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2089. 二羽のカラスの争いより


普段人と話すことがほとんどないためか、文章を書くことを通じて自分という人間と対話をしている。日々綴っている日記というのは、まさに自分との対話に他ならない。

言い換えると、自分という自己と自分という他者との対話を記録しているのが、この日記だと言えるかもしれない。昨日の自己と今日の自己は異なり、その日の自己は時間の経過と共に絶えず異なる側面を開示する。

そうした変化に富む自己と対話をすることは飽きることがない、と言えるだろう。先ほども自己との対話を行っていると、換気のために開けている窓から、小鳥の鳴き声が書斎に入ってきた。

自己と対話をしている私に対し、その鳴き声は小鳥と対話をすることを私に促しているようだった。しばらく小鳥の鳴き声に耳を傾けていると、早朝に見た微笑ましい光景を思い出した。

早朝、コーヒーを入れ、窓越しから外を眺めていると、一羽のカラスが口に何かを加えながら電灯のてっぺんに止まっていた。よくよくカラスの口元を見ると、それはタバコの箱か何かの紙切れだった。

特に食べる場所などないと思うのだが、カラスはその紙切れを大事そうに口に加えていた。しばらく観察を続けていると、そのカラスは電灯の上で、その紙切れを下に置き、それを突き始めた。

すると、遠方から他のカラスが一羽やってきて、電灯にほど近い木に止まった。すると、そのカラスは電灯のカラスめがけて羽ばたいた。

二羽のカラスは、よく分からない紙切れを奪い合うようにして小競り合いを始めた。その小競り合いが始まった時、とても面白いことが始まったと私は随分と興奮していた。

羽をばたつかせ、その紙切れを守ろうとするカラスと、それを奪おうとするカラス。二羽のカラスが小競り合いをしていると、その紙切れがカラスの口からこぼれ、ヒラヒラと電灯から地面に向かって落ちていった。

すると、後からやってきたカラスがサッとそれを口でくわえて飛び去っていった。

もともとその紙切れをくわえていたカラスは、少し寂しそうな表情を浮かべ、「カァーカァー」と鳴き始めた。動物の世界を眺めていると、実に微笑ましい光景に出くわすことがある。

そもそも、なぜあのカラスはゴミのような紙切れを口にくわえていたのかは謎であり、それを奪おうとしたカラスの意図も謎である。二羽のカラスが始めた小競り合いは、結局はお互いのエゴから生まれたものなのかもしれない。

あんな紙切れのために、なぜ二羽のカラスは争いを始めたのか。それについては少しばかり神妙な気持ちで考えを巡らせていた。

私は二羽のカラスが生きる世界を俯瞰的に眺めていたが、よくよく考えてみると、人間社会を俯瞰すれば、このような小競り合いはこの世界の至るところで常に起こっている。

しかもその構図は、あの二羽のカラスがガラクタのような紙切れを奪い合うために争っていたことと非常に似ており、人間は別種のガラクタのために自らのエゴを剥き出しにし、争いを絶えず行っているように思えて仕方ないのだ。フローニンゲン:2018/2/25(日)12:58 

No.808: Investigation on synchronization by CRQA

While calculating fractal dimensions, I came up with a future research idea.

The present data analysis just compares the fractal dimensions of time-series data generated from lectures and online learners’ comments.

Yet, in my future research, I want to investigate the synchronization between the two distinct time-series data.

One of the best methods to conduct such an analysis would be cross-recurrence quantification analysis (CRQA). Groningen, 12:01, Monday, 2/26/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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