No.3129 光の花弁_Petals of Light
本日の散文詩(prose poetry)& 自由詩(free verse)
No, 1147, The First Private Lesson of JKD
I had the first private lesson of JKD today.
It was very fun for me, and I obtained a lot of insights and challenges for my further development.
Before going to bed, I’ll review what I learned today.
From tomorrow, I’ll practice today’s exercises every day.
Groningen; 21:29, 1/9/2022
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本日の3曲
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タイトル一覧
7653. 今朝方の夢
7654. 割座と背面を意識した動的ストレッチ/心如止水と三昧
7655. フットワークを通じた作曲実践とダンスの創作
7656. システマトレーニング9(1/9/2022)動作の導引としての呼吸と 4大エクササイズ
7657. ジークンドートレーニング10(1/9/2022:その1)ロビン先生との初顔合わせ
7658. ジークンドートレーニング10(1/9/2022:その2)ジークンドーの先生は筋金入りの人だった
7659. ジークンドートレーニング10(1/9/2022:その3)ロビン先生について/呼吸を続けることの難しさと大切さ
7660. ジークンドートレーニング10(1/9/2022:その4)詠春拳の2つの技/ブレインツイストを引き起こす宿題
7653. 今朝方の夢
時刻は午前5時を迎えた。早朝より雨が降っていて、目覚めた時には雨音が聞こえた。その雨音は自分の静かな喜びを伝えていた。
というのも、今日の午後にジークンドーの最初のプライベートレッスンがあるのだ。そのため今日は、午前中にはジークンドーのトレーニングをせず、動的ストレッチと火の呼吸をこれから行い、少し時間を空けてシステマのトレーニングをして身体の調整をしたいと思う。
ジムまでの往復4kmは、ウォーミングアップを兼ねてナンバ走りをしていこう。帰りもそのように走るか、あるいはナンバ歩きをしながら、今日のトレーニングを振り返りたいと思う。
ジムが近くにあることとプライベートレッスンをしてくれる先生がいて本当によかった。先生とは今日が初顔合わせなので、どのような人柄の人なのかも楽しみである。メールやメッセンジャーからして、とても気さくでユーモアのある方のように思える。
今朝方は2つほど夢を見ていた。夢の中で私は、大学時代の優秀な友人と一緒にいた。なんと彼は小学6年生の姿になっていて、そして彼は自分の教え子だった。
これから大事な中学入試があり、私は彼の付き添いとして一緒に会場に行った。会場に到着すると、自分も一度試験が行われる教室に入った。
すると、そこには中学入試に来た小学生だけではなく、高校生や大学生、さらには国家試験を受ける成人も混じっていた。このような光景は見たことがなかったので、最初は面食らったが、彼はどんな状況でも動じることがないと思ったので、大丈夫かと思った。
部屋から出る前に、彼の席の机に仮置きした自分の書籍を廊下に持っていこうとした。試験が終わるまで廊下の椅子に腰掛けて読む本を彼の机の上に一時的に置いていたのだ。何の本を持ってきていたかというと、システマ関係の本が15冊ぐらい、その他にもマーシャルアーツやソマティックセラピーに関する書籍が10冊ぐらいあった。
私は25冊ぐらいの本を一気に持ち上げてそれを抱えるようにして廊下にゆっくりと運び出した。廊下に出ると、そこに今は亡き母方の祖母が立って微笑んでいた。祖母は私に何か一言だけ述べて消えていった。
私は少しその場で呆然として立ちすくんでいて、我に返ってから椅子に座り、システマの本からまずは読み進めていこうと思った。すると、廊下の椅子ではなく、待合室で読む方がいいように思われたので、待合室に移動することにした。
待合室に到着すると、そこには4人ほどの男性がいて、見ると、3人は友人だったので驚いた。そして残る1人は、大学時代のゼミの先輩だった。
