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4324-4328:リスボンからの便り 2019年5月7日(火)


タイトル一覧

4324.【バルセロナ・リスボン旅行記】リスボン出発の早朝に

4325.【バルセロナ・リスボン旅行記】リスボン出発に向けて

4326.【バルセロナ・リスボン旅行記】旅を終える朝に見た夢

4327.【バルセロナ・リスボン旅行記】リスボン国際空港のANA Loungeでくつろぎながら

4328.【バルセロナ・リスボン旅行記】リスボン上空より

4324.【バルセロナ・リスボン旅行記】リスボン出発の早朝に

いよいよリスボンを離れる日がやってきた。今朝は四時半に起床し、起床直後にシャワーを浴びた。

時刻は五時に近づきつつあるが、辺りには静かさが漂っている。遠方より小鳥の鳴き声が聞こえて来る。その鳴き声は、別れの歌のように小さく穏やかに響いている。

今日はこれからいつものように作曲実践をして、一つ曲を作ったら写経実践に移る。今回の旅に持参した、メロディーに関する理論書に掲載されている全ての譜例を昨夜ようやく全て写経し終えた。

この実践を通じて、メロディーの創出に関する技術がまた小さく一歩前に前進したように思う。重要なのは、単に作曲ソフト上に譜例を再現するのではなく、音符をソフト上に並べる際に、作曲者がその曲を作った感覚を追体験することである。

理想は、外側の視点で曲を分析的に理解していくだけではなく、作曲者と同化し、対象の内側を通して曲を理解していくということである。作曲者がその曲を作った時の感覚を追体験するというのは、まさにその一例である。

幸いにも、メロディーに関する写経実践を昨夜に一通り終えたため、一旦この書籍から離れるが、また近々本書に戻り、メロディー創出の技術を高めるために、写経実践を行うだろう。だがその際には、譜例を単に再現するだけではなく、前後の解説を熟読するようにしたい。

今回は、まずは身体感覚からメロディーの創出方法を掴んでいくことを重視したが、次回からはより分析的にメロディー創出方法を捉えていくようにする。分析的な観点を理知的に獲得することは、感覚を磨くことと同じぐらいに重要である。

今日からの写経実践は、手元にある音楽記号・用語辞典に掲載されている譜例を参考にしたい。ここでは数多くの音楽記号や音楽用語により精通していくという意味も込めて、毎日使っているコンパクトな辞典に掲載されている譜例を写経していこうと思う。

取り上げられているのはいずれも過去の偉大な作曲家の楽曲からの抜粋であり、写経をする際には、その音楽記号や用語がどのように使われているのかを把握するだけではなく、メロディーやハーモニーの観点からも理解を掘り下げていこうと思う。今日は飛行機の中や、アムステルダム国際空港からフローニンゲン駅までの列車の中で、この写経実践を進めていこうと思う。

今回のバルセロナ・リスボンの旅は、本当に天気に恵まれていた。毎日晴天続きであり、初夏を思わせる日差しの強い日もあった。

こうした天気のおかげで、私は今回の旅を思う存分に満喫することができた。そうしたことから、まずはバルセロナの街と天気に対しては、「グラシアス(gracias)」と伝えたい。またリスボンの街と天気に対しては、「オブリガード(obrigado)」と伝えたい。

そしてさらには、自分を待ってくれているフローニンゲンの街に対しても「ありがとう」のお礼の言葉を伝えたいと思う。

この世界に存在する多様な言語に共通しているのは、「ありがとう」を意味する言葉に内包された温かい感覚なのではないかと思う。その言葉を発する際に、どこか温かい気持ちにさせてくれる感覚が身体を流れる。

この世界で今を生きることを許されていることに対して「ありがとう」と伝えたい。リスボン:2019/5/7(火)05:09

No.1919: In the Morning to Leave Lisbon

The morning when I leave Lisbon came.

This morning is special, but my self is usual.

Everyday is always special and unchangeable. Lisbon, 06:44, Tuesday, 5/7/2019

4325.【バルセロナ・リスボン旅行記】リスボン出発に向けて

本日リスボンからアムステルダムに戻るフライトは、11:40に出発するものであり、搭乗は11:10とのことである。

幸いにも、リスボンで宿泊中のホテルから空港までは近く、ホテルから最寄り駅までは歩いてすぐであり、最寄り駅から空港駅までは地下鉄で18分ほどの距離である。そうしたことから、今朝はゆとりを持って出発することができそうだ。

今日もいつもと同じように、空港に到着したら空港ラウンジを活用したい。調べてみると、プライオリティー・パスを使って入れるラウンジは三つあり、いろいろ吟味した結果、ANA Loungeを利用することにした。

このラウンジの名前から、全日空と何か関係があるのかと思ったが、実際のところは何も関係がなさそうだ。このラウンジ以外にも、あと二つラウンジがあり、そのうちの一つは午前九時からしか開いていないものがあり、その時間より早くからラウンジを活用したかったので、このラウンジは選択肢から除外された。

