5699-5702: アートの国オランダからの便り 2020年4月6日(月)
- yoheikatowwp
- 2020年4月9日
- 読了時間: 14分

No.6 二羽の小鳥とプランク定数_Two Little Birds & Planck Constant

No.7 愛しの我が椎茸_My Beloved Shiitakes
(毒キノコではございません)
本日の言葉
Yet in attachment blossoms fall, and in aversion weeds spread. Eihei Dōgen
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タイトル一覧
5699. 満月の朝に:税金の納付を通じたオランダへの返礼
5700. デジタルアート創作記念日と今朝方の夢
5701. 創りに創る生活:デジタルアート教室に関するビジョン
5702. パブロフの犬の如し:iPad Proの到着と今日からの絵画創作人生
5699. 満月の朝に:税金の納付を通じたオランダへの返礼
時刻は午前4時を迎えた。まだ夜が明けぬフローニンゲンの上空に満月が輝いている。満月を遮るものは何一つなく、それは一際輝いて見える。
昨日と同様に今日もまた1日中快晴のようであり、今日はなんと最高気温が22度に到達するとのことである。これくらいの気温になってくれると、朝と夜に湯たんぽを使う必要がない。実際に昨日はそれを使わなかった。
明後日まで20度前後の最高気温となり、明後日以降はまた寒さが戻る。とはいえ、最高気温は15度前後、最低気温は5度前後なので、それほど寒くはない。
今朝の起床は午前3時半であった。早すぎもせず遅すぎもせず、ちょうど良い時間に起床することができたように思う。
このところは以前以上に夕食の量が減っており、消化にエネルギーを使う必要がない。とりわけ夕食時に食べる芋の量を少し減らしてみたところ、睡眠の質がさらに高まったように思った。
就寝を迎える頃には消化活動が全て終わっていて、そのおかげで快眠がもたらされる。しかも無駄に長く寝る必要はないので、今朝ぐらいの時間帯に目覚めることができる。
このくらいの時間帯に起床できると、1日の活動時間が増え、十分な創作活動を行うことができる。まさにいいことずくめである。しかも単に活動時間が増えるだけではなく、集中して活動が行えるだけの心身状態が伴ったものであることが重要な点である。
創作活動に打ち込むだけの十分な時間とエネルギー。その双方が自分にもたらされていることを有り難く思おう。
昨日、税金関係の複数の書類が税務当局から届いた。郵便受けを確認することを数日間怠っており、その間にそれらの書類が届いていたようだった。
毎回のことだが、政府機関から送られている重要な書類はことごとく全てオランダ語なので、翻訳をしながら読み進めていく必要がある。昨日も、全ての書類を1行1行翻訳しながら読み進めていた。
もちろん、文脈から意味が推測できたり、そもそも単語の形から意味がイメージされたり、面白いことに、ある特定の単語は感情や感覚も喚起する。人間は本当に言葉に強く影響を受ける生き物なのだということがわかり、言語の呪術的性質も納得がいく。
そのようなことを思いながら書類の中身を全て確認したところ、今年は嬉しいことに税金を納めることになった。昨年の夏から起業家ビザを用いてオランダに滞在しており、早速税金を支払うことができるようになった。
以前言及したように、オランダでは国ではなく民間の健康保険に加入することが義務付けられていて、正直な保険に入る必要性を感じないのだが、義務ために一応保険に加入している。しかし肯定的な意味として、自分が保険料を支払うことによって、誰かの健康や命を支えていると最近は考えるようになっており、保険料の支払いは完全に寄付とみなしている。
税金に関しても同様であり、これまでの4年間、私はオランダで生活をすることを通じて、本当に多くのものをこの国から受け取ってきた。最たるものは、落ち着いた環境と創造を刺激する環境である。
そうした環境を提供してもらっていることが本当に有り難く、それに対する返礼を兼ねて税金を支払えることを嬉しく思う。以前から、税金を納めることを通じてオランダに貢献したいと思っており、今年からそれが叶った。
金額としては微々たるものだが、同封されている税金の支払い書をもとに、オンラインバンキングシステムを通じて近々税金を納めようと思う。フローニンゲン:2020/4/6(月)04:29
