本日の言葉
Train without bias in all areas. It is crucial always to do this pervasively and wholeheartedly. Atisa
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タイトル一覧
5430.【ミラノ旅行記】ミラノ滞在3日目の予定
5431.【ミラノ旅行記】公現祭の朝に〜知と創造のエネルギーの恩恵を受けて
5432.【ミラノ旅行記】ミラノが与えてくれた新たな方向性
5433.【ミラノ旅行記】ジョルジョ·デ·キリコが与えてくれたもの
5430.【ミラノ旅行記】ミラノ滞在3日目の予定
時刻は午前3時半を過ぎたところである。ミラノ滞在の3日目がゆっくりと始まりを迎えた。
マルタに引き続き、幸いにもミラノの滞在期間中の全ての日が晴天であり、昨日は雲ひとつないような青空がミラノ上空に広がっていた。どうやら今日もそうした天気になるらしい。
晴天の恵み。天から与えられたその贈り物を大切にしながら今日1日を過ごしたい。
天気は晴れだが、当然ながらマルタと比べればミラノの気温は低い。今日から3日間の最低気温はマイナス2度とのことである。フローニンゲンで寒さに慣れているためか、そしてミラノでは歩き回って体温が上がっているためか、ミラノの寒さは全くもって大したことがなく感じられる。とりわけ昨日は寒さなど全く気にならず、途中からはマフラーを外して歩いているほどであった。
昨日と同様に、今日も積極的にミラノ観光を楽しむ。昨日は月の最初の日曜日ということもあり、いくつかの美術館は無料で入館できたのだが、それらの美術館はことごとく長蛇の列ができていた。今日は月曜日であるからそうした心配はなさそうである。実際に、昨日最初に訪れたブレラ絵画館の係員に、目の前の異常な長蛇の列について話を伺ったところ、それは無料で入館できる月の最初の日曜日だけに発生する現象とのことだった。
本日は月曜日のため、今日足を運ぶ3つの美術館·博物館はそれほど混まずに入館できると思われる。今日訪れるのは、レオナルド·ダ·ヴィンチ国立科学技術博物館、ミラノ文化博物館(MUDEC)、パラッツォ·レアーレ美術館の3つである。
実は最後のパラッツォ·レアーレ美術館は昨日に足を運んだのだが、ここでも無料入館が行われているようであり、長蛇の列ができていたので入館をやめにした。ここでは、キリコの特別展示が一つの目玉であり、もう一つの目玉は、ニューヨークのグッゲンハイム美術館に関する印象派の画家たちの特別展示だ。それらを本日の最後に鑑賞する。
現在宿泊中のホテルは、部屋の広さや機能を始め、申し分ない。朝食も美味であり、昨日は最初に果物を少々いただき、それが腸に運ばれるのを待ってからサラダやナッツ類を食べ始めた。そしてそこからタンパク質の含まれるチーズなどを食べ、食後にはダブルエスプレッソを2杯いただいた。今日も同様な朝食を摂り、昼食は食べないようにしようと思う。このような形で無駄に多く食べないことによって、旅先でも本当に調子が良い。
昨日はそうした状態の良さに加えて、ダ·ヴィンチとラファエロから爆発的な生命エネルギーを受け取ったように思えた。今朝もまだその感覚が残っている。いやむしろ、また新しい生命体として自分がこの場に存在しているように思う。
ホテルでゆっくりと朝食を楽しんだら、今日はまず最初にレオナルド·ダ·ヴィンチ国立科学技術博物館に向かう。ここではダ·ヴィンチの絵画作品を見るというよりも、博物館の名前の通り、ダ·ヴィンチが科学の発展に果たした種々の貢献を、展示物を通して理解したいと思う。
今日も積極的に3カ所ほど観光したいということと、パラッツォ·レアーレ美術館は月曜日だけ会館が14時半からなので、それを逆算してダ·ヴィンチ博物館には10時頃に到着するようにしたい。ダ·ヴィンチ博物館を訪れた後は、そこからゆっくりと散歩がてらミラノ文化博物館(MUDEC)に向かう。ここでは日本と印象派に関する特別展が開かれており、それを楽しみにしている。ミラノ:2020/1/6(月)04:12
