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6490-6492: アートの国オランダからの便り 2020年12月20日(日)


No.1649 冬夜の侍_A Samurai of a Winter Night

本日の言葉

Happiness is a skill. It requires effort and time. Matthieu Ricard


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本日生まれた4曲

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タイトル一覧

6490. ビザの更新に向けて/シネマセラピーに関する書籍

6491. 心のコンパスの示す方へ/今朝方の夢

6492. ミメーシス理論と本日の映画鑑賞より


6490. ビザの更新に向けて/シネマセラピーに関する書籍


時刻は午前6時を迎えようとしている。静けさと闇に包まれた世界が目の前に広がっている。


いよいよ年末が迫ってきているが、今年のフローニンゲンは暖冬のようである。まだヒーターをつけることなく生活できていることに驚く。例年は11月頃からもう寒さが厳しくなっていて、この時期はかなり寒い。天気が崩れがちなのは例年通りであるが、気温が高い冬というのは初めて経験することである。


今年の夏にビザの更新手続きがあり、今回更新すれば、5年間ほどの滞在許可が得られる。滞在期間の途中にオランダの永住権とEUの永住権が取得できる条件を満たす。そのタイミングで2つの永住権の申請を提出するか、それとも更新後のビザの期限が切れるタイミングで申請をするかはまた今後決めたい。


いずれにせよ、この夏にビザを更新することができたらそこからしばらくは申請手続きに時間を取る必要がないというのは嬉しいことである。今回のビザの更新は夏だが、申請手続きはもっと早くに行う必要がある。


移民局の方から期限が切れる3ヶ月前に連絡があるとのことであり、そうであれば5月の半ばぐらいに連絡が来ることになるだろう。そのタイミングでビザの申請準備を始める。


書類の提出から3ヶ月弱ほどで更新が完了するとのことである。これまでの経験上、移民局は余裕を持たせて3ヶ月と述べているが、実際にはもっと早く手続きが完了する。


私が住んでいるフローニンゲンから最も近いズヴォレの移民局はひょっとすると、南オランダの移民局よりも申請を受ける量が少ないから手続きが早いのかもしれない。


過去何回かビザの更新を行なってきたが、いずれも1ヶ月か1ヶ月半ぐらいで新しいビザを入手することができていた。もちろんそれらが偶然の可能性もあるので、今回も余裕を持たせて申請をしよう。


もし申請期間にビザが切れたとしても、仮の滞在許可証をもらうことができる。そのため、来年も秋に一時帰国することができないわけではないが、仮の滞在許可証をもらいに移民局まで行くのが面倒でもあるので、来年は秋に一時帰国するのではなく、再来年の春に一時帰国しようかと思う。


これまで春に日本に帰ったことがなかったので、日本の春を体験するのはもう随分とご無沙汰である。今のところの予定では、一年半後の3月の中旬あたりの帰国を予定している。


今日もまた旺盛に映画鑑賞を行い、創作活動に励んでいく。昨夜少し調査をし、シネマセラピーに関する幾つかの書籍を見つけ、それらを今日の夕方にでも購入しようと思う。購入予定の書籍は下記の4冊である。


  1. E-Motion Picture Magic: A Movie Lover's Guide to Healing and Transformation

  2. Reel Therapy: How Movies Inspire You to Overcome Life's Problems

  3. Cinema as Therapy: Grief and transformational film

  4. Movie Therapy: How it Changes Lives


以前から少しずつ映画関係の書籍をリストアップしており、それらのリストには100冊近く溜まっているが、今日の注文ではシネマセラピーに特化したものだけを購入しようと思う。フローニンゲン2020/12/20(日)06:16


6491. 心のコンパスの示す方へ/今朝方の夢


時刻は午前6時を迎えた。引き続き静かな世界が目の前に広がっていて、その世界と自分の心が同一化している。


内側のコンパス、すなわち心のコンパスの指し示す方向に従って人生が進んでいく。心の羅針盤を喪失することなく、そしてそれが示す方向に抗うことなく従っていくこと。心のコンパスを頼りにこれからも旅を続けていく。


