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10862-10872: フローニンゲンからの便り 2023年9月10日(日)



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成人発達理論とインテグラル理論を楽しく学んでいただける「成人発達コラボラジオ」を2023年7月14日より始めました。

タイトル一覧

10862. THCチョコレートを食べてみて

10863. THCと他のサイケデリクスとの比較

10864. THCのメカニズム/THCの体験を振り返って

10865. サイケデリクスに関する法規制の抜け道から考えさせられること

10866. サイケデリクスの社会実装に伴う社会·文化的な取り組みの必要性

10867. 日本の大麻取締法を調べてみて

10868. 日本の薬物4法を学ぶ必要性

10869. 今朝方の夢

10870. “psychotropic”という言葉の訳語/オランダの法規制について改めて調べてみて

10871. オランダの薬物政策/シロシビンの医療効果と日米英の取り扱い

10872. 5年振りのボストン旅行に向けた各種の予約を完了して


10862. THCチョコレートを食べてみて


時刻は午前5時半を迎えた。この時間帯はまだ辺りが真っ暗で、小鳥たちも鳴き声を上げていない。それゆえの静けさがあり、闇と静寂さに包まれた心地良さを感じている。朝日が姿を現すのはもうしばらく後であり、小鳥たちが姿を見せるのももう少し後になりそうだ。


昨日はゼミナールのクラスを終え、近所のショッピングモールに出かけて書籍の受け取りと買い物を済ませた後に、先日親友かつかかりつけの美容師のメルヴィンが教えてくれたカンナビスショップに行って購入したTHCのチョコレートを購入した。THCの含有量が20%と40%のものがあり、そのうちのまずは含有量が少ない方を試しに食べてみた。端的には、THC20%でも調べてみると高含有量に該当し、 その効果を十分に実感することになった形だ。


効果よりも前に味なのだが、味は本当に単なるチョコレートで非常に食べやすかった。購入したチョコレートの大きさはチロルチョコ1個ほどの大きさで、チョコレートに覆われた中身の方にカンナビスの独特の味わいを感じたが、それは決して嫌な味ではなく、全体評価として美味しいチョコレートに区分できるかと個人的には思った。シロシビンやアヤワスカなどの他のサイケデリクスと同じく、摂取してからしばらくはなんともなかった。記憶に残っている限りだと1時間ぐらいは何も変化が見られなかった。そこから最初にやってきた変化は、少し浮遊感のようなものを身体に感じ始め、読書を行うには的しないような認知的状態になってきたように感じたので、2階の書斎の木の床に寝転がって過ごすことにした。すると、覚醒はしているのだが夢見の意識状態に近しい意識の状態になり始め、そこから驚いたことに、シロシビンやDMT、さらにはLSDがもたらすような脳内現象·意識現象が現れた。サイケデリクス研究の言葉ではもはや古くなっているが、端的には幻覚的作用である。カンナビスのTHCにもそうした作用が含まれているものがあると聞いていたが、どうやら今回購入したチョコレートはその種類のようだった。もちろんまだ1つしか試しておらず、もう1つの40%の方は違うカンナビスの種類かもしれない。そう思って種類を調べるために、昨日食べたチョコレートが入っていた小さな立方体のパッケージをゴミ箱から拾い上げ、パッケージの底についていたシールを眺めてみた。表記はオランダ語であるが、おそらくそこにカンナビスの種類が書かれていると思ったので、後ほど改めて調べてみようと思う。


摂取後1時間半ぐらいしてから身体と脳、さらには意識への影響が現れ始めた。THCと言えば、俗語で言うと「ハイになる」と言われているが、今回の経験に限って言えば全くそのような感じではなく、運動には適さないが、哲学的な考察をするのにふさわしいような認知の鋭敏さがもたらされ、そこで数多くの洞察を得た。哲学的な洞察に加えて、ある種実存的な洞察や霊的な洞察も自分にとって大きなものが得られたのは収穫であった。残念なのは、それらは言語化の範疇を超えるものばかりであり、今改めて言葉にすると難しいものばかりである。少しそれらについても振り返ってみよう。フローニンゲン:2023/9/10(日)05:53


