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3059.【北欧旅行記】アイノラ訪問の幸運


アイノラのシベリウス博物館にあるカフェがとても落ち着いていて、今もまだそこでゆっくりしている。カフェは開放的なガラスで囲まれており、ガラスの外に広がるシベリウスの庭を眺めることができる。

今日は曇り空であり、気温も低いため、屋外ではなく屋内でこの日記を書いている。ショップの店員の方々は皆親切で、先ほど私が書籍を眺めている時には親切に声をかけてきてくださり、書籍について色々と説明をしてくださった。

アイノラの博物館の公式ガイドブック“AINOLA: The Home of Jean and Aino Sibelius (2015)”には美しい写真がたくさん収められている。その横に置かれていた“One Must Live Every Note: Jean Sibelius’s Decades in Music (2015)”が非常に気になる文献であった。

本書は300ページ弱の資料であり、フィンランド語、スウェーデン語、英語で記載されている。本書の中には、シベリウスの直筆の楽譜がいくつも収められており、それを眺めるだけで何か創造性や霊感が刺激されるかのようであった。

中身を食い入るように眺めていると、ショップの店員のハンネさんが声をかけてくれた。

ハンネさん:「もし何かわからないことがあったら何でも聞いてください」

:「ありがとうございます。こちらの書籍も興味深いですね」

ハンネさん:「ええ、そちらの書籍はシベリウスの音楽について深く学ぶ上でうってつけの資料です」

:「こちらも購入させていただこうと思います。あと、あちらの書籍にも関心があるのですが」

ハンネさん:「はい、こちらの書籍はシベリウスから多大な影響を受けた画家たちの作品と共にシベリウスの生涯を辿っていく面白い作りになっています」

:「ええ、これは本当に面白い構成だと思いました。シベリウスの音楽と人生を絵画の文脈から理解していくというのは実にいいですね」

結局私はこれまた300ページ弱の“Sibelius and the World of Art (2014)”も合わせて購入することにした。三冊の書籍としおりを購入しようと思い、レジに持っていくと、ハンネさんから特別にギフトをもらった。

ハンネさん:「書籍をたくさんご購入いただいたので、こちらをプレゼントとして差し上げますね」

嬉しいことに、ギフトとして五枚ほどの絵葉書のセットを頂いた。フローニンゲンに帰って落ち着いたら、この絵葉書を使って両親に手紙でも出そうかと思う。

書籍を購入後、カフェでコーヒーとチーズケーキを注文した。それをゆっくりと食べながら外を眺めたり、カフェの店内をぼんやりと眺めていると、ピアノが置かれていることにようやく気付き、その上に三冊の楽譜が置かれていることに気づいた。

二冊はシベリウスのピアノ作品が五作品ずつ収められた非常に薄い楽譜であり、もう一冊はシベリウスの作品のみならず、シベリウスと同時代に活躍し、シベリウスから多大な影響を受けていた九人のフィンランド人作曲家のピアノ作品が収められたものだった。

こちらは90ページほどの分量であり、私はどうやらフィンランドの土地の虜になり、この土地にやってきたのも何かの縁だと思い、その楽譜を購入することにした。シベリウス以外の九人の作曲家は全く知らず、彼らについてもハンネさんに質問してあれこれと教えてもらった。

フィンランドにおいてはシベリウスの影響力があまりにも強く、他の多くの作曲家はシベリウスの影に隠れてしまっているが、シベリウス以外にも優れた作曲家がいたということをハンネさんは教えてくれた。また、シベリウスは他の作曲家との交流を大切にしており、特に若い作曲家にとってのメンター的な存在だったようだ。

今日からホテルで行う作曲実践は、彼らの作品に範を求めようと思う。フィンランドの大地を自分の足で踏みしめ、フィンランドの土地の空気を吸うという貴重な経験を経た上で、フィンランドの音楽に接することができるという幸運には本当に感謝しなければならない。アイノラ:2018/8/31(金)13:34

No.1279: The Fifth Day to Stay in Boston

The fifth day to stay in Boston is approaching the end.

Although it rained in the afternoon, today was very fulfilled to me.

I’ll study at the library in HGSE tomorrow again. Boston, 20:58, Monday, 10/1/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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