先輩は何やら熱心に勉強していて、何の勉強をしているのか尋ねてみたら、国家公務員採用2種試験を受けるとのことだった。私たちが卒業した大学においては国家公務員採用1種試験を受ける人たちは多くいたが、2種試験は珍しく、先輩なりの考えがあるのだろうと思った。
どんな試験内容なのかを尋ねたら、マークシート形式や記述形式があるらしく、興味本位で記述試験でどんな問題が出るのか質問してみた。先輩はすぐに具体的な問題を出してくれ、それはなかなか難しい問題だと思った。
先輩の後ろには本棚があり、そこには先輩が持ってきた書籍で埋め尽くされていた。見ると、試験とは関係のない書籍もたくさんあり、先輩曰く、息抜きで読むために持ってきたとのことだった。
しかし、それにしても息抜きで読むにはあまりにも大量の本だったので驚いた。本棚の中には法華経の原典のようなものもあり、それを息抜きとして読むというのは随分と変わっていると思った。そこから法華経の話を先輩とし始めたところで夢の場面が変わった。
次の夢の場面では、私はマリオカートをしていた。これはゲームをしていたというよりも、自分がカートに乗ってその世界を実際に走っていた。
そこからふと、今度はゲームをしている視点に帰ってきた。そこで私は、友人と一緒に、どのキャラクターが好きかを話し合った。私は軽量級のキャラクターが好きであり、初速と小回りが効くことが好きな理由だった。
好きなキャラクターの話で盛り上がった後、最後にもう一度レースをしようということになった。そこから覚えているのは、私が選択したキャラクターは他の人が取らない、あるいは取れないようなコインをたくさん集めて速度を速くして、なんとか先頭集団にいたことである。
そして最後の方で、突然キャラクターがコースから外れ、ゲームの外の世界に向かって飛び出していったことだ。その先には、工場の横に付いているような剥き出しの階段があって、そこに1人の男性と1人の女性がいた。
2人はもつれあって喧嘩をしているように見えたが、女性が襲われているようだった。私が操作していたキャラクターはその現場に向かって飛んで行き、キャラクターの到着と同時に、そこに自分がいた。私は男性を撃退し、女性を守ったが、女性は放心状態だった。そのような夢を見ていた。フローニンゲン:2022/1/9(日)05:38
7654. 割座と背面を意識した動的ストレッチ/心如止水と三昧
時刻は午前7時半を迎えた。つい先ほど、朝の動的ストレッチと呼吸法のエクササイズを終えた。動的ストレッチにおいては、徐々に割座の姿勢に慣れてきた。これまで行ってきた股関節を回すエクササイズを補完するかのように、割座からのストレッチは股関節の可動領域をさらに広げてくれると思う。
ここ最近は、背面のストレッチも意識的に行っている。ヨガでいうところのブリッジポーズを何回か行ったり、背中をそるアーサナを動的ストレッチ風に行っている。ついつい体の前面部分ばかりを伸ばしがちだが、背面部分も伸ばすことによって身体全身の柔軟性が調和的に拡張していく。
呼吸法のエクササイズにおいては、バンダはもう慣れたものだが、ナウリの動きが難しい。お腹をへこませた状態で、お腹を波打つように動かすことがまだ難しい。これも鍛錬によっていつか可能になると思われるので、焦らず気長に毎朝ナウリの練習をしていく。
動的ストレッチによって、無理なく無駄なく爽快に動けるような身体が徐々に形成されている。これはマーシャルアーツのトレーニングを行う際にも重要だ。日々の鍛錬においては、筋肉を鍛えるよりもむしろ、体内に存在する「気」を活性化させることを意識する。
筋肉はあくまでも結果的に鍛錬されるのであって、決して筋肉を鍛錬しようと思わないようにする。さもなければ、自然な動きを疎外する肥大した筋肉が形成されてしまう。マーシャルアーツの実践者として、それは避けなければならない。
火の呼吸をするたびに思うが、これは「心如止水」を実現させる。言い換えれば、心の想念が完全に止まった状態を実現してくれるのだ。
これはヨガにおいては、「三昧」と呼ばれる状態である。すなわち、心の動きを死滅させ、心が無になる状態である。
無の状態に入るのは日常においては難しいが、火の呼吸はそこにいざなってくれる。先ほどもその状態に入り、今は頭がとてもスッキリしている。ここからの午前中の活動も充実したものになるだろう。フローニンゲン:2022/1/9(日)07:38
7655. フットワークを通じた作曲実践とダンスの創作