10863. THCと他のサイケデリクスとの比較


THCチョコレートによってもたらされた変性意識状態の中で得られた種々の洞察に関することよりも先に、もう少し全体的な振り返りをしておきたい。まずはその他のサイケデリクスとの効果の持続時間の比較であるが、DMTの肺を通じた吸引摂取が一番持続時間が短いのはよく知られているように、それは30分から1時間半程度である。個人的にはシロシビンとアヤワスカの持続時間は似ていて、3時間から5時間程度である。一方、LSDになって来るとさらに効果が長く8時間や12時間ぐらい持続する。昨日摂取したTHCの持続時間は予想していたものよりも長く、シロシビンやアヤワスカよりも長く、LSDよりも短く感じた。もちろんその日の体調や環境設定によっても持続時間は違うだろうが、いつもサイケデリクスの実験的実践をする際には自宅なので、環境という変数は同じである。体調に関してもいつも体調が良い日を実験に充てることから、体調に関してもさほど変数の影響を受けていないと思われる。なので、それぞれの主要なサイケデリクスと比較すると、上記のような順序になるのではないだろうか。MDMAはオランダでも違法なのでそれはまだ試したことはなく、今後MDMAの規制が変わった場合か、大学の研究機関での実験の被験者としてでない限りはMDMAを摂取することはないだろう。


今、改めてパッケージのシールを調べてみたところ、そこにはカンナビスの品種が書かれていなかった。単に食品の成分しか掲載されていなかった。その中で、チョコレートの見栄えを良くするための添加物として二酸化チタンが含まれていることが分かった。これは継続使用や多量摂取が体に良くないものなので、すでに安全性の観点から禁止の方向に向かっている。そうしたこともあり、今後もこの添加物が入っている限りは、THCチョコレートを食べることは控えたいと思う。店で売られていたマフィンにもこの添加物が含まれているのかは確認したい。やはり一番安全なのは、自分でサティバカンナビスを育てて、それを調理することだろうか。隣人のマークもカンナビスを育てていて、彼はもっぱらタバコのように吸引をしているのだが、自分は肺に負担をかけたくはないので、その摂取の仕方には検討が必要である。ヴェイポライザーを活用するなどの手もあるので検討したい。


その他に全体として書き留めておくべきこととして何かあるだろうか。昨日は結局THCによって変性意識状態に入ってからはゆっくりしていて、摂取から5時間半してようやく立ち上がり、小腹が空いてきたので簡単に料理を作った。しかしそこから本を読んだり、コンピューターの画面を眺めたりということをする気にはなれなかったので、すぐさま就寝した。このように、個人的にはTHCの持続時間は随分長く感じられた。ここから調べたいことは、THCが脳内でどのように作用しているのかという脳科学や神経科学の観点での調査である。まずは視覚的にわかりやすい動画を探してみて、そこから学術書を紐解いていきたい。そして、脳内現象だけではなく、直接体験としての意識現象についても一般化させるとどのようなことが言われているのかを学術書で調べてみたいと思う。フローニンゲン:2023/9/10(日)06:15


10864. THCのメカニズム/THCの体験を振り返って


気がつけば、もう午前7時を目前にしていた。つい先ほどまで、THCの脳への作用のメカニズムや身体への作用のメカニズムに関する動画をいくつか視聴していた。カンナビスにはCBDやTHC以外にも様々な種類のカンナビノイドが含まれていて、CBDやTHC以外のものについてはまだまだ研究が進んでいないようだ。学術書を読む限りにおいて、CBDやTHCでさえまだまだ未解明のことがたくさんあるようなので、カンナビスに関する研究はこれからも続いていくだろうし、新たな発見事項が次々にもたらされるであろうから引き続き最新研究には注意を払いたいと思う。