創作活動を通じて、自分が想像した世界の中を生きることができることについて昨日考えていた。創作は想像世界の中で生きることを可能にしてくれる。


作曲実践に関して、現在はバッハとフィンランドの作曲家たちに範を求めている。宇宙の音楽と形容されるバッハの音楽から汲み取れることは計り知れない。バッハの音楽に範を求め、自分を通過させる形でそれを現代に新たな形で蘇らせることはできないかと考えていた。


昨日見た“Everything is a Remix Remastered(2015)”というドキュメンタリーを通じて、改めて学習や実践の基本に模倣があることを実感していた。進化の方程式として、「模倣+変容+結合(組み合わせ)」が紹介されていて、まさに自分が日々行っている作曲実践はその方程式に則っている。


絵画の創作に関しては模倣を一切しておらず、完全に独自な形で、その瞬間の自分の感覚を絵として表現しているため、進化の方程式に従っている作曲実践と、そうではない絵画の創作を自分の中で比較していこうと思う。


今朝方はいくつか印象に残る夢を見ていた。夢の中で私は、小中学校時代の友人(AW)の自宅に招かれ、彼の家にいた。


彼の家は港の近くに建てられた大豪邸であり、今回初めて訪問することもあり、その立派さに心底驚いた。建物のデザインは日本的ではなく、ヨーロッパ的で洗練されていた。


友人の家に到着すると、すぐさま家の中に案内をしてもらった。1階がとにかく広く、様々な部屋があって、中には和風の座敷もあり、中には美術品ばかり置かれている部屋もあった。


ある部屋に到着したときに、そこがカフェ空間に突然変化した。どうやらそこはスタバのようだった。正しくは、スタバが彼の家の中に入っていたのである。そこで私は、友人とまた別の友人、そして先ほど外で知り合った日本人女性と話をすることにした。


先ほど外で偶然ながら、ある女性の芸術家が外国人男性に泣きながら抱きついている光景を目にし、ちょうど私の横に立っていた日本人女性とその芸術家の方について話をしていて、意気投合したので友人の家に一緒に行くことにしたのである。


そのような形で知り合ったその女性は、東京大学を卒業していて、歳は私よりも少し上のようだったが、見た目はとても若かった。最初私はその女性とカフェに入り、注文を先に済ませようとしたところ、その女性はまずは席を確保することが最優先だと言わんばかりに、荷物を空席において席を確保してくれた。


そして、私が注文しようとしたところ、支払いは彼女が一括して行ってくれたのだが、それは悪いと思って、注文した「グランデサイズのアイスコーナー氷なし」の代金として300円を店員に渡した。どうやらお釣りがあるようだったが、お釣りを取っておいてもらうように店員に述べた。


注文が終わって席に着いたところで、2人の友人が合流した。そこから私たちは4人で話をするのかと思ったら、その女性は椅子を後ろに引いて、これから彼女以外の3人でライブの動画配信を行うと述べ始めた。それは予想していなかったが、特に断る理由もなかったので、私たち3人は、彼女が後ろで見守る中、動画配信を始めた。


最初のトークテーマが「お風呂」に設定され、バスタブが付いていないホテルには宿泊せず、そうした家を借りることはないということをまず私は述べた。目の前にいる2人は、浴槽に浸かることの心身上の効能を理解していないらしく、バスタブの有無はあまり気にしておらず、日々シャワーで済ませているようだった。


その話を聞いて、私はまた口を開けようとしたが、後ろからその女性が動画配信上の画面にチャットを送り、チャットメッセージを読んでみたところ、話題が変わった。チャットで動画配信に加わるぐらいだったら、ライブのトークに加わればいいのにと思ったところで、私は店の外、そして友人の家の外にいた。


