座っていたアフリカ系の男性が形容詞を述べる番になった。
彼はニヤリとしながら、“supine”と述べた。一同も一瞬、“supine?”と戸惑いの表情を浮かべていたが、それはGREの単語学習の一環で覚えていたものであったから、私はさっと例文を作り、その後何の形容詞を述べようかと考えた。
形容詞を考えている最中に、周りのアメリカ人たちは「君は日本人ではないな」と笑いながら述べていた。私は別に横の人を困らせようと思っていたわけではなく、アメリカ人ならば誰でも知っているはずの形容詞“abominable,” “rigorous,” “robust,”の三つが脳内にすぐに思いついたため、結局“robust”を選んだ。
そこで私の意識は一気に飛び、自分があるドラマの中にいることに気づいた。そのドラマの中の主人公はアメリカ人女性であり、ドラマの舞台はアメリカである。
おそらく舞台は、アメリカの片田舎の町であった。ドラマの主人公は、二十代かそこからのアメリカ人女性であり、彼女は自分の出自の謎を知り、その謎が人に知られないようになんとか守ろうとしていた。
一方で、その町の多くの人たちは、彼女の出自の謎と関係した、町の教会の欠けた石碑の文字の解明に熱心に取り組んでいた。私はそのドラマの中にいながらも、そのドラマを観察する者として存在していた。
主人公の女性の出自を簡単に述べると、彼女はこの星の生まれではない。彼女は地球の外で生まれ、いわば地球外生命体である。
もちろん、姿形は人間なのだが、生まれた場所はこの星の外にあり、彼女は何かのきっかけで幼児の時に地球に降り立ったようだ。そこからこのドラマがどのように進行して行ったのか記憶が定かではない。
覚えているのは、町の人たちが欠けた石碑の文字の解読を熱心に進めた結果、あと一歩のところで主人公の女性が地球外生命体であるということを発見することに近づいたことである。彼女自身は、自分がこの星の生まれではないということを自覚しており、アイデンティティの葛藤を抱えながら日々を生き、なんとか自分の身元がばれないように生活を営んでいた。
ドラマの最後の方で、舞台となるアメリカの片田舎の町にいた私は空を見上げた。すると、空から欠けた石碑の残りの部分が、一つの石板としてゆっくりと降りてくるのが見えた。
そこで夢から覚めた。フローニンゲン:2018/12/7(金)08:10