脳には様々な受容体があって、どの受容体にどのように働きかけるかによってサイケデリクスの作用が異なってくることが見えてきている。シロシビンやLSDのようなサイケデリクスはセロトニン受容体に働きかけるが、THCはカンナビノイド受容体に働きかける。2つの受容体は心身に対して異なる働きかけをするゆえに、両者がもたらす心身への効果が変わってくるのだろう。しかし、昨日の体験の感じからすると、両者の効果を区別することは難しい。おそらくシロシビンやLSDと同様に、THCも中枢神経に働きかけていたがゆえに、脳内現象·意識現象として似たような体験をしていた。


印象に残っている脳内現象としては、シロシビンやLSDのように脳内全体が活性化されるような体験があったことである。全脳的な形で脳が活性化され、それに伴って意識が拡張されるという現象があった。そうした状態に入ってから、通常の意識状態では得られないような深い洞察がいくつも溢れるように現れてきた。それらの洞察は言語化が困難なものであるが、そこで得られたことは体感として、あるいは直感として今後も残り続けるだろう。脳の機能がシフトすると、リアリティもシフトするという感覚。脳の働き方が変わると、身体が存在しているリアリティではないリアリティの世界にアクセスできるということが紛れもない体験的事実であることを痛感させられる体験もあった。カンナビスについての謎はまだまだ深く、精神薬理学や神経科学の観点に基づく先端的な研究はとりわけ関心がある。主観的な意識体験については自らの実践·探究によって今後徐々に自らの取り組みで明らかになってくるだろうが、右上象限の脳と身体に関する影響とメカニズムについては学術書や学術論文を追っていく必要がある。そしてそれは自分の大きな楽しみでもある。フローニンゲン:2023/9/10(日)07:18


10865. サイケデリクスに関する法規制の抜け道から考えさせられること


昨日のTHCの体験について振り返りながら、カンナビスに関する動画をあれこれと視聴している。手元にあるカンナビス関係の学術書もまだ未読のものがあり、それらを読んだ後には、再び科学的な論述を加えている学術書を繰り返し読むことで、現代でわかっているカンナビスに関する科学的な知識を獲得し、その知識基盤を堅牢なものにしていこうと思う。今のところ、自分のTHCとの付き合い方であるが、他のサイケデリクスと同じく、それは毎日摂取するようなものでは決してなく、自分の場合は内面探究のために折りを見て活用することに留めたいと思う。それはこれまでのサイケデリクスに対する接し方と変わりはない。深い哲学的·実存的·霊的洞察を得るという目的でそれらをうまく活用していくことが自分のスタンスで、その摂取には心身の準備も必要であるし、体験をするための、そして体験を咀嚼するための時間も要する。そうしたことから毎日摂取するものでは決してないというのが自分のスタンスだ。カンナビスやサイケデリクスのレクリエーション目的での使用が認められている国や地域が増えてきており、お隣のドイツもカンナビスについてはレクリエーション目的での使用が既に合法になっている。この間のドイツの国営テレビの動画を見たときには、LSDでさえも民間人がマイクロドーシングとして活用しているようだったので、LSDのようなかつでスケジュール1で厳しく管理されていたものもドイツでは合法になったのかもしれない。この点についてはドイツの法規制を改めて調べてみようと思う。