5700. デジタルアート創作記念日と今朝方の夢
時刻は午前4時半を迎えた。いよいよ本日である。
今日のどこかのタイミングで、運送会社のDHLからiPad Proと第2世代のApple Pencilが届けられる。その到着を首を長くして待っており、今日から絵画の創作に取り組めることを本当に嬉しく思う。
今日は記念日とみなしていいかもしれない。作曲を始めた記念日は、2017年9月1日であり、絵画に関しては2020年4月6日である。
午前中にiPad Proが届いたとしても、午前中は作曲活動に没頭していく。iPad Proを開封し、諸々の設定を行うのは午後からである。
朝の貴重な時間は雑務に時間を充てない。とにかく創ることに集中する。
初期設定は速やかに済むであろうから、早速イラスト制作アプリのProcreateをダウンロードしようと思う。このアプリともう一つ、昨年にAdobeから出された“Adobe Fresco”というアプリも優れたイラスト作成アプリであり、それと迷ったが、諸々のことを考えた上で、まずはProcreateを使ってみることにした。
Adobe Frescoの筆は素晴らしいらしく、本物と同じような質感の水筆画や油絵が描けるとのことである。特に、滲み絵のようなものが描ける筆はAdobe Frescoの大きな特徴とのことであり、その点は魅力であったが、Procreateでも油絵が描けるし、何よりも直感的な操作が可能であることからそちらのアプリを使うことにした。
アプリをダウンロードしたら、早速何かしらの絵を描いてみよう。今はまだ手元に写真がそれほどないが、最初の絵として何を描くのかは迷ってしまう。
書斎から見える風景を写真で撮影し、それを油絵として描くのももちろんいいが、せっかくなので、最初の作品として自画像でも描こうかと思う。自分が写った写真はとても少ないが、仕事上用いる写真が数枚ほど手元にあるので、それをもとに油絵を描いていくのがいいかもしれない。
最初の作品は自画像。自分を対象にして絵を描くことを出発点にしてみよう。それは記念作品となる。
写真をもとに油絵を描いたら、その絵を眺めて喚起される内的感覚をまた絵にしてみよう。それは抽象的なものであり、そうした抽象的なものを絵という形にしていく。
具象と抽象の双方を行ったり来たりする形で絵画の創作にこれから取り組んでいく。作曲実践は、基本的に抽象的な記号を用いた抽象的な創作活動だと思っていたが、1つ1つの曲を眺めてみると、そこには具体性·抽象性の差があることに気づく。すなわち、具象的な曲を創ることもできれば、抽象的な曲も創ることができるということだ。このあたりも作曲の面白さである。
いずれにせよ、今日から作曲実践に加えて絵画の創作に取り組む。日記の執筆と合わせると、これからの創作活動はますます充実したものなるだろう。
その充実感が滲み出した日々を毎日送り、人生を充実感という大河の中で過ごしていく。その大河の先には創造の宇宙が無限に広がっている。
それでは今朝方の夢について振り返ってから、早朝の作曲実践に取り組みたい。夢の中で私は、エステのサービスを受けていた。それを行ってくれていたのは、なんと小中学校時代の男性の友人(KS)だった。
私はベッドではなく、床に敷かれた布団の上にうつ伏せになって寝ており、お願いをした覚えはないのだが、友人は自分のお尻の毛を丁寧に一本一本抜いていた。友人にそうしたことを行ってもらうのは幾分恥ずかしい気持ちがあり、そもそもそのようなお願いをしたわけではないので、途中でそれをやめてもらおうと思った。
だが彼は毛を抜くことに集中しており、毛を抜くことが好きなのか、途中でやめたくはないと述べた。そうであるならば仕方ないと思い、彼に気の済むまで毛を抜いてもらうことにした。
うつ伏せになって目を閉じていると、友人が丁寧に毛を抜いている姿がイメージされ、自分のお尻が綺麗になっていく姿も想像できた。しばらくすると、そこにオランダ人の年配の男性エステティシャンがやってきた。その男性は経験豊富に見え、友人の上司のように感じられた。
その男性は単なるエステティシャンではなく、どうやら医師免許も持っているらしかった。顔を左側に傾けてうつ伏せになっていた私に対し、その男性は顔にガーゼのような布をかぶせ、そこから特殊な器具を用いて冷却マッサージをし始めた。
最初私は、顔を整形されてしまうのではないかと少し心配になったが、それは杞憂に終わり、そのマッサージはとても気持ちよかった。そこからさらに2人ほどオランダ人の若い男性のアシスタントがやってきて、友人やその医者の援助をしていた。
