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5091-5095:フローニンゲンからの便り 2019年10月27日(日)

October 29, 2019

本日生まれた8曲

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タイトル一覧

5091. ヴェネチア旅行の計画

5092. ヴェネチア旅行に向けて

5093. サマータイム終了の日に見た夢

5094. 今朝方の夢の続き

5095. ニッサン·インゲル先生のこと

 

5091. ヴェネチア旅行の計画

 

今日からはいよいよサマータイムが終了し、幾分新たな気持ちで一日を始めることになった。今朝方起床した時間は午前4時半であり、サマータイムの時間で考えれば5時半の起床だったということだろうか。

 

昨夜就寝前に、サマータイムの終了を祝う花火が一発ほど上げられた。それは市が行う花火ではなく、誰か民間人が一発だけ上げたものであった。

 

サマータイムの終了は、特段祝うほどのことでもなく、しかもその花火は突然上がったため、心臓に悪く感じられた。

 

今の時刻は午前5時を迎えたところであり、辺りは闇と静寂さに包まれている。これからは、それらに加えて、寒さも加わる。

 

ここ最近はもう毎日湯たんぽを使って就寝している。明後日の最低気温はなんと、1度まで下がるとのことであり、もう冬の様相を呈している。

 

2週間後の今頃は、私はもうヴェネチアにいる。2週間後の土曜日にフローニンゲンを出発し、今回は5泊6日の旅をすることになった。

 

数日前の午後に、ふとヴェネチアについて調べ、思い立ったが吉日を体現するかのように、航空券やホテルの予約をすぐに済ませた。備忘録を兼ねて、旅程について簡単にまとめておこうと思う。

 

·11/9(土):フローニンゲンの自宅を午前10時頃に出発。アムステルダムの国際空港に昼頃に到着し、Aspireラウンジで3時間弱ゆったりとくつろぎたいと思う。いつものように、このラウンジで作曲をしたり、日記を書いたりする。ちょうど時間が昼時なので、ここでサラダとスープを頂こうと思う。

 

旅の楽しみの一つは、旅の最中にだけ飲むようにしているコーヒーを味わうことだ。このラウンジのエスプレッソはなかなか旨く、エスプレッソを相棒にして作曲や日記の執筆に励む。

 

フライトの時間は15:30であり、搭乗開始は15時ぐらいになるだろう。ヴェネチアのマルコ·ポーロ空港(ヴェネツィア出身の旅行家であるマルコ·ポーロにちなんで付けられた空港)には17:15に到着する。

 

そこからシャトルバスで市内に向かい、途中で停車しないシャトルバスに乗れば、20分ほどで終着地点に到着し、そこからホテルまでは歩いて4分ほどなのでとても近い。ホテルには6時半過ぎには到着できそうだ。

 

この日は、ホテルの近くのオーガニック専門店に立ち寄り、そこで必要な食糧を購入したいと思う。ただし、そこはオーガニックスーパーではなさそうなので、果物や野菜が売られているかはわからず、ヴェネチアの中心部にあるオーガニックスーパーは、翌日の観光を終えた後に立ち寄る。

 

·11/10(日):この日は、小松美羽さんの作品が展示されているギャラリーに行く。このギャラリーは、ナポレオンが「世界一美しい広場」と称賛したと言われるサンマルコ広場にある建物の中で開催されている。

 

ギャラリーは、毎日午前11時から午後6時まで開いているとのことなので、この日の朝はホテルでゆっくりとし、作曲実践を十分した後にホテルを出発しようと思う。

 

小松さんの作品を含め、ギャラリーで観賞を楽しんだ後には、音楽博物館(Arte Musica Venezia)に行く。ここは入場無料とのことであり、毎日午前10時から午後7時まで開いている。博物館を見学後、ミュージアムショップに立ち寄り、何か良い楽譜があればぜひ購入したい。

 