早速調べてみたところ、どうやらLSDそのものは依然として厳重管理されているようだが、LSDと分子構造がほぼ同じの1CP-LSDがドイツ政府が認定するようなサイケデリクスではないようで、それが抜け穴としてベルリンなどの大都市のショップで販売されているようだ。なのでこちらの物質も合法なのでは決してなく、単に法律上のグレーゾーンを突いたものでしかない。オランダで言えば、シロシビン·マッシュルーム(マジック·マッシュルーム)の販売は禁止されたが、シロシビン·トリュフが規制されていないのと論理は同じだろう。また、オランダではLSDの研究目的での販売がなされていて、それは人に投与するのではなく、動物に投与するための実験用のようだが、結局一般人がそれをオンラインで購入できてしまう状況を見ると、サイケデリクスを取り巻く規制というのは本当に抜け道だらけなのだとわかる。そしてこれはサイケデリクスのみならず、暗号資産などの他の対象についても当てはまるように思うため、そもそも法規制というのはそれができた段階で既に無数の抜け道が存在しているということを自覚しておかなければならないだろう。そうしたことを踏まえて、サイケデリクスに関する望ましい規制が何なのかを考えていくことは今後の自分の課題でもある。そうした意味で右下象限の探究が不可欠なのである。フローニンゲン:2023/9/10(日)07:53


10866. サイケデリクスの社会実装に伴う社会·文化的な取り組みの必要性


ドイツのベルリンで販売されている1CP-LSDは、どうやら体内に取り込まれたときにLSDと全く同じ分子構造になって同様の働きをするらしい。なので1CP-LSDはプレサイケデリクスなのであって、それはまるで結婚した後にその人の本性が出るようなイメージだろうか。いずれにせよ最初からLSDとして機能するように準備されていて、体内に取り込まれた瞬間に分子構造に変化が起こり、LSDと同様に働くようだ。以前近所のスマートショップのオーナーが同様の説明をしていたなとふと思い出した。オランダでもLSDはスケジュール1扱いで、販売は許容されていない。スマートショップで販売されているのはあくまでもスケジュール1のような物質ではなく、膨大な実証研究によって安全性が確保されているものだけである。また、継続研究によって危険性が明らかになった際には、速やかに販売も中止されるという仕組みがオランダにはある。いずれにせよ、オランダの一部のスマートショップで販売されているのは、法律の抜け道をついたLSDの類似品であるということだ。なのでそれは違法でも合法でもないものなのである。それは形態としては、小さなドリンクボトルに入っていたり、ペーパー式のものだったりする。スマートショップのオーナーもそれがグレーな製品であることを知ってか、基本的に棚には置いていないことが多い。


そのようなことを考えながらさらに法規制の調査を進めてみると、ドイツでは結局1CP-LSDは違法になったとのことである。そしてそこからまた新たにLSDの類似品の開発に向かっているそうだ。このような様子からも、結局法律に関するいたちごっこが続くのであるから、より抜本的な構造的対策が重要なのではないかと思う。それは文化的にも制度的にも求められていることで、さもなければ単に規制上のいたちごっこが繰り返されるだけで、人々のサイケデリックリテラシーは高まらず、誰も幸せにしないと思われる。サイケデリクスが多くの人に正しく·安全に活用されるようにし、サイケデリクスの研究がより進展するような社会·文化的な取り組みには何があるのか。それについて自分は真剣に考えていこうと思う。フローニンゲン:2023/9/10(日)08:12


10867. 日本の大麻取締法を調べてみて


今朝は起床からずっと、昨日のTHC体験を受けて、カンナビスに関する調べ物をしていた。こうした調べ物をする際には、常にインテグラル理論の4象限が少なくとも頭の中にあって、全象限の観点から調査が行われる。左上の象限に関しては、学術書の記述を読むだけでは分からないことがたくさんある。というのもそれは直接体験を司る象限なのであり、直接体験というのは最もユニークなものであるから、学問的に抽象化された記述ではあまりピンとこないことが多いのではないかと思う。それこそ、「非二元」「三昧」「悟りの意識状態」などと言われても、その直接体験がないと記述を読んでも分からないのと同じである。左上の体験は昨日積むことができ、それについても引き続き振り返りをしていきたいが、今朝方調べていたのは、右上象限に関するものであり、とりわけTHCが脳と身体にどのように働きかけるかに関心があった。これについても色々と面白いことがわかり、まだまだ未知なことが残っているので継続的に調べていこうと思う。その次に調べていたのは、各国の法規制についてである。