友人は相変わらず、何かに取り憑かれたかのように私のお尻の毛を抜いており、アシスタントの男性にその姿を見られるのは気恥ずかしかったが、女性のアシスタントでなくてよかったと思いながら、顔の冷却マッサージに心地良くなっている自分がいた。フローニンゲン:2020/4/6(月)04:55
5701. 創りに創る生活:デジタルアート教室に関するビジョン
iPad Proはまだ配達されてこない。時刻はまだ午前7時半なのだから当たり前である。配達屋さんにはまだゆっくりしてもらおう。
デジタルアートを創作したいというはやる気持ちを今は抑えよう。それは今後抑えようのないぐらいに爆発するであろう。
穏やかさ、そして美しさ。自宅の前には、夢見心地にさせてくれるような早朝の世界が広がっている。
小鳥たちは鳴き声を上げ、朝日が照り始めた。つい先ほど、初夏の感じを得た。「あぁ、フローニンゲンの初夏はこのようであったか」という懐かしさを感じた。
昨日と今日は暖かく、それは初夏を思わせる。これは天からのひとときの恵みなのだと思う。フローニンゲンはまた寒くなり、それは5月末まで続くことがわかっていながらも、こうした一時の恵みを味わう。
天への感謝の気持ちが天に伝わり、さすれば本当に初夏がやってくるだろう。あの輝く初夏がやってくるのだ。
フローニンゲンでの生活も5年目に入るということが信じられるだろうか。にわかにそれは信じられない。
私はフローニンゲンで1年間生活をしたらアメリカに戻り、そこで学術研究を続けようと思っていた。それがどうしたものだろうか。
アートの国オランダに捕まえられたのだ。捕まえてもらったのである。
昨夜就寝前に、妙なマントラが自分の脳裏に流れていた。「曲を書いて、書いて、書いて、書いて、書いて、書いて、書いて、書く。絵を描いて、描いて、描いて、描いて、描いて、描いて、描いて、描く。創りに創って、創りに創る」そのようなマントラを唱えている自分がいた。意識的な自己ではなく、気付いたら無意識の深層的な自己がそのようなマントラを唱えていたのである。
内的リアリティを自ら創り上げていくこと。他者や社会に内的リアリティを決して作らせないこと。自分の内的リアリティを他者や社会に支配されてはならないのだ。
自分の内的リアリティを己自身で創り上げていくこと。それはすなわち、自らの固有の人生を生きることである。逆にそれをしないこと。それはすなわち、自らの固有の人生を放棄することである。
今もまだ早朝だが、もっと早い時間帯にふと、デジタルアートの創作を教える教室を開いている自分が一瞬脳内に現れた。子供やお年寄りを含めた大人がデジタルアートを自由に創作し、創作過程を楽しむ中で人生をより豊かにしていけるような取り組みができないだろうか。
デジタル空間上で作曲と絵画の創作をし、それを他者に共有する形で、相互発達的·相互治癒的な互恵関係のネットワークがこの社会で築かれていけばどれほど良いだろうか。
デジタルアートに従事している自分を想像できただろうか。フローニンゲンにやってくる前の自分では到底想像できない。いやついこの間の自分でも想像できないぐらいだ。
人間は本当に変わっていく。それを自らの人生が物語ってくれている。
正午まであと4時間ほどあるので、その時間は全て作曲実践に充てていく。午前8時半を迎えるまでにすでに5曲ほど短い曲を作った。
今参考にしているウォルター·ピストンのハーモニーに関する書籍は、本当に受験数学の青チャートのようである。大学や大学院で本物の数学を学ぶための準備として、青チャートの問題を解いて高校数学をしっかり修めようとしているかのような自分がいる。
譜例が豊富な理論書を今後も購入し、それを参考にして曲を作り続けていく。まだまだ基礎的な修練の時期である。
4月に購入予定の書籍の中には作曲理論に関するものがあり、それらはどれも譜例が豊富である。過去の偉大な作曲家が残してくれた作品には本当に感謝しよう。それらを参考にしながら鍛錬を続け、自分の作曲語法を構築し、曲を通じて自らの人生を表現し続けていく。
創りに創る人生はまだ始まったばかりであり、依然として序章である。フローニンゲン:2020/4/6(月)07:52
5702. パブロフの犬の如し:iPad Proの到着と今日からの絵画創作人生
パブロフの犬の如し。今日の夕方の自分はそのように形容できるだろう。
