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1452. 旅の終焉から新たな旅へ


しとしとと雨が降り始め、雨滴が窓ガラスにポツポツとぶつかる音が聞こえる。同時に、先ほどと全く同じ場所に、しかし先ほどよりも鮮やかな大きな虹の架け橋が突如として遠方の空に現れた。

あの虹はどこにつながっているのだろうか。七色のそれぞれが肉眼ではっきりと捉えられるほどにその虹は鮮やかだ。

自然が開示する神秘的な情景には、いつも心を打たれるものがある。いやむしろ、心を打たれる存在そのものが消滅し、自分が自然への畏怖心の中に溶け込んでしまうかのようである。

降り続ける雨によって、遠方の空に見えた虹はすっとどこかに消え去ってしまった。先ほど同じぐらいに静かにそれは消え去った。

自然の神秘について思いを馳せていると、北欧の雄大な景色が思い出された。あの時も壮大な景色の中に自己が溶解していたように思う。

オスロからベルゲンに向かう列車の車窓から見たノルウェーの雄大な山々と湖が今もなお強い印象を残している。山道が自転車道になっている箇所や湖の脇に自転車道があることを度々目撃した。

あの雄大な景色を眺めながら、自然の中を自転車で駆け抜けたらどれほど爽快だろうかと思った。いつかあの道を自転車で走り抜けたいと思う。 忘れることのできないノルウェーの雄大な美しい景観を思い出していると、雨が止み、再び晴れ間が広がり始めた。夏のフローニンゲンの天候は本当に変化が激しく、とても気難しいように思える。

だが、万物の根源に変化を据えることができるのであれば、この変化に富む天気は万物の根源的な姿だと言っていいのかもしれない。北欧旅行がひと段落したばかりだが、また新たな旅に出かけたいという小さな思いがすっと湧き上がる。

次の旅に早急に出かけるというわけでは決してないのだが、自分を旅に仕向ける働きかけがなされているかのように、旅へ突き動かす何かが自分の内側にあることを知る。今度の旅は、春の季節にしようと思う。

四月の中旬あたりに、ミラノに二日、ローマに三日、ギリシャに四日間ぐらい滞在する小旅行を計画している。今から半年以上先のことなのだが、やはりこの旅も自分にとって重要な意味のあるものになる予感がすでにしている。

旅というのはそもそも何であり、何をもたらし得るのかということをより深く考えなければならない。2017/8/20(日)

No.98: My Life and The Life of Others My life is the life of others, and at the same time, their life is mine.

This river leads to that river. Both rivers connect with a vast expanse of ocean.

The life of others and my life come together and dissolve into oneness.

Whose life is isolated? Nobody’s. Saturday, 8/26/2017

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