日本においては、THCは大麻取締法で罰則が与えられているが、ここにも抜け道がある。端的には、この法律で罰せられるのはあくまでもTHCが含まれるカンナビスを所持していた場合に限り、使用は罪に問われないのだ。もちろん、使用していたというこはその前に所持のフェーズがあったはずなのだが、使用そのものは問題にならず、所持していたり、他者に販売した場合に罰せられる。これは多くの人も知っているような常識的な知識だと思われる。しかし改めて法律を調べてみると、大麻取締法の第三条には、「大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない」とあり、大麻取扱者として政府から免許(厚生労働省令の定めるところによる都道府県知事の免許)を得ていない者が使用することも禁じられているように読み取れるように思われる。「研究のため使用してはならない」とあるが、それは「レクリエーションのため使用してはならない」とは書かられておらず、研究ではなくレクリエーション目的だったら使用していいのかという疑問が湧く。常識的に考えれば、レクリエーションと研究では概念の次元が違うはずだが、この文章だけをみると、一般人が使用することに関しては確かに文言としては禁止されていないように読み取れる。自分は法律の専門家ではないため、法曹の友人に今度尋ねてみたいことである。あるいは父が法律に詳しいので、今度父に聞いてみるのもありである。


第二十四条の三を改めてみると、次のようなことが書かれている。「次の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役に処する」とあり、「一 第三条第一項又は第二項の規定に違反して、大麻を使用した者」は五年以下の懲役に処せられるとある。この条文を見ても、やはり使用もまた禁止されているように思えるのだが、「所持はダメで使用は大丈夫」という法律的根拠はどこにあるのだろうか。ひょっとしたら「所持はダメで使用は大丈夫」というのは都市伝説的な言説に過ぎないのではないかと思えてくる。いずれにせよ、法律の専門家でもなければこのあたりのことはよく分からないので、日本においてはTHCのカンナビスは所持することも、使用することも控えた方がいいのではないかというのが今のとこの自分の考えである。この論点については法曹の友人に尋ねてみる必要がある。フローニンゲン:2023/9/10(日)08:33


10868. 日本の薬物4法を学ぶ必要性


日本を取り巻く薬物の法律は多岐にわたり、錯綜としている。先ほど調べていた大麻取締法以外にも、麻薬及び向精神薬取締法、覚せい剤取締法、あへん法、毒物及び劇物取締法、医薬品医療機器等法などがあり、それらについても法曹の助言のもと、自分の知識を整理し、これからサイケデリクス研究の論文を執筆していく際にも言及したい事柄である。特に、サイケデリクスを取り巻く法規制の国際比較をする論文を執筆する際には、自国の日本の法規制に精通しておくことは最低限求められることである。少なくとも、「覚醒剤取締法」「大麻取締法」「あへん法」「麻薬及び向精神薬取締法」の薬物4法についてはちゃんと自分で原文を読み込んでおきたいし、今後の法改正にも目を光らせておきたい。具体的に法規制の国際比較の研究をする際には、和書として『麻薬·向精神薬·覚醒剤管理ハンドブック 第11版』は参考にしたいし、『入門·覚せい剤事件の弁護〔改訂版〕』を通じて、覚醒剤に伴う事件の判例などを読みたいし、実際に覚醒剤に関する捜査がどのように行われているのかを知るために『覚せい剤犯罪捜査実務ハンドブック』という書籍も参考になるだろう。日本の法規制についても知らなければいけないが、少なくとも自分が住んでいる国や今後住むことになるであろう国の法規制についても絶えず調査をしていきたい。アメリカとなれば、州ごとに法律が異なるため、どの州に住むかによってまた調べ直さないといけないこともあるだろう。