5431.【ミラノ旅行記】公現祭の朝に〜知と創造のエネルギーの恩恵を受けて
今日は“Epiphany”の日とのことである。それが何か知らなかったので調べてみたところ、公現祭、あるいは顕現日と呼ばれており、イエス·キリストの顕現を記念する祝日のようだ。そのおかげもあり、本日最後に足を運ぶ予定のパラッツォ·レアーレ美術館の開館時間が変更となり、月曜日でも朝9時半から開いていることがわかった。
昨日は月の初めの日曜日ということでいくつかの美術館が入館を無料にしており、そのために混んでいた。パラッツォ·レアーレ美術館もそのような事態に見舞われており、祝日の今日はどうなのか気になるところである。2日連続で無料で開館することがあるのかどうか不明のため、本日の最後に足を運んでみて、そこでまた長蛇の列ができているようであったら、また別の日に足を運びたいと思う。
今回のミラノ滞在は比較的余裕があり、昨日すでに4箇所も美術館·博物館を巡ったこともあり、さらに余裕が増した。明日か明後日には丸々1日休暇の日とし、旅の最中に購入した種々の文献をホテルの自室でゆっくりと読んだり、今週末のオンラインゼミナールに向けて音声教材を作成したりしようかと思う。
昨日、アンブロジアーナ絵画館で見た「アトランティコ手稿」が今も忘れられない。ダ·ヴィンチが長大な時間を通して残したノートの数々が収められたこの分厚い手稿が放っていた独特のエネルギー。それは高密度の創造エネルギーだった。
ふと、それと似たようなエネルギーを発していた展示物の数々を大英図書館で見たことを思い出した。あれは2018年の夏のことだった。
そこにはダ·ヴィンチノートをはじめとして、マグナ·カルタ、シェイクスピアの最初の作品集、グーテンベルク聖書、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンらの直筆の楽譜があったのを覚えている。それらのそれぞれが固有の存在エネルギーを放っていただけではなく、それらが一つとなって巨大なエネルギーを発していたのをありありと覚えており、目を閉じれば今でもそのエネルギーを体感できるかのようだ。
昨日ミラノの街を歩いているときにふと、私は過去の偉人たちが残した様々な品を間近で見ることを通じて、どうやら彼らの生命エネルギーと創造エネルギーを分け与えてもらっていることを実感した。それは生きることをより力強くし、知的探究と創造を日々前進させることの大きな助けになっている。本当にそれには感謝をしよう。
今日もまた様々な美術館·博物館に足を運ぶが、それらの場所でも特殊な気ないしはエネルギーを分け与えてもらい、それらを日々の創造活動に活かす形でこの世界に還元していこうと思う。
今日はどのような質感と量を持ったエネルギーが自分の内側に流れ込んでくるだろうか。その瞬間から自分の血肉に変わっていくそうしたエネルギーとの出会いを大切にしたい。
昨日は、ダ·ヴィンチのみならずラファエロの仕事に大きな感銘を受けた。ラファエロは、ダ·ヴィンチやミケランジェロと並んで、盛期ルネサンスの巨匠の1人に数えられている。
ダ·ヴィンチは実に多才であり、数々の革新的な仕事を残していったが、ラファエロはどちらかというと新たなものを生み出すというよりも、過去の優れた傑作をもとに偉大なものを残す才能に恵まれていたようだった。実際にラファエロは、ダ·ヴィンチを始め、ルネサンスの巨匠たちから様々なことを取り入れ、それを自らの内側で咀嚼することを通じて数々の作品を残していった。
大変興味深かったのは、ラファエロは作品を制作する際に、過去に自分が描いた絵を床に置き、それらを組み合わせながら新しい構図を生み出していたことである。そのエピソードを知った時、どこか自分の作曲方法とも似ている点があるなと思い、ラファエロへの共感の念が増した。
