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1380. 親としての著者、子としての書籍


昨年の日記を早朝に一つ、午後に一つ読み返していた。以前は過去の日記を編集していた都合上、再度日記を読み返すことがあったが、今は書き留める事柄があまりにも多いため、日記を読み返す機会はめっきり減っていた。

だが、改めて昨年の日記を読んでみて、気づかされることが多々あったように思う。昨夜、文章を書くことに関して偉大な仕事をしてきた幾人かの日本人の姿を見たとき、自らの文章をとても恥じる気持ちがあった。

「恥」という気持ちの性質や意味についてはここで触れないが、とにかく少し沈黙をさせられるような感覚があったのは確かである。しかし、昨年の日記を読み返すことによって、やはり自分はそれがいかに駄文であったとしても、文章を書きながら前に進もうと思った。いや、そうしなければ生きることができないのだという思いを確認させられた。 午前中と昼食後にいくつかの論文を読み進めた。人工知能を取り巻く哲学的な論文と発達心理学者のアネット・カミロフ=スミスの論文が中心だった。

書斎の机に積まれた論文の山もいよいよ無くなりかけている。夏季休暇はまだ一ヶ月ほど残っているため、論文の山が全て消えてからは、まだ一読できていない専門書を順番に読み進めていくことになるだろう。

論文を読み終えたところで、デンマークを代表する三人の作曲家について調べていた。カール・ニールセン、ニルス・ゲーゼ、エドヴァルド・ヘルステッドの三人だ。

来週の今日、フローニンゲンを出発し、デンマークのコペンハーゲンに向かう。旅の移動に合わせて、その国の音楽を聴きたいという衝動がふつふつと湧き上がり、デンマークを代表する作曲家について調べていたのだ。

彼らの作品の中から、代表的な曲をいくつか選び、それを旅の道中に聴きたいと思う。バスや列車での移動の最中にそれらの曲を聴くことが今から無性に楽しみだ。音楽は旅を豊かにしてくれ、旅は音楽を豊かにしてくれるという関係がきっとあるに違いない。 午後、突然に、昨年と今年に出版した二冊の書籍がとても愛おしく思えてきた。自分が起きている時にも寝ている時にも、それらの二冊が懸命に生き続けている様子が伝わってくるのだ。

そして、名前の知らない人たちと自分の代わりに対話をしてくれていることが、遠く異国の地からでもわかるのだ。その姿を見守っていると静かな感動が起こってくる。

正直なところ、どちらの作品もどれだけ時の重みに耐えられるのか定かではない。仮に時の重みに耐えられなくなったとしても、私はそれらの書籍がこの世界で懸命に生きていたということを忘れたくはない。それらの書籍の生みの親は自分なのだから。

ひとたび世の中に送り出された書籍は、著者の手から離れる。だが、それをもってして、世に送り出された書籍との関係が途絶えるわけではなく、むしろそこから書籍を育てる必要が親としての著者に課せられた役割だろう。

世に送り出された書籍を育てる方法は、残念ながら具体的なものはない。自分の子供の成長を見守るように、書籍がこの世界の中で育っていく姿を見守ることしかできない。

しかし、それはただ単に傍観するということでは決してない。親としての著者自身が、さらに成熟した姿に変容を遂げていくという歩みの中で書籍を見守っていくことが大事なのだ。

これから何冊の書籍を日本語で書くのかわからない。もしかするともう二度と書かないかもしれない。

いずれにせよ、この世に生まれて来てくれた二冊の書籍は私にとってとても大切なものであり、自らの成熟の歩みの中で、今後の彼らの歩みを見守りたいと思う。親が子を育み、子が親を育むという関係がここにもある。2017/8/1(火)

【追記】

エドヴァルド・ムンクも、自身の作品を「子供たち」と呼んでいた。第二次世界大戦中、自分の子供としての作品の運命をムンクはとても心配していた。

その気持ちが痛いほど伝わって来る。2017/8/15(火)

No.25: Kaleidoscopic Symbols Last night, I entered a subtle state of consciousness, in which kaleidoscopic symbols appear. An enormous amount of symbols flooded in my consciousness.

These symbols have no relationships with one anther prima facie. However, I would like to investigate them because a particular rule or law might exist to generate those symbols that possess some relationships between them.

A subtle state of consciousness that can produce kaleidoscopic symbols is quite intriguing to observe and delve into. Monday, 8/7/2017

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