友人の家の近くに小高い山があって、山の中腹あたりに公園があった。私はその公園に向かい、少しくつろごうと思った。


公園に到着すると、偶然ながら大学時代のサークルの先輩が2人いた。2人は学年は異なっているのだが、同じ学部に所属していて、今は医者として同じ病院に勤務している。


私たちが卒業した大学は理系の学部が一切ない文系の大学であるため、医者になる人は少ないのだが、稀にいる。その稀な存在が目の前にいる2人の先輩だった。


私は2人が同じ大学の、同じ学部の、同じサークル出身であり、尚且つ同じ病院に勤めていることの珍しさを指摘し、2人を祝した。すると、1人の先輩が私はこの数年間どのように過ごしていたのかを尋ねてきた。


それに対して私は、自分は30代前半でセミリタイアし、そこからさらに資産的な余裕が生まれたので、今はほぼリタイア生活となり、自分の好きなことだけをする形で毎日暮らしていることを伝えた。それに対して2人は驚いた表情を少し浮かべ、2人の休憩時間が間も無く終わるとの頃だったので、桜が舞う公園の一角で別れた。フローニンゲン2020/12/20(日)07:10


6492. ミメーシス理論と本日の映画鑑賞より


時刻は午後8時を迎えようとしている。今日もまた非常に充実した1日だった。


午後に太陽の光がわずかばかり差し込んできて、その貴重な機会を見逃さず、映画鑑賞をしながら日光浴をしていた。明日からは少し天気が崩れる日々が続くようなので、今日の日光浴は大変貴重であったことがわかる。

フランスの人類学者のルネ·ジラールの「ミメーシス理論」について少しばかり考えている。ジラールによれば、人間の欲望は他者の欲望を模倣(ミメーシス)するという性質を持っていて、こうした模倣の連鎖が現代社会の種々の問題の根底にあるように思えてくる。


今日見た映画作品『NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム(2016)』でもそれが1つのモチーフとして描かれていたように思う。この作品は、SNSを用いたネット社会の罠が描かれていて、人に見られることを通じて人気を集めることに躍起になり、飽くなき承認欲求を満たしながら無謀な行動や発言をしていく主人公たち。


現代でもすでに「投げ銭」という仕組みがあるように、承認欲求とカネとの結びつきがより強くなり、それが暴走し始めるとこの映画で描かれている危険なサービスが登場するかもしれない。ある人間が承認欲求を満たされると、あるいは満たそうとすると、他者もまた自らの承認欲求を満たそうとするというのは、まさにジラールのミメーシス理論とつながる話だ。


上記の映画以外にも、『ブラックサイト(2008)』で描かれている人々の欲求はもっと残虐なものであり、人間に内在する模倣力は方向性を間違えると大変危険なものであることがわかる。模倣に伴うそのような否定的な側面を考えながらも、昨日見ていた“Everything is a Remix Remastered(2015)”というドキュメンタリーに刺激を受け、今日もまたバッハとフィンランドの作曲家のセリム·パルムグレンの曲を参考に曲の原型モデルを作成していた。


今作りかけのモデルがあるので、この日記を書き終えたらそれを完成させよう。日々少しずつであるが、参考にする曲の写譜を行い、それを参考にして曲を作っていく。


朝一番に見ていた『サーミの血(2016)』は、なかなかの力作であった。この作品は、スウェーデンの少数民族であるサーミ人の少女が差別に抗いながら成長する物語である。


出自を捨て、自由を選択した主人公の葛藤に対してどこか共感する自分がいるのは、自分もまたそうした形で異国の地で生活を送っているからだろうか。またそもそも、少数民族が差別され、排斥されるという構図そのものに実体験を伴った共感の念があるからかもしれない。


自分は民族差別を受けたわけではないが、人間としての能力や性格においてマイノリティー扱いを受ける立場にあり続けてきたという点が、主人公に対する共感の念の根源にあるのかもしれない。


出自や血の力と呪いについて考えながらも、自分の血に響く音楽があり、血を活性化させる音楽があることについても思いを馳せていた。それは、主人公が「ヨイク」というサーミ族の音楽によって故郷を思い出しているシーンがあったことによる。


母国が再び精神的に遠い国になり始めている。その一方で、さらに遠くに行くことが母国に最大限接近する方法であるということもわかっている自分がいる。ここから自分はどのような歩みを進めていくのだろうか。フローニンゲン2020/12/20(日)20:05

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