分野は異なれど、ダ·ヴィンチやラファエロの絵画作品から自分の作曲に取り込むことが何かないかを絶えず考えている自分がいるところを見るにつけ、ラファエロ的な側面が自分にあることを知る。また、作曲において原型モデルをいくつも準備して、それらを用いて新しい曲を生み出している点もラファエロ的だ。ミラノ:2020/1/6(月)04:55
5432.【ミラノ旅行記】ミラノが与えてくれた新たな方向性
ミラノに到着した日に書き留めていた日記にあるように、今後は音楽を通じて治癒と変容をもたらす試みに従事していく。その観点として、気や生命エネルギーについて探究を深めたいという思いが炎のように燃えがってきた。
そのマグマのような思いに付随して、突如、あれだけ敬遠していたアカデミックの世界に戻り、博士課程に進学することを再度検討しようと思った。ただし、伝統的な大学院に行くようなことはせず、サンフランシスコ市内にあるCIISやカリフォルニアのパロ·アルトにあるソフィア大学の博士課程に進学することを検討し始めた。
そうした大学の博士課程に進学することは前々から考えとしてあったが、博士論文を書くに値するテーマを見つけることはこれまでできなかった。しかしようやくそのテーマが明確なものになり始めた。
それは上述のテーマである。特に人間の意識と創造性を核に置き、音楽を通じたヒーリングとトランスフォーミングに関して博士論文を執筆したいという思いが湧き上がってきた。そうしたテーマで博士号を取得できる大学は世界にはほとんど存在していないのだが、上記の2つの大学院であればそれは可能だ。
実際に調べてみたところ、CIISに関して言えば、オンラインと1年に2回サンフランシスコのキャンパスに足を運んで、合計で3年間で博士号を取得する”Integral and Transpersonal Psychology”というプログラムがある。ウェブサイトを通じてこのプログラムを調べてみたところ、冒頭に、 “Healing and Transformation”という文言が書かれており、まさに自分の関心に完全に合致していた。CIISにはもう一つ、“Transformative Studies”という博士プログラムがあり、こちらは最短2年で博士号が取得できる。
オランダの永住権と欧州永住権の取得に向けて、オランダ域外に3ヶ月以上滞在できない私にとって、オンラインと年に2回サンフランシスコに行くという組み合わせのプログラムは大変魅力的である。
ジョン·エフ·ケネディ大学に留学をしていた際に、CIISのキャンパスには足を運んだことがあり、あのときにキャンパス見学をしていたことには何か意味があるのかもしれない。そして、今からかれこれ10年ほど前にパロアルトのソフィア大学(旧ITP)にもキャンパス訪問をしており、そちらの博士課程のプログラムも気になるところだ。
以前に友人が、「加藤さんは自分の代わりに特殊な環境下で探究を継続してくれている」と述べていたように、今後も自分の関心領域の探究に邁進していき、その過程で得られた学びを共有していこうと思う。特に博士課程に進学したら、そこでの学びを絶えず日記形式で共有をしていきたい。それに付随して、再び書籍の執筆に意義を見出し始めた自分がいる。
上記の博士課程に進学する考えは今すぐに実行に移すものではなく、早くても数年後に実現させていきたいものである。今はとりあえず、マインド·ボディ·ソウルに関する治癒と変容の研究を独りで進めていく。
昨日は、そのテーマに関する書籍を調査しており、ナーダヨガやヒーリング音楽のメカニズムに関する興味深い書籍を合計で10冊ほど見つけた。それらの書籍に合わせて、アーノルド·ミンデルやディーパック·チョプラの書籍も読んでいこうかと思う。フローニンゲンに帰ったら、それらの書籍を早速購入したい。
再び英語での学術探究に力を入れ始めようとしている自分がここにいる。そこから一旦離れた自分とそこに戻ってきた自分。両者は外見上同じようでいて、内面上は全く異なる。