穏やかな日曜日の朝の世界が目の前に広がっている。時刻は午前9時を迎えたが、まだ完全に夜が明けていない。
今日は昼前に、両親と2ヶ月に1度のZoomミーティングを行う日だ。そして両親との会話を楽しんだら少し仮眠を取り、ジークンドーのロビン先生が待つジムに行く。初顔合わせ、そして初めてのプライベートレッスンに胸が躍る。
アートとしてのジークンドー。ジークンドーの鍛錬と学習を進めれば進めるだけ、そのようなことを思う。特に、ストレートリードは、まさにジークンドーの最高の芸術作品だと思う。
今、ストレートリードだけに焦点を当てた学術書のような書籍を読み進めているのだが、この技が膨大な知識の集積としての運動科学に基づく極めて合理的かつ洗練された技術だということがわかる。細かなことはここでは書かないが、ニュートンの運動法則の1から3を全てカバーしている点と、身体の構造特性を見事に捉えている。
これまで4年間ほど行ってきた作曲実践が、ジークンドーの鍛錬においても活きている。それはとりわけフットワークに関することだ。
ジークンドーのみならず、どんな武術もスポーツもフットワークは極めて重要だ。その時にフットワークのリズムが重要になる。
まだ習っていないが、ジークンドーにおいてハーフビートのフットワークがあるらしく、これを習得すれば攻撃のバリエーションが一気に拡大する。ハーフビートのリズムは、相手にとって予測不可な動きを生み出すことができ、相手を撹乱することができる。
作曲実践との繋がりでいけば、基礎的なフットワークに修練し、そこから応用的なフットワークを学ぶ過程の中で、自分独自のリズムを持ったフットワークを生み出すことは、自分独自の曲を作っていく作曲に近いと思ったのである。
これまで幾つかのフットワークを習ってきたが、それだけでも組み合わせはすでに無限のものになっている。ここからまた新たにフットワークを習っていくと、それらを組み合わせれば、本当に無限に曲を作れるかのようにフットワークで独自のリズムを持った身体作曲ができる。
フットワークの鍛錬は地味に思えるかもしれないが、自分にとっては極めて華やかだ。なぜなら、フットワークの組み合わせによって、自分独自の身体的な音楽を生み出せるからである。
自分の身体を使った音楽を生み出す喜びは汲みすることができないほどに深い。そこには即興性を発揮する喜びもある。
フットワークを用いて曲を生み出し、ダンスを創作していくこと。やはりジークンドーはアートなのだ。まさにマーシャルアーツと呼ばれるにふさわしい。
マーシャルアーツの鍛錬が、本当にアート的な創作の楽しみと深く結びついている。この喜びと楽しさを多くの人に分かち合いたい。
それは生命の躍動的なダンスであり、音楽だ。それを通じて自らはますます癒され、心身が活性化されていくに違いない。フローニンゲン:2022/1/9(日)09:21
7656. システマトレーニング9(1/9/2022)動作の導引としての呼吸と 4大エクササイズ
時刻は午前11時を迎えようとしている。あと30分後に両親とZoomで2ヶ月ぶりに話をする。その前に、システマのトレーニングを行った。
今回のトレーニングは再び基礎であるシステマ式の呼吸法をしながら、身体をゆっくりと動かすことを行っていった。呼吸と動作を合わせることを常に意識し、呼吸が動作を導いていくというシステマの原理に従って身体をゆっくりと動かしていった。
この原理はとても大切だ。決して動作が呼吸を導くのではない。これは護身術上もとても大切なように思える。
仮に体が抑えられても、呼吸を抑えられることは基本的にない。なので絶えず呼吸が動作を導くことを意識していく。
この発想をジークンドーのストレートリードの技と絡めてみると、ストレートリードにおいては身体は絶えず手から動き出すことが重要になり、その動きの前に呼吸から動きを始めることが大切なように思える。
すなわちストレートリードにおいては、まずは呼吸がその技の導引となり、そして手が先に動き、その次に足が動いていくという流れだ。この流れをくれぐれも逆転させないようにしたい。
呼吸を体幹で感じたり、腕で感じたり、足で感じたりするエクササイズを行った後に、今度は腕と呼吸を連動させる動きや、足と呼吸を連動させる動きを行った。そしてそこから、腕と足を絡めて、全身と呼吸を連動させる動きを行っていった。
このように全身と呼吸が連動してくると、それはシステム理論的な発想で言えば、全体は部分の総和以上のものとなる。それが思わぬ大きな力を生むのだ。呼吸と動きを連動させることは常日頃から意識していこう。