薬物4法について改めて調べ直してみると、覚醒剤については所持も使用も処罰の対象らしいが、大麻に関してはそのどの部分を使用したのかの判別が困難なため、所持は罰せられるが、使用は処罰の対象外になっているらしい。しかし今後、尿検査のようなものを含め、CBDとTHCのどちらの成分を摂取したのかがより明確にわかるようになれば、このあたりの法律も変わってきそうである。カンナビスの成分は、代謝·排泄に時間がかかり、完全に身体からその成分が抜けるまでは1週間かそれ以上かかるらしい。そうなってくると、通称「サイケデリック·ツアリズム」あるいは「カンナビス·ツアリズム」という形で、タイやオランダ、ドイツなどのTHCの摂取が認められている国に日本から行ってそれを摂取した際には注意が必要かと思う。帰国の直前にTHCを摂取して、仮に日本で尿検査や血液検査などが強制された場合に(おそらくそのような強制をすることは憲法上認められていないと思われるが)、検査結果によって使用が認められ、罰則が適用される可能性があることも念頭に置いておく必要があるのではないかと思う。自国のルール、海外のルール、そして国を跨いだ場合での注意点など、諸々と調べて考えてみないといけないことがたくさんある。しかしそれもまた学術探究上の喜びでもあり、自己と社会を知る喜びでもある。フローニンゲン:2023/9/10(日)09:02


10869. 今朝方の夢


サイケデリクスに関して色々と調べ物をしていると、あっという間に午前9時を迎えていた。辺りはほのかな朝日に包まれている。明日まで気温が高い日が続く予定なのだが、今日の最高気温は28度とのことなので、30度に到達しないのであれば比較的過ごしやすいのではないかと思う。小鳥たちの鳴き声に耳を傾けながら、この日記を執筆したら今日の読書に取り掛かろう。


今日は午後から成人発達コラボラジオの収録があり、今日はシロシビンを扱う予定なので、シロシビン に関する文献を中心に読み返しておきたい。まだ未読のものがあれば、そちらについても読み進める。本編でシロシビンの話をした後に、振り返りのセッションでは昨日のTHCの体験についてシェアをしたいと思う。それに向けて、カンナビスについては後日改めて扱うが、THCを含めたカンナビスの成分についてはもう少し理解を深めておこう。


サイケデリクスについて色々と調べ物をしていた都合上、今朝方の夢についてはまだ振り返っていなかった。それについて取り急ぎ振り返っておこう。


夢の中で私は、大学時代のゼミの女性友達と小中学校時代に住んでいた社宅の部屋で話をしていた。彼女は小柄で可愛らしい顔をしているのだが、部屋で話をしていると、実は彼女が男性だということを知って仰天したのを覚えている。あまりに驚いたので思わず声を出してしまい、そうすると父が何事かと思って私たちがいる部屋にやってきた。私はなんでもないと父に述べたが、なんでもないで済まさられるようなことではなく、引き続き彼女に話を伺った。そのような場面があった。それ以外には、中学校時代に通っていた個人塾で数学の問題を解いている場面があったことを思い出す。私の右隣にいた友人が数学の問題を自分よりも好成績で解いていたことに驚かされた。普段は私の方が問題が解けているはずなのだが、どういうわけか自分はいくつかミスを犯してしまっていて、彼よりも点数が低い状況だった。その状況は容易には受け入れ難く、彼の好成績の秘密について少し調べたいと思った。今朝方はそのような夢を見ていた。


それでは日曜日の朝の穏やかな雰囲気に包まれながら、今日もまたサイケデリクス研究に熱を入れていこう。いや、熱を入れようと思わなくても自然に熱が入ってしまうことから、この研究分野は本当に自分が情熱を傾けるに値するものなのだとわかる。フローニンゲン:2023/9/10(日)09:25