·11/11(月):この日は、モダンアートを多数展示している、ペギー·グッゲンハイム·コレクションという美術館に足を運ぶ。この美術館は、火曜日が休みであり、開館時間は午前10時から午後6時だ。

 

アメリカ出身のペギー·グッゲンハイムという女性が現代美術の作品を数多く収集していたらしく、それらを展示しているとのことである。本人の自宅であった建物に、実際に交流のあったカルダー、ピカソ、ブラックらの作品が収められているとのことである。

 

·11/12(火):この日は、アカデミア美術館を訪れる。この美術館には休館日はなく、月曜日だけ開館時間が異なり、その他の日の開館時間は8:15から19:15とのことである。

 

この美術館には、14世紀から18世紀にかけてのヴェネチア絵画を中心として、およそ2,000点の作品が所蔵されているとのことだ。ヴェネチア絵画は16世紀が黄金期と呼ばれており、その時代の作品がどのようなものであったかを見ることはとても楽しみである。

 

·11/13(水):この日は、カ·ペーザロという美術館に行く。休館日は月曜日であり、開館時間は午前10時半から午後6時だ。

 

19世紀から20世紀前半にかけてのイタリア人作家の作品に見るべきものが多いとのことである。その他にも、先日日本に一時帰国している時に何気なくクリムトの画集を購入したのだが、この美術館ではクリムトの『ユディトII(サロメ)』を鑑賞することができるそうだ。何か運命的なものを感じる。

 

·11/14(木):5泊6日のヴェネチア旅行を終える最終日。この日は、午前10時半までにホテルをチェックアウトし、昼の便でアムステルダムに戻る。マルコ·ポーロ空港を12:20に出発する飛行機に乗るため、空港には9時半ぐらいに到着し、帰りもラウンジでゆっくりしようと思う。

 

ざっと今回の旅程について書き留めてみたところ、美術館や博物館三昧の日々を送れそうで今から楽しみである。宿泊するホテルは、ホテルと言うよりも、1400年代に作られた邸宅を改修したものであり、家のようにくつろげるらしい。

 

ヴェネチアの街でものんびりとしながら、それでいてこの街の良さを十分に味わいたいと思う。フローニンゲン:2019/10/27(日)05:49

 

5092. ヴェネチア旅行に向けて

 

時刻は午前6時を迎えようとしている。辺りは本当に静まり返っており、外の世界からな何も音が聞こえてこない。

 

これまでであれば、小鳥たちの鳴き声が聞こえていたのだが、この寒さもあってか彼らの鳴き声が聞こえてくることはない。小鳥たちの鳴き声を聞けるのは、日が昇る時間まで待たなければならない。

 

先ほど、再来週から始まるヴェネチア旅行の計画について簡単に書き留めていた。そもそも今回ヴェネチアに足を運ぼうと思ったのは、ヨーロッパの地で小松美羽さんの作品を見ることができると知ったからであり、また以前よりヴェネチアの街の存在がなんとなく気になっていたからである。

 

今回私は初めてイタリアに行く。これまでヨーロッパ諸国を巡ってきたのだが、イタリアには縁がなかった。小松さんの作品をきっかけとして、イタリア及びヴェネチアとの縁が結ばれたことを有り難く思う。

 

最初私は、ヴェネチアの街は随分と大きく、運河の移動は水上バスか水上タクシーを使わなければならないのかと思っていたが、どうやら運河には大抵橋がかかっており、橋を使って歩いて移動することが十分に可能とのことであった。ヴェネチアの街はそれほど大きくなく、街全体を歩いて移動できてしまうほどらしい。旅行中はとにかく歩くことを好む私にとってはとても有り難い。

 

宿泊先のホテルから主要な美術館までは本当に歩ける距離であり、オーガニックスーパーも歩いて10分ほどのところにある。ヴェネチアでの滞在も快適かつ、時間的·精神的なゆとりのあるものになるだろう。

 