そこからはシステマの4大エクササイズを行った。具体的には、呼吸と連動させてプッシュアップ、スクワット、シットアップ、レッグレイズを行った。
レッグレイズの動きは、ヨガのアーサナの鋤(すき)のポーズ(ハラーサナ)と同じであり、これは自分の中でも好きな動きである。4大エクササイズも回数が重要ではなく、ジークンドーのステップの練習と同じく、1回1回の丁寧な動きが大事だ。
決してそれらのエクササイズを筋力トレーニングと混同してはならず、むしろ筋肉の緊張を生まない形で、あくまでも呼吸が全ての動きをリラックスした形で導いていくことを意識する。
今見ているDVDはちょうど半分ほど残っているので、DVDの最後には回復力を養うエクササイズがある。ジークンドーのプライベートレッスンから帰ってきたら、本日のトレーニングを締め括るエクササイズとしてそれらを試してみたいと思う。フローニンゲン:2022/1/9(日)11:08
7657. ジークンドートレーニング10(1/9/2022:その1)ロビン先生との初顔合わせ
先ほど、待ちに待ったジークンドーのプライベートレッスンを終えて自宅に帰ってきた。まだその興奮が冷め止まない。
当初予定では80分のトレーニングの予定だったが、100分ほどのトレーニングをしてもらった。少し順を追って初レッスンについて書き留めておこう。
今日は初回のレッスンということもあり、場所もまだ訪れたことのないところだったので、自宅を早めに出発した。実はレッスンの場所は、以前の自宅のすぐ近くであり、そこには行ったことはなかったが大体の場所のイメージは掴めていた。それでも今回は早めに自宅を出発した。
スマホを片手に地図を時折見ながら、自宅からジョギングすること10分ちょっとで到着した。先生のロビンさんは、その場所は昔は高校だったらしく、廃校になってからそこに道場を構えたとのことだった。
道場の付近は昔以前の自宅から散歩したことのある場所だったので、とても懐かしい景色であった。道場に到着すると、部屋の中で静かに座している男性がいた。私はすぐにロビンさんだと分かった。ロビンさんは私に気づくと、すぐに立ち上がり、笑顔で挨拶をしてくれた。
ジークンドーを始めてから32年ほど経つとのことだったので、もう還暦ぐらいかと思ったが、思ったよりも若く50歳になるかならないかだった。オランダ人でマーシャルアーツをやっているとなると、すぐに大柄な男性をイメージしてしまうが、ロビンさんはそれほど大きくなく、180cmを少し超えるぐらいだった。
ただし、ジークンドーを長年やっていてインストラクター歴も長いためか、一般人とは違うオーラを発していたことは確かである。それを本能的に感じた。
そこからはいきなりトレーニングに入るのではなく、道場の地面に2人で座して、お互いの自己紹介をした。これまでの経歴やなぜフローニンゲンにやって来たのかの話をした。
ロビンさんは元々アムステルダムで生まれ、そこで育ったらしい。その後、エプソンとリコーを経て、リコー時代にロンドンに行くか北オランダに行くかの選択を迫られた時に、今の奥さんと話し合って北オランダに行くことにしたそうだ。
今はフローニンゲンの近くの別の町に住んでいるとのことだった。ロビンさんはとても気さくな人だったので、とても話しやすく、最初から随分と打ち解けた形で始終笑顔で話をしていた。
そこからまずはジークンドーの重要な考え方についてレクチャーをしてもらった。道場にはホワイトボードがあり、そこにすでに重要な考え方が書かれていたり、その横に重要なコンセプトが大きなポスター1枚にまとまっていて、まずは基本的な考え方を教えてもらった。
そこからいよいよレッスンが始まったのだが、そこからの時間はとても刺激的だった。これまで独学でDVDや動画を通じてジークンドーのポジションを学んでいたが、ジークンドーにも流派があるらしく、ロビン先生のものはブルース·リーの原点に忠実なものとのことだった。
なので、これまで自分が習っていたポジションと立ち方で少し相違があった。具体的には、オンガードポジションにおける足の位置と、左手の構えの位置である。
ロビンさんはいずれの動作についても“Why”を大切にしていて、こちらになぜその構えや動きが大切かを尋ねてくれる。質問に対して自分なりに答え、それに対してロビンさんが合理的な説明を加えてくれると、ロビンさんの述べていることが理に適っていることがわかってくる。
