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1955. 新年のテーマ


新しい年を迎えた。今日からいよいよ2018年が始まる。

昨年は自分の中でも変容の年だと位置付けていたが、今年はさらに大きな変容の年を迎えることになるだろう。自己のあり方と生き方に関して、不変的なものを携えながらも、自分の内側は大きな変貌を遂げていくように思える。

それに応じて、あるいはそれを促すべくして、今年は環境の変化が待っているだろう。具体的には、今年の秋からは再び米国に活動拠点を移すかもしれない。

欧州での生活を一旦ここで締めくくり、再び新しい環境で活動を開始させる。新天地での活動は、私の内面世界をより広く、より深く開いていくだろう。 今日は五時過ぎに起床し、朝風呂に入ってから一日の活動を開始させた。新たな年を迎えようが何であろうが、自分が毎日なすべきことは変わらず、それをこれまでと変わりなく淡々と着実に進めていく。

今年から、探究の焦点を人間発達と芸術に当て、とりわけ音楽を通じた人間発達について探究を進めていきたい。当然ながら、フローニンゲン大学で学んできた複雑性科学の手法を用いながら、人間発達と芸術というテーマに迫っていきたいと思っている。

しかし、科学的な手法のみならず、今の私は哲学的なアプローチ、とりわけ美学の観点からそのテーマを探究していきたい。今年は、積極的に美学に関する書籍や論文を読んでいくことになるだろう。

今道友信先生の『美について』という秀逸な書籍は、私を美学の道へ招き入れてくれた。これまでもおぼろげながら美学への関心を示していたのであるが、その関心が発酵を迎えていなかった。

昨日、二年振りに本書を再読することによって、美学探究への関心の炎が完全に灯ったように思う。本書は実家に置いたままにするのではなく、欧州に持って帰ろうと思う。 本書から得られた示唆を風化させないために、まずは本書で下線を引いたところや書き込みをした箇所を読み返し、自分の考えを短くてもいいので文章の形にしておきたい。それは今後の思考の種となるため、短い文章を書くと書かないのとでは大きな違いが生まれるだろう。

今年の探究主題は美学と作曲である。美学に関する哲学的な探究と作曲の実践を相互互恵的に行っていく。

美学の探究が作曲実践の質を深め、作曲実践が美学の探究の質を深めるようになってくれればと思う。そうした関係性が生まれるための小さなきっかけを作っていくのが今年のテーマである。

日常生活と切り離す形でそうした探究や実践を行うのではなく、首尾一貫してそれらを日常生活の中で行っていく。なぜなら、美も音楽も日常に根ざしたものであり、美的経験も音楽経験も本来的には日常の随所に存在しているからだ。

そして、美的経験と音楽経験は、私たちが自分自身とこの世界を含んで超えていくことを促す力を持っている。山口県光市:2018/1/1(月)06:24

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