ホテルの目と鼻の先にはオーガニックスーパーではないが、オーガニック専門店があり、それはオランダでいうところのHolland & Barrettのような店であり、そこでオーガニックの麦のフレークや豆乳を購入できるだろうか。仮にそれらが置いてなければ、やはりヴェネチアの街の中心部にあるオーガニックスーパーに立ち寄ろう。

 

ヴェネチアに到着するのは午後6時半頃であり、その日は夕食を摂らないか、摂ったとしても穀物クラッカーぐらいにしようかと思う。それは事前にフローニンゲンの街の中心部にあるオーガニックスーパーで調達をしておこう。

 

こうした細々とした準備について書き留めていると、これからはなお一層のこと、世界中の美術館を巡りたいという思いが強くなった。本当は美しい美術作品が、世界のどこか一箇所に集まっていれば便利だが、逆にそれらがこの世界中に散らばっていることもまた意味があるのだろう。

 

まずはヨーロッパの美術館を中心にヨーロッパ諸国の様々な美術館を巡り、そこで美しい美術作品と出会いたい。主要な美術館を巡る楽しみはもちろんあるが、小さな美術館を発掘する楽しみもある。そうした楽しみも大切にする。そしていつか、日本にもある素晴らしい美術館の数々を巡ってみたいものだ。フローニンゲン:2019/10/27(日)06:08

 

5093. サマータイム終了の日に見た夢

 

早朝の作曲実践を始める前に、今朝方の夢について振り返っておきたい。サマータイム終了に合わせて、今朝方もいくつかの夢を見ていた。

 

夢の中で私は、ヨーロッパのある国の街に滞在していた。それは旅行というよりも、そこで生活をしているというような感覚があった。

 

その街は中世の街並みを残しており、歴史を感じさせる古い建物がいくつもあった。そのうちの一つの建物に入ると、そこで二人の日本人と出会った。二人の関係は兄と妹のようであった。

 

建物の中の椅子に腰掛け、私たちは少しお喋りをしていた。兄は端正な顔立ちをしており、学業も優秀であり、尚且つスポーツの才能にも恵まれているようだった。そんな兄を妹は大変尊敬しているようであり、兄をベタ褒めするようなことを述べていた。だがそれは別に嫌味のある感じではなく、むしろ純粋に兄に敬意を評しているという意味で大変好感を持てた。

 

二人と話をした後に、私たちはその場で別れた。そこから建物の外に出ると、偶然ながら、現在ある協働プロジェクトでご一緒している方と遭遇した。

 

その方と会話を楽しんでいる最中に、日本の歴史について尋ねられることがあった。仏教関係の質問であり、仏教に関する12個の用語、あるいは12種類の法具に関する質問だったと思うのだが、私はそれらの名前を全て答えることは不可能であった。それらの存在は知っていたが、それら一つ一つの名前までは覚えていなかったのである。

 

すると、その質問をした協働者の方は、ご自身がそれらの名前を全て記憶しているようであり、私はその方の記憶力に驚かされた。聞くところによると、二十歳の時に日本舞踊を習っていたそうであり、その時にそれらの用語を全て暗記してしまったとのことであった。好きで習った物事は、長く記憶に留まり続けるのだということを改めて思った。

 

その方ともしばらく話をした後に別れ、ある現代風なビルの前に私はやってきた。そこに到着するや否や、自分が鬼ごっこに参加していることをハッと思い出した。

 

するとすぐさまビルから鬼役の人たちが現れ、私を捕まえようとし始めた。そこで私は宙に浮かび、空を飛んで逃げることにした。

 

まずはビルの天辺に飛んでいき、悠長にもそこからの眺めを少し堪能することにした。すると、鬼役の人たちがビルの階段を使って天辺までやってきたので、彼らから逃げるために、ビルの壁をボルダリングをするかのように伝いながら下に降りていった。この時、私は自分には空を飛べる能力があることを知っていたので、少々雑に壁を降りて行っても問題ないと思っていた。

 