もちろん、最初にロビンさんは、ジークンドーの原則として、“Find you own JKD(自分自身のジークンドーを見つけよ)”という言葉を述べてくれ、1人1人体つきもこれまでの経験も違うのだから、自分が述べることをまずは何度か試してみて、もしそれが自分にフィットしないようだったらそれを捨て去ってしまってもいいと述べていた。とにかくジークンドーは己の旅なのだということを仕切に述べていたことが印象的である。
そのようなことから、オンガードポジションについてロビンさんの考え方をまずは自分も試してみることにした。具体的には、これまで左手は顎と肋骨をガードするような構えにしていたが、そこでロビンさんが仮に強力な打撃が顎の付近にある手に当たった場合、その衝撃で自らの手で顎を痛めてしまうということを示してくれた。
また、これは後のエクササイズだが、防御の際にブルース·リーが最初に行っていた中国武術の詠春拳のタン·サオ(tan sao)とパク·サオ(pak sao)を習ったのだが、その防御の際にも手が顎と肋骨をカバーしている状態だとそれらの防御の技を出すのに少し時間がかかってしまう。
また足のポジションも、これまでは左足の土踏まずから右足の親指が一直線となるような構えをしていたが、ロビンさんの教えはそうではなく、左足のかかとあたりから右足の親指が一直線になるような構えを推奨していた。これについて今一度その理由を考えてみよう。
今から夕食の準備をする必要があり、夕食を摂り終えたら、また今日のトレーニングログを書き留めておきたい。自分にとってロビンさんとの出会いはとても運命的であり、プライベートレッスンがあまりにも楽しく、刺激的だったので、まだまだ書き留めておきたいことがある。フローニンゲン:2022/1/9(日)18:11
7658. ジークンドートレーニング10(1/9/2022:その2)
ジークンドーの先生は筋金入りの人だった
時刻は午後8時を迎えた。先ほど夕食を摂り終えた。やはり、今日のジークンドーの初めてのプライベートレッスンの興奮が冷めない。
先ほどの日記では書き留めていなかったが、先生であるロビンさんは筋金入りの格闘家だと思った。最初お互いの自己紹介をしている時に、思わず耳を疑うことがあった。
それは何かというと、オランダのK-1の英雄であるピーター·アーツとロビンさんは親交があり、一緒にトレーニングをしていた仲であり、ピーター·アーツのチームとして彼を支えていたことがあったそうだ。
その際には、東京や横浜での試合に同行したこともあったそうだ。この話を聞いた時には相当驚いた。というのも自分がK-1を見ていた時にはまさにピーター·アーツは注目の的だったからだ。
話の中で1つ自分の誤解から笑い話になった。
私:「えっ、本当ですか!(Oh, my God!!)まさかロビンさんがピーター·アーツと親交があったとは···。でもピーター·アーツが亡くなられた時には日本中のファンが本当に残念がっていましたよ」
ロビンさん:「えっ、ピーターは死んでないよ(笑)」
私:「えっ、いやもうお亡くなりになられてますよね?」
ロビンさん:「いや、そんなはずはないよ。何なら今から彼に電話するか、ネットで確認してみようか?笑」
私:「あれっ、何か誤解してますかねぇ?···」
ロビンさん:「あぁ、もしかしたらアンディ·フグのことを言ってる?」
私:「あっ!そうですね、アンディ·フグと誤解してました」
そんなやり取りがロビンさんとあった。いずれにせよ、ピーター·アーツと親交があり、彼と一緒にトレーニングをしていたというのは私にとってかなり大きなインパクトがあった。年齢的には、ロビンさんの方が1歳上か、同い年かのようだった。
ロビンさんは今はビジネスパーソンとしての仕事もあるが、それ以外の時間は、ジークンドーを含めたマーシャルアーツのオランダでの振興に時間とエネルギーを捧げているらしい。
グループレッスンも15名ほどしか生徒を取っておらず、今はウェイティングリストが連なっているようだ。プライベートレッスンに関しては、先週末にアムステルダムに行っていたように、オランダ中の特にセレブたちの要望に応じて8名ほどにプライベートレッスンを提供しているようだ。
そんな中、自分をなぜ生徒として受け入れてくれたのかとても謎であるが、大変光栄で嬉しいことである。おそらく日本人であることに興味を持ってくれたのかもしれない。
ロビンさん自身がエプソンやリコーという日本企業で働いていたことも関係しているだろう。きっとロビンさんと関係を持っていた日本人の方達が良い人たちだったのだろうと思われる。その方達のおかげで日本人の印象が良く、自分を生徒として受け入れてくれたのかもしれない。
