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6215-6217: アートの国オランダからの便り 2020年9月11日(金)


No.1372 夕方のまどろみ_An Evening Doze

本日の言葉

A fool believes what he thinks and doubts what he sees, a wise man believes what he sees and doubts what he thinks. Huang Po

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本日生まれた10曲

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タイトル一覧

6215. シュタイナーの貨幣論/今朝方の夢

6216. 身体感覚と身体意識の拡張に向けて:シュタイナーとゲーテの色彩論

6217. 学習と実践の螺旋プロセス


6215. シュタイナーの貨幣論/今朝方の夢

時刻は午前7時を迎えた。今朝は少し空が曇っていて、朝日を拝むことができていない。幸いにも今日の天気は晴れとのことなので、ここから少しずつ雲が晴れていくことが期待される。


今日の最高気温は18度、最低気温は9度とのことであり、もう随分と肌寒くなったものだ。朝日が昇る時間もすっかりと遅くなり、来月末にサマータイムが終わるのだが、それはもう少し早く終わってもいいのではと思ってしまうぐらいだ。


昨夜から、シュタイナーが経済理論を解説した“Rethinking Economics: Lectures and Seminars on World Economics”という書籍を読み始めた。あれよあれよというままに、気がつけば半分以上を昨夜の段階で読み進めていた。それほどまでに本書の内容は興味深く、とりわけシュタイナーの貨幣論の洞察の深さに感銘を受けるものがあった。


今日も本書の続きを読み、そのあとには音楽美学に関する“Music as an Art”という書籍を読み進める。ゲオルク·ジンメルの“The Philosophy of Money”は明日から読み始めようと思う。


シュタイナーの貨幣論の中で、貨幣に霊性が宿り、霊性が貨幣を通じて活動と交換がなされるという発想が興味深かった。霊性のアクションとしての貨幣とその循環を想定した経済論について、これから理解を深めていこう。


明日から読み始めるジンメルの貨幣論と合わせて、両者の貨幣論は今後も繰り返し参照していくことになるだろう。経済に関するテーマは、これから何年もかけてゆっくりと探究を深めていこうと思う。シュタイナーも経済思想を結実させるまでに30年の探究が必要だったことを絶えず念頭に置いておこう。


今朝方は、少しばかり無意識の世界が穏やかだった。夢を見ていたことは確かだが、その記憶が曖昧になりつつある。


夢の中で私は、両親が現在住んでいる実家のリビングにいて、そこで愛犬と戯れていた。愛犬は確か今度15歳になるのだが、まだまだ若々しく、元気があった。


次の夢の場面では、私はどこかの国のリゾート地にいた。おそらくそこは欧州のどこかであり、海が近い感覚があった。そこで私は寛いでいたのだが、ひょんなことから宿泊先のホテルのセミナールームで講演をすることになった。


講演の中で、身体心理学の話題を取り上げ、全ての活動の根幹に身体と身体エネルギーがあることを説明した。今朝方の夢で覚えているのはそのぐらいである。


目覚めた瞬間にはもう少し覚えていることがあったのだが、それは強固な記憶の形を取らず、どこかに消え去ってしまった。それでは今日もまた創作活動と読書に集中する充実した1日にしたい。フローニンゲン2020/9/11(金)07:29


6216. 身体感覚と身体意識の拡張に向けて:シュタイナーとゲーテの色彩論


時刻は午後7時を迎えた。今、オレンジ色に輝く夕日と赤紫色に輝く夕焼け空を眺めている。昨日はこうした夕日と夕焼け空を拝むことができなかったので、この美しさが身に沁みる。


美を感じるには美に対して満腹であってはならず、むしろ適度な空腹感、すなわち飢えが必要なのかもしれない。それは創作活動に対してもそうなのだろう。


今の自分の日々の創作活動の投入量は、飢えを満たすどころか、より渇望感を引き起こす程度のものである。そうしたことを考えると、さらに創作活動への投入量を増やしてもいいかと思うのだが、あえてそれを留め、渇望感の中で創作活動に従事するようにしている。創作への飢えは留まるところを知らない。


そう言えば、今朝はいつも以上に小鳥たちが鳴き声を上げていた。ここのところの朝の世界はとても静かだったのだが、小鳥たちも何らかの変化を体験することによって再び鳴き声を上げ始めたのかもしれない。明日の朝もまた彼らの鳴き声を聞きたいものである。


作曲や絵画の創作において、身体感覚を拡張させていくイメージを持つことをより意識し始めた。どんな領域においても、高次元の世界に到達するためには、身体を根幹に据え、そこから身体感覚の拡張と質的変容が求められる。カート·フィッシャーのダイナミックスキル理論の観点からも、それは明らかである。


