top of page

3001. 心をなだめる曲


早朝は晴天だった空も、今はすっかり雲に覆われてしまった。しかし、辺りは土曜日の落ち着いた雰囲気を放っている。

先ほど昼食を摂り終え、これから午後の活動に入っていく。街路樹の葉が午前中と同様に穏やかな風に揺られている。

街路樹の葉を何気なく眺めていると、「あぁ、街路樹が紅葉し始めている」と思わず言葉が漏れた。フローニンゲンの八月中旬はもはや夏と呼ぶことはできず、気候としては秋に分類されるのではないかと思う。このところの涼しさを考えると、まさに今は初秋だと言ってもいいだろう。

午前中にGRE試験に向けた単語学習をしていたのだが、午前中はあまり気乗りがしなかった。どこか集中力を欠いたような学習が少しばかり続いていた。

昨夜は就寝前までパソコンの前に座り、今年一年間の居住許可の申請書を提出することに四苦八苦していたことが午前中の集中力に影響を与えていたのかもしれない。確かに昨夜もしっかりとした睡眠が取れたのだが、昨夜の遅くまでパソコンを眺めていたことが午前中の集中力の欠如を招いていたように思う。

そうしたこともあり、あまり無理をせずに単語学習を進めていた。休み休みに単語を確認していき、これからまた残りの単語を確認していく。

単語学習の合間合間に作曲実践を挟んだことはとても効果的であったように思う。やはり一度活字から離れて創造活動に打ち込むことは良い切り替えになる。

また、内側でもやもやしていたものを解消するような働きも午前中の作曲実践にはあったように思う。テレマンの曲に範を求めて作曲していた時、心を落ち着かせるような曲を自然と作っている自分がそこにいた。心をなだめるような曲を作っていると、本当に自分の心が落ち着いてくるから不思議だ。

早朝にはバッハの二声のコラールにも範を求めて作曲をした。69曲中の61番目の曲を参考にし、いよいよ残すところあと八曲ほどになった。

残りの八曲を参考にしたら、四声のコラールを参考に曲を作っていくこともいいのだが、再度二声のコラールを一から参考にするというのも望ましい実践かもしれないと考えていた。それぐらいにバッハの二声のコラールから得られるものが多い。

また、短い曲を作っていくことにより、自分の中に創造活動のリズムがもたらされることも忘れてはならない。そうしたことに加えて、完成した短い曲が自分にフィードバックを与え、そこに変容と治癒の作用が働いていることも見逃すことはできない。これからも引き続きバッハの二声のコラールを参考にしたいと思う。

短い曲を作ることに関しては、バルトークの『ミクロコスモス』を再び参考にし始めたいと思う。バッハのコラールの楽譜を購入するまでは、ずっとバルトークの『ミクロコスモス』を参考にしていた。

バルトークの曲も独特な個性があり、彼の作品から学ぶことも実に多い。今日の午前中のように、自分の心身の状態が優れない時は無理をしないことが賢明であり、作曲実践やデッサンを行うことによって、創造活動が内包する固有の治癒作用の力を借りたいと思う。フローニンゲン:2018/8/18(土)13:32

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

bottom of page