ロビンさんとは毎月1回プライベートレッスンをしてもらうことになっているが、最初にその連絡を受けた時、正直少ないと思った。しかし、今日のレッスンを受けて、ロビンさんはもちろんユーモアがあって優しいが、筋金入りのガチな格闘家だったので、毎週トレーニングを受けていたら身が持たないと思ったのも事実である。
最初のうちは月に1回ペースにしてもらい、慣れて来たら要相談で3週間に1回、そこからさらに1年後ぐらいには隔週でトレーニングをしてもらえたらと思う。
ロビンさんには他に本業があり、そちらでファイナンスはもう十分安定しているようなので、マーシャルアーツの振興活動は慈善活動のようなものとのことである。一応プライベートレッスンのフィーを払っているが、破格の値段だった。
今日のトレーニングの最後に、ロビンさんから道場の特別のパスポートを渡してもらい、ジークンドーのエッセンスがまとめられた小冊子とノートがついたものをもらい、さらにはMMA(総合格闘技)用かつジークンドーでも使えるグローブを安く購入させてもらった。
そして、ユーモアに溢れる形で、ジークンドーの陰陽のロゴとロビンさんのジムの名前が刻まれたコロナ対策用のマスクを2着もらった。そんなお土産を手に帰路に着いた。フローニンゲン:2022/1/9(日)20:14
【追記】
ロビン先生のYoutubeチャンネルを見つけたので、ここにも備忘録として記録しておく。
こちらの動画は、先生の道場を紹介している。
7659. ジークンドートレーニング10(1/9/2022:その3)ロビン先生について/
呼吸を続けることの難しさと大切さ
ジークンドーの先生であるロビンさんへの関心が絶えない。そう言えば、ロビンさんになぜ数あるマーシャルアーツからジークンドーを選んだのかについては聞いていなかった。そもそもジークンドーに出会ったきっかけは何だったのだろうか。
あぁ、そういえばそれについてはエピソードとして紹介してくれていたように思う。確かジークンドーとの出会いは、ロビンさんがまだ14歳ぐらいの時に、その当時住んでいたアムステルダムの街にある小さな店に偶然立ち寄った時のことだったそうだ。
その店の2階に上がって行ったところ、そこにマーシャルアーツ関連のグッズがたくさん置かれていたそうだ。その中に東洋のマーシャルアーツに関するグッズがあり、それに目を奪われたという話をしていたように思う。
この話の前に自分の方から、マーシャルアーツとの出会いとジークンドーとの出会いは天啓のようなものだった、あるいは天からのお告げのようなものだったと述べると、ロビンさんは頷いていて、この話に関心を持ってくれているようだった。そこからもう少し言葉を足して話をしたのを覚えている。
ロビンさんはとにかくトレーニング中もそうだし、トレーニング外でも何か疑問があったら質問を遠慮なくしてくれと述べてくれた。実際のところ、これまでのメールやメッセンジャーでのやり取りはいつも返信が早く、とても親身に対応してくれることに感謝している。
今日のレッスンの中でもいくつも疑問をぶつけてみたところ、それらに対してとても的確に回答してくれたことを嬉しく思う。ロビンさんの学術的バックグランドは定かではないが、エプソンやリコーで働いていたということなので、ひょっとしたら理系かもしれない。そのあたりのプライベートなことはまた今後尋ねてみよう。
今日のトレーニングの中でいくつか発見があった。これまで自宅で1人でトレーニングを行っていたが、実際に先生についてもらって目の前に対峙する形で指導を受けると、1人でトレーニングしている時とは全然質も量も違うほどの学びがあった。
ロビンさんが目の前に立つと、何とも言えないオーラがあり、例えば今日からもう攻撃に対する防御方法を習ったのだが、ロビンさんの攻撃の圧力に晒されると、見えない恐怖心が芽生えているのか、呼吸を忘れて防御の動作をしていることに気づいたのだ。
このあたりもシステマのトレーニングで、再三呼吸を途切らせず、絶えず呼吸を行いながら動作をする訓練を積んでいたつもりだが、それはまだまだ不十分であり、実際に緊張や恐怖を覚える際には呼吸というものが自然に止まってしまうのだと思った。
もちろんロビンさんは加減をしながらレッスンを進めてくれていたが、時々あえて素早い動きをしてくれたことによって、実践の場における攻撃の速さとその恐怖を体感することができた。