いかなる学習も実践も、それがいかに純粋に知的な活動に見えたとしても、脳を活用する以上はその根幹に身体があり、その高度化には身体意識の拡張が必要となる。


そのようなことを考えながら、作曲技術を身体意識の拡張を通じて深めていくために、曲の原型モデルを再生する都度ダンスを踊り、曲を作ってそれを聴き直す都度踊るというのは、作曲に紐づいた身体感覚と身体意識を育む上で有益そうだと思った。これは数日前に考えついたことであり、今日もまたそれを必ず行っていて、習慣になりつつあることは好ましい。


色彩についての理解を深めていくに際して、シュタイナーとゲーテの色彩論の学習をしていこう。手元には、シュタイナーの色彩論に関する書籍はあるが、ゲーテの色彩論に関するものはない。


もちろん、シュタイナーの色彩論はゲーテの色彩論を参考にしているので、シュタイナーの色彩論だけを学んでいくというのも方法だが、原点に当たるゲーテの色彩論も学習していきたい。その学習の成果を、作曲と絵画の創作の双方に活用していく。


毎朝、バッハのコラールを参考にして作曲実践を始めているのだが、今日からは1日の終わりの作曲実践に際してもバッハのコラールを参考にしてみることにした。1日の始まりにコラールを作ることによって、小さな喜びと感謝の念を持って1日を始めることができ、1日の最後にコラールの曲を作ることによって、気持ちが落ち着く形で1日を終えることができているように思う。


ここからしばらくは、バッハのコラールで始まり、バッハのコラールで終わるというリズムを採用してみよう。フローニンゲン2020/9/11(金)19:29


6217. 学習と実践の螺旋プロセス


時刻は午後7時半を迎えた。西の空に美しく燦然と輝く夕日を拝むことができている。


今日は、シュタイナーの経済思想に関する書籍と音楽美学に関する書籍の合計2冊を読み終えた。音楽美学に関する書籍はさらにもう1冊を午後から読み始めていて、それについては今夜読み終わる予定だ。


明日はジンメルの貨幣論に関する書籍を読もうと思う。本日読み終えたシュタイナーの経済思想に関する書籍は秀逸であり、今後少なくとも5回ぐらいは読み返すことになるだろう。


今回は初読だったので、全体を把握するような読み方をして、あまり細部に入らなかった。初めて訪れる土地を、誰も一歩一歩足元を見ながら歩く人がいないように、書籍の読解においても全体の内容を把握し、土地勘を養うことが大切になる。


一歩一歩、つまり一言一句最初から最後まで丁寧に読もうとすると、必ずどこかで迷子になり、結局はどこかで挫折することになるだろう。それが学術書であれば尚更だ。


初読から一言一句読もうとするような読み方は、街の全体を把握しないまま知らない道の石畳を一つ一つ眺めていくようなものである。それでは日が暮れてしまう。


あれよあれよという間に、75冊注文した書籍のほとんどを読み終えてしまった。予定では、日本に一時帰国してオランダに戻ってきてからそれらの初読が完了すると思っていたのだが、日本に帰る1ヶ月前にもう初読が終わりそうなのだ。


今手元にある大方の学術書の初読は来週の初旬に終わるだろう。そこからは、DK出版の様々な分野に関する図鑑を10冊ほど読んでいく。それは文字通り図鑑であるが、それについても初読時には同じような読み方をしていく。


このDK出版の図鑑シリーズは図解入りでとてもわかりやすく、日本から戻ってきたらクラシック音楽に関する2冊の図鑑と、絵画芸術に関する4冊の図鑑を同出版社から購入しようと思う。それらの図鑑に関しては、すでに購入予定の文献リストに入れておいた。


明日からの読書においても、同じトピックやテーマを何度も循環させることで、徐々に理解を深めていくプロセスを大切にしたい。とにかく接触回数を増やし、少しずつ理解を深めていく。


成長や発達が螺旋を描きながら実現していくのと同じように、学習や実践の深度もまた螺旋を描いていくのだ。螺旋を走らせることが大事であり、そのためには繰り返しが大切になる。


1巡目と2巡目においては、もう自分は同じ自分ではないのだから、得られる量も質も変わってくるだろう。


本日読み進めていたシュタイナーの経済思想について改めて考えていると、先日読み進めていたハーマン·デイリーが提唱した生態経済学と親和性があることに気づいた。ここからはシュタイナーの経済思想とデイリーの経済思想を関連付けながら往復的に学習を進め、そしてそこに明日から読むジンメルの貨幣論の考え方を取り入れていこうと思う。フローニンゲン2020/9/11(金)19:43

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