ついに念願のiPad Proが予定通りに到着した。到着する時刻まではわからなかったが、商品のトラッキングをしてみたところ、商品は注文の翌日にベルギーのブリュッセルに到着し、今日の昼前にアムステルダムから発送された。
午後3時頃に一度呼び鈴が鳴り、私の胸は高鳴った。ついにiPad Proが届き、今日から絵画の創作に取り掛かることができる。そのように思った。
呼び鈴が鳴ったので嬉しく外に飛び出していったところ、結論から述べると、それは1階の住人の荷物だった···。とんだ喜び損である。
しかし、その1時間後に再び呼び鈴が鳴った。今度こそはと思い、呼び鈴越しに配達員の男性が私の名前を確認したので、ついに商品が到着したと思った。今度は正真正銘自分の荷物であった。
配達員の男性は荷物を地面に置き、1.5mほど離れて笑顔で私の身元確認をした。コロナウイルスの感染対策を律儀に守る配達員の男性にお礼を述べ、私は届けられた商品を持って自宅に戻った。
ついに、ついにiPad Proが到着した。だが、その時の私はまだ作曲実践をしており、その曲が完成するまでは箱からiPad Proを出さないことにした。
作曲に集中しようとするも、iPad Proが気になり、幾分私はパブロフの犬状態であった。端的には、届けられたiPad Proの箱を見てソワソワする自分がそこにいたのである。
そこまで気になるのならいっそのこと箱を開けてしまえばいいものの、最後まで曲を完成させてから箱を開けると決めたため、私は誘惑を押しのけて曲を最後まで作った。
そして、iPad Proの箱を開けた。そこから出てきたのは···iPad Pro!もちろん、iPad Proだ!
この日を首を長くして待っていた。iPad Proを使ってデジタルアートを描くと決めてからは、毎日時間を見つけて、どのようなアプリが良いかを色々と調べていた。
iPad Proが到着する前から、もうすでにアプリの目星を付けていて、絵を描くイメージができていた。具体的にどのようなものを題材にして絵を描くか、そしてどのように絵を管理し、共有していくか。そのあたりのイメージもすでにできていたのである。
パブロフの犬のように、食べ物を目の前に差し出され、よだれを垂らしながらもなんとかその場でお座りする犬のような自分はもうそこにはおらず、箱から取り出されたiPad Proの電源を入れる自分の胸は大いに高鳴った。
電源を入れて、初期設定を済ませると、注目をしていた“Art set 4”というアプリをまずはダウンロードした。こちらと“Procreate”というアプリのどちらにするかを悩んだのだが、まずは無料でお試しで使える前者をダウンロードした。
ダウンロード後、もう1つ届けられた第2世代のApple Pencilを使って、すぐに絵を描いてみた。こちらのアプリは、油絵と水彩絵のどちらも双方をリアルに描ける。
早速いたずら書きのように、色々と絵を描いてみると、まるで本物の画用紙に絵を描いているかのようであった。試しにApple Pencilではなく、指で描くことを試してみたところ、指でも描くことができた。
しかし、作曲と同様に、今後膨大な量の絵を描いていこうと思っており、そうなってくると、自分の指の指紋がなくなってしまうことが危惧された。これは真剣な心配事だった。
指の指紋がなくなってしまうのは困ると思われたので、ここぞという時に指を使って大胆に描くことはあったとしても、普段はApple Pencilを使って描こう。自分の指でも描けるということは大きな発見だった。
そこで一度、天日干しにしていた椎茸の場所を移動させた。その際に、椎茸を指で触った。
届けられたiPad Proは新品のため、椎茸の匂いや、ひょっとしたら菌などもいるかもしれないと思ったので、椎茸を触った後にきちんと手を洗ってからiPadのもとに戻った。iPadに対して、こうした気遣いをできればずっとしたいものだ。
今日はもう時間も時間であり、ここから絵を描き出すと夜更かしをしてしまいそうなので、今日も早めに就寝し、明日から本格的に絵を描いていくことにする。肉眼·心眼·魂眼に映る日常の風景を描いていく。
作曲と同様に、1つ1つの絵を、自分が生きた証にしていく。明日からの日々がより一層充実したものになるという確信がある。
明日がやってくることが本当に楽しみであり、これから毎日を生きることがより一層楽しみだ。フローニンゲン:2020/4/6(月)19:45
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