壁を伝いながら天辺の方を見上げると、そこには鬼役の人たちが立ち往生している姿が見えた。地上に近づいてきた時に下を見ると、そこにはまた別の鬼役の人たちがいたので、結局私はそこからまた空を飛ぶことにした。

 

しばらく空を飛んでいると、眼下に遊園地のようなアトラクションがあるのが見えた。さらには、メリーゴーランドの近くに小中学校時代の友人(SS)の姿が見えたので、彼に話しかけようと思って地上に降り立った。

 

すると彼は、私の方に近寄ってきて、どうしても空の飛び方を教えて欲しいとせがんできた。特に断る理由がなかった私は、彼に空の飛び方を教え始めた。

 

だが、彼には空を飛ぶために必要なあることが決定的にかけていた。それは、自分は空を飛べるという絶対的な確信であり、もう一つは空を飛ぶ際の恐怖心に打ち勝つことであった。

 

それら二つのことを教えるのは非常に難しく、それは技術云々の話ではなく、精神的な問題であった。彼にそれらのことを教えるために、私は少々荒い手段を採用することにした。

 

ちょうどその遊園地には高さの高いアトラクションがあり、そのアトラクションの天辺から地上に向かってジャンプすることを要求したのである。そうすると、絶体絶命な状況に置かれ、空を飛ばなければ命が助からない場面に遭遇することになるであろうから、彼が本来持っている空を飛べる力が発揮されるだろうと考えたのである。それは幾分荒い方法ではあったが、それしか手段は無いように思われた。

 

まずは私が手本を示すことにし、地上ギリギリまで落下していき、地面にぶつかるか否かのところで私の体は宙に浮いた。その姿を見ていた友人は、感心と驚きの混じった表情を浮かべていた。フローニンゲン:2019/10/27(日)06:31

 

5094. 今朝方の夢の続き

 

定点観測をするかのように、日記を書く時間帯を明記している自分がいる。時刻は午前6時半を迎えた。

 

起床してから2時間ほどが経とうとしているが、今のところまだ日記の執筆しかしていない。もちろんその前に、オイルプリングやヨガの実践はしているのだが、書斎に到着してからはまだ日記を書くことしか行っていない状況だ。

 

だがそれも何らおかしなことではなく、自分の内側から言葉が生まれてくる衝動に従い、言葉が生み出される生命の流れがそこに存在し続けている限り、日記を綴り続けるというのは自分にとってのあるべき姿であると言える。作曲実践においても同じような形で取り組みを続けていく。

 

言葉と音の生命の流れを感じること。そしてそれを毎日育んでいくこと。言葉と音を紡ぎ出すことによってそれを織りながらにして育んでいくことが大切なのだ。

 

時計の針は進んでいるが、外の世界は相変わらず暗いままである。今ふと思ったが、ここには贅沢な闇と贅沢な静寂さがある。

 

それは贅沢なのだ。この贅沢を有り難く享受しよう。そんなことをふと思う。

 

先ほど今朝方の夢について二つに分けて書き留めていたが、そういえばその他にもまだ記憶に残っている夢があった。手元のメモ帳を見てみると、夢の断片が書き留められている。

 

夢の中で私は、友人に空の飛び方を教えた後、引き続きヨーロッパのある国の街の上を飛行していた。しばらく空を飛んでいると、レンガ造りの古びた建物があった。近づくとそれは立派な教会であった。

 

その教会は、どこかフローニンゲンを代表するマルティニ教会を思わせた。塔の最上階には展望台のようなものがあった。

 

私はその展望台に立ち寄ることをせず、建物の天辺に着陸した後、すぐさま教会の中に入った。すると、ある一室の中で、不思議な競技が行われていた。

 

古びた外観とは打って変わり、その部屋は綺麗なフローリングでできており、まるで新しい体育館のようであった。フロアに多くの人が寝っ転がっており、今からヨガの「サランバサルヴァーンガーサナ(ショルダースタンドあるいは肩立ちのポーズとも呼ばれる)」のアーサナをしながら、フロアを滑っていく競技が行われるとのことであった。