10870. “psychotropic”という言葉の訳語/オランダの法規制について改めて調べてみて


時刻は午前11時を迎えた。早朝に引き続き、サイケデリクス研究の調べ物を継続させている。


自分にとってTHCの持続時間はシロシビンやアヤワスカなどよりも長く感じたが、研究結果においては概して2時間から4時間ほどの持続時間らしい。これもやはり自分の身体の大きさや耐性の度合い、さらには摂取時の自分の状態に左右されるのだと思われる。まだ冷蔵庫に保存しているTHC40%のかなり高濃度のチョコレートはまた実験として来週の土曜日に摂取してみようと思うが、その際にはゼミナールのクラスを終えたタイミングで摂取したいと思う。昨日は午後2時に摂取したが、次回は正午から摂取して、ピークの体験が収まるのを早めの時刻としたい。そうすれば夕食を食べたり、ゆっくり入浴する余裕が生まれるかと思われる。


日本でよく言われる「向精神性の」という言葉は、英語の“psychotropic”という単語の訳語であることがようやく判明した。向精神性の物質については、ウィーンに拠点を置く国際麻薬統制委員会が規定している。付表を眺めると、スケジュール1には、乱用が深刻で医療価値がないものとして32の物質が列挙されている。その中に、LSD、MDMA、メスカリン、サイロシビン、DMT、テトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれているのだが、これらに限っては、身体依存が低く、医療価値についての研究も進んでおり、分類に誤りが見られる状況であり、現在各国でそれらの物質に関する研究結果を受けて、分類の見直しが行われている。32の物質の中で乱用と医療価値がないものとをきちんと区別しなければいけない。


一般にアンフェタミンのような覚醒剤と、LSDやシロシビンのような幻覚剤と括られる物質には身体依存がほどんとないことが明らかになっているが、バルビツール酸型とモルヒネ型の物質には身体依存があり、離脱が致命的となりうることがあるという点には注意が必要だ。薬物規制における包括的な禁止主義は人権侵害や薬物使用を停止させることの失敗をもたらしうるし、薬物の医療価値の研究とその開発を抑圧してしまうという結果をもたらす。


オランダの法規制についても改めて調べてみると、オランダにおいて一定量のカンナビスの個人所持が刑罰の対象外となっているに過ぎず、一定量を超えた場合には取り締りがあることを改めて知る。オランダにおけるコーヒーショップは、寛容政策によって、オランダアヘン法に基づいた一定の量の販売と所持が許可されているソフトドラッグとTHCを含む製品を個人使用のために販売する小売店として機能している。法定の分量上限(5g)というのは、例えばシロシビン·マッシュルームで言えば、テレンス·マッケナが命名した「英雄の服用量」に該当する。大麻の個人的所持に関しては、30グラムまでなら罰せられないとのことであり、それ以上所持している場合は売人だとみなされて取り締まりの対象になる。親友のメルヴィンが述べていたように、1つのコーヒーショップで1回に買えるTHCカンナビスの量は5グラムまでであるが、それは1つのコーヒーショップなので、複数の店を梯子すれば、それ以上の量を手に入れることができるが、30gを超えて所持すると規定量を超えているので取り締まりの対象になる。そのようなことを改めて学んだ。フローニンゲン:2023/9/10(日)11:11


10871. オランダの薬物政策/シロシビンの医療効果と日米英の取り扱い


午前中のサイケデリクス研究は順調に進んでいる。秋を感じさせる柔らかな朝日に照らされた世界の中で、小鳥の鳴き声を聞きながら、穏やかな気持ちで研究を進めていた。


オランダの薬物政策は、厳格な規制をすることによって薬物を完全に追放することは不可能だという前提に立っている。主には2つの原則があり、1つは薬物使用は公衆衛生の問題であり、犯罪ではないという原則であり、もう1つはハードドラッグ(ヘロインやコカインなど)とソフトドラッグ(THCカンナビスなど)を政策上明確に区別する形で、薬物による害を減らすという原則がある。この2つの前提的原則に則って、行政が適切に管理できる施設に対してだけ一定条件下でソフトドラッグの販売を許可し、ソフトドラッグ市場とハードドラッグ市場を完全に分離している。それによって、ハードドラッグが社会に入り込まないようにソフトドラッグ市場を限定して厳格に管理したほうが薬物による社会的な害は少なくなるというハーム·リダクション考えを採用している。オランダのこうした薬物政策はかなりうまくいっており、ドラッグの使用による死亡事故は欧州の中で最も低く、ドラッグの中毒患者に対する支援や施設の提供も充実している。当然ながらオランダの薬物規制がうまくいっているとはいえ、限界もあるため、そうした限界を認めながら、さらにより良い規制の枠組みはないのかを考察していきたい。おそらくこのあたりについては公共政策や法律の研究者の間でも議論されているかと思われるので、彼らの専門的な知識と議論の展開の仕方を参考にしたいと思う。


