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2357. 中欧旅行に向けて


小鳥が高らかに鳴き声を発した。それに続いて、遠くの方で小さくさえずる小鳥の声が聞こえた。

午後から雨が降るとは思えないような穏やかな天気が視界に広がっている。今日はまだ寒さが残っているが、いよいよ明日からフローニンゲンも温かくなる。

春のエネルギーと共に、生命が躍動のダンスを始めようとしている。私も彼らと同じだ。やってくる新たな季節と共に、私はまた前に少しだけ進みたいと思う。

内側から湧き上がるこの生命エネルギーを自分の日々の取り組みに傾けていく。これはエネルギーを消費していることを意味しない。

むしろ全く逆に、エネルギーの根源と繋がりながら生きることは、絶え間なく湧き上がるエネルギーを私にもたらしてくれる。生命エネルギーというのは、本来消費しえぬものであり、絶え間ない生成の流れに他ならないのではないだろうか。

復活祭から一夜が明け、今日から新たな週が始まった。形式上、月曜日の今日もまだ祝日のようだ。春の子守唄が聞こえてきそうな世界の中で、自分が取り組むべきことに今日も邁進していこうと思う。

昨日は結局、来週に控えた中欧旅行の宿泊先を確保する時間を取ることができなかった。航空券はすでに予約をしたのだが、まだホテルが確保できていない状況だ。

ホテルを確保する前に、少し気が早いが、中欧旅行に何の書籍を持っていくかはすでに決めていた。おそらく、ホテルを予約することが先であり、順序が逆だろう。

いずれにせよ、中欧に持参する書籍は“A Philosophy of Music Education (1970)”とバルトークの楽譜“Mikrokosmos Complete (2016)”の二冊だけにする。

後者は200ページを越す楽譜であり、少々かさばるが、旅先でも作曲実践を行いたいため、なんとかこの楽譜を持っていきたいと思う。バルトークの楽譜を選んだのは言うまでもなく、今回の中欧旅行でバルトーク博物館のあるブダペストを訪れるからだ。

同様にリスト博物館も訪れる予定だが、私はまだリストの楽譜全集を持っていない。リストに範を求めることはこれまでなかったが、今回の旅を契機としてリストの曲にも範を求めるようになるかもしれない。

バルトークのこの楽譜は、彼のミクロコスモスの全作品が収められており、同時に様々な写真と共にバルトークの歩みがわかる解説文が挿入されている。そうした意味において、資料的な価値もあるように思う。

今回の中欧旅行にこの二冊しか持っていかないようにしたのは、もちろん旅先で多くの時間を読書に充てることはできないからであり、今回訪れる博物館や美術館で諸々の資料を購入することによって帰りの荷物が重たくなることが予想されたからである。

旅の移動中は、基本的に“A Philosophy of Music Education (1970)”を読むか、自分の過去の日記を編集することに時間を充てたい。おそらくその書籍を読むのは、飛行機の機内の中や時間の短い電車の移動中ぐらいであろう。

比較的長い列車の移動や空港のラウンジでは、ひたすらに過去の日記の編集に時間を充てたいと思う。旅先のホテルでは、その日の日記を十分に書き留めた後、少しの時間でもいいので作曲実践を行いたい。

その際に、バルトークのミクロコスモスに範を求める。これはバルトークが小さな息子のために作り始めた一連の楽曲であり、それは演奏初心者のみならず、作曲の初心者にとっても作曲の基礎的な土台を構築するための優れた作品群だと思う。

ワルシャワとブダペストのホテルでは、静かに日記を書き留め、静かに曲を作りたいと思う。来週からの中欧旅行に期待が高まる。フローニンゲン:2018/4/2(月)09:35 

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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