 

私は毎朝このアーサナを必ず行っているのだが、そのアーサナをしながら床を滑っていくことなど挑戦したことがなかった。好奇心と挑戦意欲があった私は、それに挑戦してみようと思った。

 

まずはいつものように両手で腰を支え、両足を天に向かって突き上げ、しばらくポーズをとった後に、足をゆっくりと戻して行った。足を戻していくその時に床を滑っていく仕組みになっているようであり、確かに私も前に進むことができた。

 

私はそこで、「なんだ水泳の足かきと手かきの要領か」とすぐさまコツを掴み、その他大勢の人よりも、圧倒的に速いタイムでゴール地点まで到着した。すると、隣にいた友人たちが、私の動きはもしかしたらルール違反かもしれないと指摘した。

 

上げた足を地面に戻す力を使って前進をするのは許容されているが、両手を地面につけたときの力を使って前進をするのは許容されていないかもしれない、とのことだった。私はそのルールについて知らなかったので、友人たちと少し話し合い、正しいルールがなんなのかを模索していた。

 

すると、ゴール地点の付近にいたヨーロッパ人の係員らしき男性が、「お前らは正しいルールが何かを知らなければ何もできないのか」と述べた。それを聞いた時、それはもっともな指摘だと思った——実際には彼はさらに、「既存のルールの範囲内だと、お前が今滑ったやり方はルール違反であり、罰金6ユーロだ」とも述べていた——。

 

そこから私は、ルールすらも私たちで新たに作ってしまおうと友人に持ちかけた。端的には、既存のルールを打ち壊し、全く新しいルールでその競技を楽しもうと提案したのである。

 

最初友人たちはキョトンとした表情を浮かべていたが、私が熱心に説得するものだから、最終的には私の提案に折れて、そこからは意見交換をしながら、新たなルールの策定を行っていった。そこで夢の場面が変わった。

 

次の夢の場面も、どうやら舞台は同じであり、ヨーロッパのある国の街であった。レンガ作りの歴史ある建物の前に私は立っていて、その建物を外から眺めていた。

 

見ると、外から建物の中が透けて見えており、中には巨大な恐竜のような怪物がいた。それは黒々とした色をしており、頭らへんが赤く輝いており、どうやら火を吹けるようだった。

 

一人の男性が空を飛んでその建物の天辺にやってきた。どうやら彼は、その怪物を退治しに来たらしかった。

 

すぐさまその男性と怪物との戦いが始まったが、明らかに怪物の方が巨大な力を持っていた。どういうわけか、私は常に冷静な心を持っており、自分の力を貸せば、その怪物を難なく退治できるのではないかと思った。

 

そこで私は、彼の方に向かって手をかざし、エネルギーを分け与える仕草をした。すると、見る見るうちに彼に巨大な力が備わってきて、それを見届けたところで私はもう大丈夫だろうと思い、その場を離れた。そこからは私も空を飛んで移動をした。

 

しばらく空を飛んでいると、地上にマクドナルドのような店があった。だがよくよく見ると、なぜか私の名前を文字って「カトウナルド」という表示になっていた。

 

面白そうだったので、私は地上に降り、その店に入ってみることにした。すると、どうやら私はこの店のオーナーのようであり、店の奥から店長とスタッフが私のところに挨拶にやってきた。

 

スタッフの若い男性は、私に契約書のような書類を手渡してくれた。細かい点なのだが、見ると印鑑の位置が少しおかしな場所に押されていた。

 

その箇所を眺めていると、店長がそれに気付いたようであり、スタッフを店の裏に連れていき、突然理不尽に怒り始めた。私は別にそこまで怒るようなことでもないだろうと思っていたのだが、店長の叱責は止まず、スタッフの男性は小さく縮こまっており、いたたまれないような思いになってきた。

 

私が店長を宥めようとすると、「こうしたことはしっかりと教えないとダメです。決まりは決まりです」と店長は述べ、引き続きスタッフの若い男性に罵声を浴びせていた。フローニンゲン:2019/10/27(日)07:11