今日の成人発達コラボラジオでは、シロシビンを扱うことになっている。シロシビンは、OCDやPTSDへの治癒効果、さらにはうつ病への効果も明らかになってきており、タバコ中毒からの脱却効果もあるということがわかってきている。しかしながら、それはタバコ業界からすると面白くない科学的発見であろう。タバコ業界からの圧力なども今後見られるかもしれず、そうした政治的な動向にも絶えず目を光らせておこうと思う。日本においては、シロシビン·マッシュルームは規制の対象になってるが、ベニテングタケなどのイボテン酸を含むキノコは規制対象になっていないことを知った。イギリスにおいては、シロシビンが体内で変換されると生まれるシロシンとシロシビンがクラスAに区分さており、アメリカにおいては、今のところシロシビンは米国連邦政府レベルではスケジュールIの違法薬物に分類されている。もちろんコロラド州やワシントン州の動き、さらには州レベルではなくカリフォルニア州のオークランドなどの自治体レベルでシロシビンは違法ではなく、脱犯罪化される動きが見られる。また、マサチューセッツ州においても近々脱犯罪化が実現しそうだというニュースを見たことを思い出す。 フローニンゲン:2023/9/10(日)11:27


10872. 5年振りのボストン旅行に向けた各種の予約を完了して


時刻はゆっくりと午後5時に近づいている。この日記を書き終えたら、近所のコピー屋に足を運んで、書籍の受け取りをしてきたい。午後には成人発達コラボラジオの収録があり、今日も充実した回となった。収録が終わってから、この秋のボストン訪問の旅程を立てた。HDSのウェブサイトを確認すると、オープンキャンパスの日がいよいよ確定したらしく、10月の前半と11月の頭の2回にオープンキャンパスが開催されるとのことだったので、当初の予定通り、11月の頭の方に申し込みをした。そこではアドミッションの方たちに質問を直接ぶつけることができるだけではなく、HDSの学生との交流もできるらしく、さらには実際の教授が行う模擬従業にも参加させてもらえるらしいので、大変実りが多そうだと思う。個人的にはこのオープンキャンパスのイベントに加えて、個別に教授に連絡を取って、気になるコースの聴講をお願いさせていただこうと思っている。さらには、The Center for the Study of World Religionsにも訪問させてもらい、事前に連絡をしておいて、研究センターの案内を受けることができたらと思う。それに加えて、HDSにはサイケデリクス研究に関する学生主体の読書グループががあるので、そのグループの主催者の学生に連絡をして、読書会に参加させてもらおうと思う。この連絡も今日中のうちに行っておこう。


オープンキャンパスの申し込みをした後に、すぐさまESTAの申し込みを行い、無事に完了した。一度認証されると2年間有効とのことなので、仮にHDSに合格して晴れて来年の夏に渡米する際にもESTAは有効である。そこからフライトの予約をし、さらにはホテルの予約も完了した。以前から目星のホテルを見つけていたので予約には時間が掛からなかった。キャンパスから歩いていける距離のホテルであり、そこは近くにホールフーズマーケットもあるので、夕食などの食糧調達の観点からも便利な場所だと思った。全ての予約が無事に終わったので、これにて5年振りのボストン旅行の予約で心配することは何もない。 フローニンゲン:2023/9/10(日)16:57

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