直感的にすぐに気づいたが、ロビンさんが自分に襲いかかってきたら、一瞬で殺されることがわかったのである。もちろんジークンドーは護身術であるから、その修得者が自ら攻撃を仕掛けることは基本的にないのだが、仮に攻撃を仕掛けた場合の恐ろしさを初回のレッスンですでに体験できたことは良かったと言えるだろう。
その他にもまだまだ今日のレッスンの気づきがあるので、少し休憩してからまた書き留め、もし書き切れなかったから明日の朝にまた備忘録を書き留めておこう。フローニンゲン:2022/1/9(日)20:31
7660. ジークンドートレーニング10(1/9/2022:その4)詠春拳の2つの技/
ブレインツイストを引き起こす宿題
今日のロビンさんとのプライベートレッスンで印象に残っているのは、ブルース·リーが最初に鍛錬していた詠春拳の2つの防御法を習ったことだ。これらは腕を用いるもので、タン·サオ(tan sao)とパク·サオ(pak sao)というものを習った。
タン·サオは、片腕を前に出してそれを花のようにスッと広げる形で相手の打撃を受け流すものだ。もう1つのパク·サオは、「パク」というのが中国語で掌を意味するらしく、掌を使って相手の打撃を受け流す。
タン·サオに関しては、手首ではなくて手の甲で相手の打撃をスッと受け流し、パク·サオは掌を使ってスッと相手の打撃を受け流す。どちらの動きも今日習ったばかりなのでまだまだそれぞれの動作の本質を掴んでいないと思われる。
後日ロビンさんがトレーニング動画を送ってくれるとのことなので、その動画を見ながら正しい動きをとにかく毎日練習しよう。ロビンさんはこちらの理解や習熟度に応じて色々と工夫を凝らしてメニューを提供してくれる。
今の自分にとって少し難易度が高いぐらいの、まさに絶妙なスキャフォールディングを提供してくれるかのようなメニューが今日すでにいくつもあった。例えば、ロビンさんが繰り出すいかなる打撃に対しても、まずは右手のタン·サオ、次の打撃に対しては左手のタン·サオ、そしてその次の打撃に対しては右手のパク·サオ、そしてその次の打撃に対しては左手のパク·サオを出すというものがあった。
これもついつい打撃の種類によっては利き手を使いがちだが、実践においては絶えず利き手が使える状況かもわからないので、このトレーニングは面白かった。さらにそこから難易度を上げたメニューを提供してもらった。
自宅でのトレーニングでもまだ一度もバックフィストなど習ったことがなかったのだが、ロビンさんからの打撃を右手のパク·サオで受け流し、そこからすかさずカウンターでミットにバックフィストを繰り出すという練習を最後に行った。
これが面白かった。というのも、それらを組み合わせて行おうとすると体がついていかず、フォームが崩れてしまい、頭が混乱しているのを実感したからだ。このような形で頭が混乱することなど日常では全くと言っていいほどなく、これこそまさにこれまで自分がプログラミングされていた身体動作の見直しを迫られ、それをアンラーンし、新しい動作に神経回路も筋肉記憶も再プログラミングされていく感覚があって、大きな爽快感があった。
これが深層的な学習の喜びなのかもしれない。身体を通じた学習の喜びはこれほどまでに深いものなのだ。この時に分泌していたドーパミンはきっと大量であり、マーシャルアーツのトレーニング中毒になってしまうかもしれないと思ったほどだ。
ここからは、まずは1つ1つタン·サオとパク·サオの正確な動作ができるようにし、レッスンの最後に宿題としてもらったエクササイズを毎日行いたい。ロビンさんはそれを朝起きてすぐの時にやってみることを勧めてくれ、慣れてきたら少し距離を取って壁の前でそれを行ってみるといいと勧めてくれた。
それは右手と左手を交互に前に出し、手を出す方は縦拳で、手を引く方は拳を握らず拍手のように開いた形で胸に着けるというものだ。これを左右交互にやってみると、少し速度を上げるともう頭が混乱し、本来縦拳で出すべきところを拳を開いてしまうという動作になってしまう。これもブレインツイストである。
この時なぜ壁の前に立つかというと、仮に前に出した手を拳を握るのではなく手を開いてしまったら、指が壁にぶつかって痛みを感じるからという理由がある。この宿題はとても面白く、帰路の最中も歩きながらこの練習をしていた。今夜ももう少し動きの復習をして、明日は今日の復習をし、今日習ったことを何度も練習していきたい。フローニンゲン:2022/1/9(日)20:51
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