 

5095. ニッサン·インゲル先生のこと

 

時刻は午後の7時を迎えた。静かで穏やかな日曜日が終わりに近づいている。

 

起床してからしばらくすると聞こえてきた小鳥のさえずり。それを今この時間帯に思い出す。明日もまた、小鳥たちの美しい鳴き声を聞きたい。

 

昨夜、自宅の壁にかけている二つの原画を眺めていた。それは、ニッサン·インゲル先生の作品である。

 

インゲル先生は、コラージュ画の第一人者の一人として広く知られている。幸運にも私は、先生の原画を二枚ほど所蔵する機会に恵まれた。

 

もう一枚、デジタル印刷された複製画があるのだが、それと比べると、原画が放つエネルギーは比べ物にならない。それは、写真に写っている人間と生身の人間ぐらい異なるエネルギーを発している。

 

昨夜は、生命力に溢れる二枚の原画をただじっと眺めていた。不思議なことに、毎回眺めるたびに新たな発見がある。

 

美学者の今道友信先生も指摘していることではあるが、私たちの内面が成熟し、美的感覚が育まれれば育まれるだけ、絵画から汲み取れるものが深くなっていく。昨夜インゲル先生の作品をじっくりと眺めた私は、以前見た時よりも確かな変貌があったのかもしれない。

 

さらに昨夜は就寝前に、モネの画集を眺めていた。それは今から一年半前にロンドンのナショナルギャラリーで購入したものである。すると偶然ながら、インゲル先生はかつて、フランス·ノルマンディー地方にある古い邸宅をアトリエとして購入し、そこはかつてモネがアトリエを構えた地であったそうだ。

 

モネの画集を眺めた後、再度私はインゲル先生の作品を眺めた。インゲル先生のように、音楽的なコラージュ作品を作れないか。より具体的には、過去の様々な作曲家が残した楽譜から、自分が共鳴するメロディーやハーモニーを抜き出し、それらをアレンジしながらまるでコラージュを作るように組み合わせていく。そのような作曲方法について思いを馳せていた。

 

インゲル先生についてはまだ色々と思うことがある。私は2016年にオランダに渡る前の夏に、東京でインゲル先生に直接お会いする機会に恵まれた。その3ヶ月後に、先生はフランスの地で永眠された。

 

それがただ一つの要因だとは言えないだろうが、日本への長旅が先生に疲労をもたらしてしまったのかもしれない。東京でお会いした時には溌剌とした印象を受けていただけに、その数ヶ月後にこの世を去ってしまったということが今でも信じられない。

 

先生がお亡くなりになるほんの少し前に、 “Death and Rebirth in Peaceful Enlightenment(平穏な悟りにおける死と再生)”というコラージュ作品を一緒に作らせていただいた。私が作品の構想を練り、タイトルを決めさせていただいた。先生は私の構想に共鳴してくださるかのごとく、大変素晴らしい作品を作ってくださった。

 

先生は生涯を閉じるどの瞬間まで作品を作り続けていたのか定かではないが、この作品は、先生がお亡くなりになられる前に作られた最後の作品の一つであることは確かだろう。私は先生が永眠された後の年末に日本に一時帰国し、その時にこの作品を受け取った。

 

私はその時、先生がお亡くなりになられたことを知らなかった。先生がお亡くなりになられたのを知ったのは、もっとずっと後のことだった。

 

そのようなことを思い出しながら改めてこの作品を眺めてみると、作品の中に死の影が浮かんでいるように思え、一方で死を超越した穏やかな世界が顕現しているかのようだ。

 

先生が自らの命を文字通り振り絞って作られた作品が今自分の目の前にある。それを思うと、自分の命が震えてくる。

 

作品の上部に貼られた天使の絵の断片が、どこか微笑んでいるように思える。フローニンゲン:2019/10/27(日)19:26

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