自分はまた戻って来たのだ。戻りながらにして新たな場所にやって来たのである。ミラノ:2020/1/6(月)07:47
5433.【ミラノ旅行記】ジョルジョ·デ·キリコが与えてくれたもの
時刻は午後8時半を迎えた。ミラノ滞在3日目の今日は、昨日に引き続き、非常に充実していた。
本日は、レオナルド·ダ·ヴィンチ国立科学技術博物館、ミラノ文化博物館(MUDEC)、パラッツォ·レアーレ美術館へ足を運んだ。最初に訪れたレオナルド·ダ·ヴィンチ国立科学技術博物館では、ダ·ヴィンチが発明した科学技術に関する資料が豊富に展示されていただけではなく、宇宙や遺伝子工学などを含め、ダ·ヴィンチとは直接関係のないものも多数展示されており、それらを眺めることも実りが多かった。
この博物館は3階建てかつかなりの面積を持っており、全ての展示物を一つ一つ見ていると何時間あっても足りないと判断した。そのため私は、まずはダ·ヴィンチに関する展示コーナーに行き、そこでゆっくりと時間を過ごした後に宇宙や遺伝子工学に関する展示物を見た。
2時間弱ほどこの博物館で鑑賞を楽しんだ後に、ミラノ文化博物館へ向かった。ここでは「ジャボニズムと印象主義」という特別展示が開催されており、それを鑑賞するのがここを訪れた目的だった。
感銘を受けた品々は数多かったが、中でも見事な錦織が展示されており、その前でしばらく我を忘れて着物と帯に見入っていた。残念ながらこの博物館で売られていたガイドブックはイタリア語のみであり、作品名と画家の名前が不明なのだが、数枚ほどじっくりと鑑賞した作品があった。それらの作品から得られたエネルギーは存在の内側にゆっくりと染み込んでいき、ここでも創造性を司る自分の脳が活発に動き始める感覚があった。
この博物館でもじっくりと鑑賞を行い、そここからパラッツォ·レアーレ美術館へ向かった。その時間はもう昼過ぎだったのだが、辺りは幾分霧に包まれており、気温が尋常ではなく下がっていた。吐く息は白くなり、手先がかじかんでしまいそうだった。
今日は3カ所巡る予定を事前に立てており、最初の博物館がホテルから遠かったこともあり、今日は初めてミラノの地下鉄と路面電車に乗った。私が住んでいるフローニンゲンには路面電車はなく、オランダの他の街には路面電車が通っているところもある。だが私はまだ一度もオランダで路面電車に乗ったことがなく、他国に旅行する際も基本的には全て歩きで移動するため、他国でも路面電車に乗ったことはなかった。
路面電車に乗って、ミラノ文化博物館からミラノの街を代表する巨大な建築物であるドゥオーモに向かい、その脇にあるパラッツォ·レアーレ美術館に行った。そこでは特に楽しみにしていたジョルジョ·デ·キリコの特別展示とグッゲンハイム美術館に関する特別展示の2つをじっくりと鑑賞した。
詳しくは後日改めて書き留めておきたいが、特にキリコの特別展示には大変感動した。グッゲンハイム美術館に関する特別展示では、ゴッホ、モネ、マネ、ルノワール、ブラック、ピカソ、カンディンスキーなどの錚々たる画家の作品を見ることができたのだが、そのインパクトがかすれてしまうぐらいにキリコの特別展示が良かった。
実際に私は、グッゲンハイム美術館に関する特別展示のガイドブックや文献を購入することはなく——イタリア語のものしかなかったことも理由だが——、キリコに関するガイドブックと文献を合わせて2冊ほど購入した。これらもフローニンゲンに帰ってからじっくりと読んでいきたい。
昨日はダ·ヴィンチとラファエロから存在エネルギーと創造エネルギーを分け与えてもらった日であり、今日はキリコからそうしたエネルギーを分け与えてもらった。
夢や無意識の世界から絵画の着想を得ていたキリコにあやかって、今夜の夢を通じて自分も創造活動の着想を得よう。今夜は少し早めに就寝し、明日もまた活動的な1日を過ごしたい。充実した旅の日々はまだ続く。ミラノ:2020/1/6(月)20:52