もう一つのラウンジは、Blue Loungeと呼ばれるもので、こちらは早い時間から利用できるのだが、ラウンジ内の写真を眺めてみたとき、雰囲気としてANA Loungeの方が勝るように思えたため、Blue Loungeではなく、ANA Loungeを利用することにした。

ラウンジでくつろぎながら作曲実践や写経実践を進めていきたいと思っているため、ホテルを出発するのは午前八時にする予定だ。リスボン滞在の初日に購入したスイカのようなカードを使って公共交通機関を利用しており、そのチャージの残りがまだあるため、最寄り駅で列車のチケットを購入する必要がない。

そうしたことからも、八時にホテルを出発すれば十分余裕を持って列車に乗れるだろう。空港に到着するのは8:32であり、そこから速やかにセキュリティーゲートに向かう。

ラウンジの利用は、フライトの三時間前からのため、早くラウンジに着きすぎてしまっても意味がない。08:32に空港駅に到着し、そこからセキュリティーを抜けていく時間を考慮に入れれば、丁度良い時間になるのではないかと思う。

おそらく9時前にはラウンジに入ることができるのではないかと期待する。そうすれば、搭乗時間の11:10まで十分にくつろぐことができるだろう。

今回の旅でも実感しているが、世界の空港のラウンジを自由に利用できるプライオリティー・パスは極めて便利である。これは現在契約しているクレジットカードの特典として付いていたものであり、プライオリティー・パスのおかげで、間違いなく旅がより快適なものになっている。

本日利用するANA Loungeでは、果物類を摂り、今回の旅の中でラウンジだけで飲むようにしていたエスプレッソを今日も飲みたい。

11:40にリスボン空港を出発し、アムステルダム空港に到着するのは15:35とのことである。リスボンとアムステルダムとの間には一時間時差があるため、機内で過ごすのは二時間ほどである。

アムステルダム国際空港からフローニンゲンまでは、列車で二時間ほどの移動になり、そこでも写経実践や日記の執筆・編集などに従事したいと思う。旅というのは出発に向けて気持ちが変化するが、旅から再び日常に戻っていく際にも気持ちが変化する点が興味深い。

フローニンゲンという落ち着いた街が自分を待ってくれているということが本当に有り難く、私は再びこの街でこれまで通りの日常を送っていくだろう。いや、旅というのは自己を深めてくれることを本質に持っているのであるから、今回の旅の前後において自己が変化し、そうした変化によってこれまでとはまた違った日常を送ることができるだろう。

フローニンゲンでの生活がまた非常に楽しみである。生きることそのものが楽しみになっていく。リスボン:2019/5/7(火)05:37

No.1920: Goodby to Dear Lisbon

The time when I leave Lisbon for Amsterdam will come in an hour and half.

After I come back to Groningen, I’ll have time to digest what I’ve experienced in Lisbon. Lisbon, 09:35, Tuesday, 5/7/2019

4326.【バルセロナ・リスボン旅行記】旅を終える朝に見た夢

起床してから一時間半ほどが経ち、時刻は午前六時を迎えようとしている。この日記を書いたら早朝の作曲実践を行いたい。

それにしても今回の旅は非常に充実していた。確かに、自分を呼ぶ場所にだけ足を運ぶという旅のスタイル上、充実感を感じさせない旅はこれまでもなかったが、今回の旅も様々な促しを私にもたらしてくれた。

バルセロナとリスボンの両都市に流れるものは異なっており、二つの異質な水流が自己の内側に流れ込んでくることによって、自己は再びさらなる開拓の歩みを進め始めたように思う。

砂漠に水が吸収されていくように、今の私はまだ様々な水脈を必要としている。おそらく自己そのものが水脈に化すまで、このプロセスは続いていくだろう。

リスボンを出発する早朝に見た夢について簡単に書き留めておきたい。夢の中で私は、実際に通っていた中学校の体育館の中にいた。

どうやらこれから、部活のバスケが始まるようであり、メンバーは皆、思い思いにシュート練習をしている。私も他のメンバーと同様にシュート練習をしようと思ったのだが、メンバーのうちの一人が、他校のエースであることに気づいた。

彼と私は地域の選抜チームで一緒にプレーしており、中学校は違えど顔見知りであったため、私は彼に話しかけた。なにやら、彼はうちの練習に混ぜてほしいということであった。

部活の顧問の先生はとても寛大であり、キャプテンとしての私の意思決定にはいつもなにも口出しをしてこなかったため、私は先生の許可を取ることなく、彼を混ぜて練習を行うことにした。

彼と雑談をしながら練習前のシュート練習をしていると、体育館の天井がとても低いことに気づいた。ジャンプシュートを打とうとすると、ジャンプをしてボールを手から離した瞬間に、天井にボールがぶつかってしまうほど低かった。

