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1906. ユトレヒト行きの列車の中で


今日は、オランダの主要都市の一つであるユトレヒトを訪れた。フローニンゲンからユトレヒトまでは電車で二時間以上かかるが、ユトレヒトまでの車内の中では、チャイコフスキーが執筆したハーモニーに関する書籍を読んでいた。

この書籍は約140ページほどであり、非常に薄い書籍なのだが、字が細かく、さらには具体例が豊富であるため、非常に読み応えがある。初読の際にはまずは解説文だけを読んでいたが、作曲理論の書籍に関して言えるのは、解説文だけを読んでいてもほとんど意味がないということだ。

作曲に関しては、兎にも角にも自分で曲を作ってみる必要があり、こうしたテキストを用いて学習を進める際には、作曲ソフト上で具体例を再現する必要が必ずある。その重要性を思うたびに、将棋やチェスにおいて、実際に盤面に駒を置きながら自分の手を動かすことの大切さと似ていると思う。

列車に揺られながら、チャイコフスキーが提示している具体例を眺め、それを頭の中であれこれと考えていると、本当に詰め将棋を解いているような感覚になる。詰め将棋に慣れてくると頭の中でそれができるようになってくるが、それでも実際に手を動かしながら考えることの効用は大きい。

それと同じことが、具体例を用いて作曲理論を学習する際にも当てはまる。それよりもむしろ、作曲においては実際に自分の耳でその音を聴いてみることが何よりも大切であるため、なおさら作曲ソフト上で具体例を再現する重要性が増すように思う。

私には、楽譜を眺め、その瞬間に音を頭の中で鳴らす能力がまだ一切ない。これは今後必ず開発していかなければならない能力の一つであるが、今はその能力が一切ないことを考えると、なおさら手を動かしながら、実際に耳で音を確認しながら作曲理論を学んでいく必要がある。

最近自分でも気づき始めたが、私は思考空間の中で記号に触れること、そして記号を操作することを極度に好む傾向にあるため、抽象的な記号の操作の中に身体を介した音を介入させたい。作曲理論の学習においては、それがとりわけ重要になるだろう。 そのようなことを考えながら、チャイコフスキーの書籍を読み進めていると、作曲理論に対する理解度と作曲技術の発達に関する研究のアイデアがいくつか湧き上がってきたため、書籍の内容とは一切関係ないのだが、そのアイデアを余白に書き込んだ。

研究データの入手方法と入手先に始まり、用いる研究手法などを思いついたままに書き留めた。列車に乗っている時というのは不思議であり、何気なく景色を眺めていたり、あるいは持参した書籍を読んでいると、研究や将来の行動に関して思わぬアイデアが湧いてくることがある。

今日もまさにそうだった。私は湧き上がってくる研究アイデアを無我夢中で書き留め、その研究をすでに行っているかのような空想を広げていると、気分が高揚し始め、気がつけばユトレヒトのすぐそばまで来ていた。

いつか本当に、今日この瞬間に書き留めたことを研究しているかもしれない。その日が来ることを静かに、そして強く望んでいる。2017/12/16(土)22:05

No.551: Japanese Atmosphere

Finally, I flew into the sky to Narita.

Interestingly enough, once I took a seat on JAL, I felt as if I were already in Japan.

This was probably because the mental territory of Japan expanded to the flight even though the airplane was in Germany.

Although my mind is still dominated by English, I don’t have to worry about it because my soul already started to vibrate, resonating with the saturated Japanese atmosphere here on the airplane. 20:09, Wednesday, 12/20/2017

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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