top of page

1195. 夏季休暇の始まり


今日は夏季休暇の一日目である。本格的に二年目のプログラムが始まるのは、九月の二週目ぐらいであるから、およそ二ヶ月半を越す休暇となる。

この期間は、自分にとって大きな転換期になるだろう。そんな風に思う。

この期間の過ごし方は、探究者として、実務家として、いや、究極的には一人の人間として、今後どのように生きていくのかを決定づけるような気さえする。今朝は五時に起床し、六時半あたりに自宅を出発し、ライデンへ向かう。

それは、古代エジプトと古代ギリシャの彫刻を見に、「国立古代博物館」へ行くためである。また、哲学者スピノザの過ごした場所を見るために、「スピノザ記念館」に行くためである。

これら二つの場所を訪れるのは非常に楽しみでありながらも、今の心境はとても静かだ。早朝ということも手伝っているのかもしれないが、初夏の季節に自分が溶け込んでいるかのような季節との一体感、取り巻く自然との一体感がある。

書斎から窓の外を眺めてみると、今朝は無風だ。一切の風がなく、家の周りに植えらた木々の小さな葉すら揺れていない。

動いているのは空を舞う鳥たちだけであり、後の世界は微動だにしない。こうした静の優位な世界の中にあることも、今の私の心を鎮めてくれることにつながっているのかもしれない。

昨日は、外に出ると暑さを感じる一日だった。一方、今日はまた涼しい気温になっている。

天気予報を確認すると、オランダ南部に位置するライデンの今日の気温は、昨日のフローニンゲンを少し上回るらしい。当地では少し暑さを感じるかもしれないが、天気に恵まれているため、ライデンの街を観光するにはうってつけの日である。 今朝は五時に起床する前に、激しい夢を見て、3:33に一度目が覚めた。夢の主題は、自らの攻撃性の発露であった。

夏の休暇の始まりを激しく後押しするかのように、極めて強烈な印象を残す夢であった。夢の中の身体動作を引きずる形で、私は目覚める瞬間にも、夢の中と同じ攻撃的な動作を覚醒世界の中でも発揮していた。

激しい攻撃的な夢を見るときには決まって、夢の中の身体と覚醒世界の身体が強く連動し、どちらの世界においても暴力的な振る舞いを見せる。今朝の夢もそうだった。

この夢に含まれていた攻撃性とは対称をなすように、起床直後の私の心的エネルギーはとても静かなものだった。極めて力強い攻撃的な夢を見た後には、いつもこのような、何とも言えないような静かな感覚が自分の内側に現れる。

結局、攻撃的な夢を見る私の根本的な問題は何も解決はしていないが、この問題は、外側からの人為的な働きかけによって解決されるべきものではそもそもないのかもしれない。なぜだか、自分の活動を支える根源的なエネルギーがそこから生まれているような気がしているのだ。

間違っても、これは治癒されるような対象ではない。治癒ではなく、新たな自分に包摂される形で変容される類のものなのだと思う。

今日という一日は、古代エジプト、古代ギリシャ、スピノザと深く触れることになると思うが、それらの中にこの問題に対する新たな啓示があるような気がしてならない。2017/6/20

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

bottom of page