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2697. 芸術と人間発達


今日は夕方まで曇り空であったが、夕食を摂り終えたこの時間帯には夕暮れの太陽が顔を覗かせている。

空は夕日で黄金色に輝き、夕日の光が優しく地上に降り注いでいる。今日もいつの間にか終わりに近づいている。そしてまた明日がいつの間にか始まるのだろう。

夕食前に、“Aesthetics: An Introduction to the Philosophy of Art (1987)”の初読を終えた。本書を読むことによって幾つかまた自分の考えが前に進んだように思う。特に、本書の内容とは直接に関係しない事柄について考えるきっかけを得たことは幸運であった。

その一つには、健全な発達を育んでいくための芸術教育の意義についてである。厳密には、健全な発達を継続的に実現させていくための生涯にわたる芸術教育の大切さについてである。

我が国に限って見た時、義務教育課程における芸術教育の質が高いとはお世辞にも言えず、多くの人にとって芸術教育は基本的に高校を卒業した時点で終わる。私もそのような経験をした一人だ。

学校教育において、技術と思想のない芸術教育を強制的に長い期間に渡って受けさせられ、芸術の価値を理解することができなくなってしまい、芸術を愛でるような心を育む機会を得られたなかったのが自分であったように思う。成人になってからも、芸術教育など望むことはできなかった。

また、そうした関心も自分は持ち合わせていなかった。自分自身の体験を振り返ってみた時に、そこにはやはり真の芸術教育というものが欠落しており、一生涯にわたって芸術教育を受けれるような機会が喪失していたように思う。

最近強く実感しているのは、継続的な発達とそれに伴う人生の質の深化は芸術を通じて深くなさうるということである。このあたりについては自分の考えをもっと深めていかなければならないが、どのような実践よりも芸術を通じた自己及び社会への内省が人生の質を深めていくことに密接に関わっている気がしてならない。

これまでの私は、芸術が持つ意義に完全なまでに盲目であったように思う。確かに、仮にここで芸術の持つ力を強調しすぎることは直ちに芸術に対する新たな盲点を生み出す。そのため、芸術の意義と力については体験を通じてより慎重に吟味をしていきたいと思う。

結局のところ、私たちが発達を遂げていくためには、現在の自己を通じた表現活動と、表現物及び自己への内省が不可欠なのではないかと思う。また、それらに加え、表現活動を通じて社会と自分の人生そのものを内省していくことが大切だ。

興味深いことに、日々作曲実践を積み重ねていくと、昨日の自己から一歩外に出ていく感じが毎日している。創造行為には、こうした自己超出作用が備わっているようなのだ。

昨日ふと思ったのは、創造行為は差異をもとにして新たな差異を生み出すことに他ならないということだ。言い換えると、創造行為は差異を絶え間なく生み出す自己によって行われる活動であり、その活動の結果生み出された表現物は差異を必然的に含んでおり、その差異を自己が実感する時、新たな差異をまた生み出していくという意味である。

創造行為は差異の創出であり、差異の確認であり、そこから新たな差異を生み出していくという円環運動だとも言える。表現手段とその対象は何であってもいいだろう。

とにかく自己を通じて創造活動に従事することは、絶え間ない差異化を自己にもたらし、それが自己を緩やかに深めていく。そして自己が緩やかに深まっていくことは、人生の質がゆっくりと深まっていくことを導く。

芸術と人間発達については本当に多くの観点からより深く考えていなければならないと思う。人生においてこうした大切なテーマに出会えたことを純粋に喜びたいと思う。明日も明後日もこのテーマについて考えていく。フローニンゲン:2018/6/13(水)19:58 

No.1070: Swaying Summer Grass

The grass in front of me is beingblownbya refreshingbreeze. My heart is resonating with it.

Vibration and synchronization seem to be omnipresent in this reality. Groningen, 09:29, Monday, 7/16/2018

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