No.335 神託_Oracle
本日の言葉
Our mind should be free from traces of the past, just like the flowers of spring. Shunryu Suzuki
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本日生まれた14曲
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タイトル一覧
5818. 今週末に注文予定の書籍
5819. 贈り物を授けてくれた恩師、元ハーバード大学教育大学院教授カート·フィッシャー氏の追悼
5818. 今週末に注文予定の書籍
時刻は午前6時半を迎えようとしている。今朝は昨日よりも風が強く、新緑の木々が踊りを踊るかのように揺れている。
気温に関しても肌寒く、今日の最高気温は11度、最低気温は2度とのことである。少し前までは初夏を感じさせる暖かさの日もあったのだが、今はまた肌寒い日々に逆戻りしている。
行きつ戻りつをしながら進んでいく季節。自分の人生もそれと同様に進んでいくのだろう。
今朝方も夢を見ていたのだが、珍しくその内容をほとんど覚えていない。夢の最後の場面が終わった時に目覚め、目覚めた瞬間に、夢の感覚だけが残っていて、映像的な記憶はもうなかったように思う。
かろうじて覚えていることがあるとすれば、見知らぬ日本人の男性が夢の中に登場していたことと、高校時代の友人(HH)が登場していたことぐらいだろうか。後者に関して言えば、友人の彼が英語の筆記体でサインか何かを書き、それを誰かが褒めていた光景を覚えている。
今日から新たな週が始まった。気がつけば、5月も今週末で折り返しになる。今週末にはまた書籍でも注文しようと思う。
先月に書籍を注文した際に、アメリカのアマゾンはコロナの影響で欧州に向けた商品の発送を止めていたが、昨日確認したところ、物流が復活したようだった。そうしたことから、前々から注目していた作曲理論書を購入しようと思う。
ここ最近はハーモニーに関する書籍を随分と購入し、それらに掲載されている譜例を参考にして学習と実践をする日が続いている。今週末に注文する予定のその書籍は、一般的なハーモニーの書籍では取り上げないような作曲家の曲が譜例として豊富に掲載されており、非典型的なハーモニーを学ぶことができる。
以前より注目をしていたヨーゼフ·マティアス·ハウアーなどの作品も譜例として取り上げられていることが購入の決め手になった。今週末にはその他にも、インド音楽に関する書籍、夢分析の辞書的な専門書、フランシス·プーランクの楽譜、そして組織行動·集団行動と精神分析に関する専門書を購入する予定だ。
今日は午後に1件ほど協働プロジェクト関係のオンラインミーティングがある。それ以外の時間に関しては、いつもと同様に創作活動に充てようと思う。
絵画の創作に関しては、朝昼晩の3回に分けて、それぞれ4枚ぐらいの絵を描くことが今の自分にとってはちょうど良いようだ。色と形を用いて内的感覚を絵にしていくことは、作曲にはない治癒と変容作用があることを実感する。今日も作曲と絵画の創作の双方に存分に打ち込んでいこう。フローニンゲン:2020/5/11(月)06:40
5819. 贈り物を授けてくれた恩師、元ハーバード大学教育大学院教授
カート·フィッシャー氏の追悼
時刻は午後7時を迎えた。つい先ほど夕食を摂り終え、1日の振り返りとしてこの日記を書いている。
今日は午後まで空に雲が覆っており、朝には少しばかり小雨が降っていた。幸いにも午後には晴れ間が顔を覗かせたので買い物に出かけたものの、とても肌寒かった。
ここ最近は日中に買い物に行く際には、半袖半ズボンの姿で軽くジョギングしながらスーパーに向かうようにしている。できるだけ日光を体に当てるための工夫である。
買い物に出かける時には太陽が燦々と照っていたのでいつもと同じような格好で出かけたところ、自宅の外に出てみて思いの外寒いことに驚いた。すれ違う人たちはみんなジャンバーやジャケットを羽織っていて、私のような格好をしている人はいなかった。
帰りに運河の前を通ったところ、そこにあるベンチに腰掛けていた中年男性が私の方を見て笑みを浮かべた。私がその人の方に向かって歩いていくと、その男性は「そんな格好で寒くないのか?」と笑いながら述べた。それに対して私は、「寒いですね。格好を間違えました」と笑いながら述べた。そんなやり取りがその場で交わされた。
夕方の今は風が少し出ていて、夕日に照らされた新緑を揺らしている。
今日は午前中に、1つ残念な知らせを聞いた。私をオランダ、そしてフローニンゲン大学に導いてくれた恩師である元ハーバード大学教育大学院教授のカート·フィッシャー氏がお亡くなりになれたという知らせだった。
今年の3月30日に76歳でこの世を去られたという知らせだった。その知らせを聞いた時、にわかにそれを信じることができず、今から数年前に父方の祖父が亡くなった時と同じような気持ちになった。
フィッシャー教授がハーバード大学を退官される前年にフィッシャー教授の研究室を訪問し、フィッシャー教授とお話をさせていただく機会があった。その時の私はまだニューヨークで生活をしていて、ボストンまでは電車で行ける距離だった。
当時はマサチューセッツ州の研究機関のレクティカで働いていることもあり、そして何よりフィッシャー教授のダイナミックスキル理論を真剣に探究している時であったから、実際にフィッシャー教授とお会いできたことを本当に嬉しく思ったことを覚えている。それはもう今から7年前の2013年のことである。
その時は、私は日本のある大学の研究者の方に通訳を依頼されてフィッシャー教授と面会したのだが、その後フィッシャー教授とメールのやり取りをさせていただき、フィッシャー教授から有り難いことに、「うちに来て研究をしないか?」と声をかけていただいた。その時にはレクティカでの仕事もあり、また別の仕事も掛け持ちしていたので、その有り難い申し出を泣く泣く断ることになった。
だが翌年、レクティカを去り、他の仕事もひと段落ついたので、ハーバードにいるフィッシャー教授の下で研究をしたいと思って再度連絡をしたところ、フィッシャー教授から、今年でもう引退するということを聞いた。
フィッシャー教授と直接お会いした時にも思ったが、フィッシャー教授は本当に親切な方であり、残念ながらハーバードで一緒に研究をすることはできないが、その代わりに自分の長年の協働研究者を紹介するとおっしゃった。そこで紹介していただいたのが、フローニンゲン大学のポール·ヴァン·ギアート教授だった。
フィッシャー教授に紹介をしていただく前から、ヴァン·ギアート教授の仕事については知っており、2人の共著論文を食い入るように全て読んでいた。また、ヴァン·ギアート教授の主著である"Dynamic Systems of Development: Change between Complexity and Chaos (1994)”に大きな感銘を受けていたことを覚えている。この書籍の中に、フィッシャー教授がオランダのヴァン·ギアート教授の自宅を訪問した際の大変微笑ましいエピソードが記述されており、それを見て2人の関係性の深さと2人の人柄を改めて知った。
フィッシャー教授からヴァン·ギアート教授を紹介していただけなかったら、私は決してオランダに来ていなかったであろうし、今このようにフローニンゲンで生活をすることなどなかったであろう。それを思うと、フィッシャー教授が私にもたらしてくれたことへの感謝の念が尽きない。
私の人生にとって、ここでの生活は贈り物のようなものであり、その贈り物を与えてくださったのがフィッシャー教授だったのだ。
かつてフィッシャー教授も足を運んだフローニンゲン。フィッシャー教授はどのような表情の空を見ていたのだろうか。仮に表情は異なれど、私は今、フィッシャー教授が見たであろう同じ空を眺めている。フローニンゲン:2020/5/11(月)19:44