仕方なくジャンプシュートではなく、セットシュートを打つ練習に切り替えたが、そのシュートがいつもほどに決まらず、もどかしさを感じている自分がいた。

他校のエースの彼はミニバス経験者であり、シュートフォームがすでに自分のものになっているようだった。雑談をしながら行っていたシュート練習においても、彼は見事なシュートを何本も決めていた。

私はそんな彼の様子を気にかけることなく、自分のシュート感覚を取り戻すことに集中しようと思った。そこで夢の場面が変わった。

次の夢の場面では、私は日本を代表するある大企業から講演会の依頼を受けた。講演会のテーマは人と組織の成長に関するものであり、私の専門性や関心の一つと合致するものであったから、私はその話を有り難く思い、講演会を引き受けることにした。

ただし、こちらからレクチャー形式で行うような講演会はもう行っていない旨を先方に伝えると、担当の方が少し考えさせてほしいと述べた。翌日、講演会に向けてどのようなテーマをどのように話し合うのかに関する打ち合わせなど、下準備を一緒に行う時間がないと先方から言われ、そうであれば今回の件は引き受けることはできないと先方に伝えたところで夢から覚めた。

リスボンを出発し、旅を締めくくる早朝に見た夢は上記のような内容だった。特に強い印象を与えるような内容ではなく、平穏な瀬戸内海のいつもの波のような夢だったように思う。

だが、そうしたありふれた波の中に貴重な意味が内包されているのは確かである。人生における一瞬一瞬に深遠な意味があるのと同じように、一つ一つの夢の中には、そして夢の中の一瞬一瞬には、深い意味が宿っている。リスボン:2019/5/7(火)06:13

No.1921: Toward the End of My Trip

The trip to visit Barcelona and Lisbon is now approaching the end.

Yet, the ever-lasting trip, my life, never ends. Lisbon International Airport, 10:28, Tuesday, 5/7/2019

4327.【バルセロナ・リスボン旅行記】リスボン国際空港のANA Loungeでくつろぎ ながら

つい先ほどリスボン国際空港のANA Loungeに到着した。ホテルを出発した時間が最適であり、セキュリティーチェックも速やかに通り抜けることができたため、ちょうど出発三時間前の8:40にラウンジに到着した。

早速一杯のコーヒーを今飲んでいる。私はもう普段コーヒーを飲まなくなっていたのだが、旅行中の際に空港のラウンジでフライトを待っている間だけコーヒーを飲むようにしている。

旅行中にカフェでコーヒーを飲むこともなくなった。ただし、コーヒーを飲むことを全く止めたわけではなく、今このように良質なコーヒーを何かの機会に飲むことはある。たまにコーヒーを飲むこともまた、人生の楽しみの一つである。

空港のラウンジでコーヒーを飲むときには、基本的にエスプレッソを飲むようにしている。濃いコーヒーを飲むことを私は好んでいるようであり、今日も今いるラウンジでエスプレッソを飲もうと思った。

すると、エスプレッソをこし出す機械に代わって、このラウンジにはネスプレッソマシーンが置かれていた。エスプレッソがないことを最初は残念に思ったが、ネスプレッソマシーンを用いれば、エスプレッソの濃さでコーヒーを抽出することも可能である。

だが私は、最も濃いブラックのネスプレッソの種類をまず飲んでみることにしたため、それをエスプレッソの濃さで抽出する必要はないと判断した。今そのようにして抽出されたコーヒーを飲んでいるが、とても満足のいく味である。

欲を言えば、コーヒーに関してもオーガニックのものを飲みたいところだが、ネスプレッソの質はそれほど悪くないだろう。

今から搭乗が始まるまで二時間ほどの十分な時間がある。この時間にはできる限り作曲実践を進めていき、息抜きに写経実践をしていく。フライト中は楽譜を広げることが難しいため、写経実践と日記の執筆・編集に時間を充てたいと思う。

今いるANA Loungeは、プレミアムラウンジということもあり、非常に落ち着いている。心地よいジャズ音楽がラウンジ内に流れており、人々もゆったりとした表情を浮かべている。

ラウンジの大きな窓からは飛行機の発着場が見える。今日のリスボンは曇っており、少々小雨が降るようだ。

このラウンジで提供されている食べ物は軽食であり、種類は少ないが、重たい食べ物を日中に食べないようにしている私にとっては、それは何ら問題ではない。果物とナッツ類、そしてオリーブの実さえあれば十分だ。

ピーナッツを少々食べながら、それに合わせてコーヒーを飲んでいる。今日も昼食は食べないが、フライトの前にもう一度ピーナッツやオリーブの実を食べたい。それと果物としてバナナを一本食べようと思う。

このラウンジの雰囲気は申し分ないが、一つネックなのは机の大きさだろう。バルセロナのラウンジでは楽譜を目一杯広げられるような机があったが、このラウンジの机は小さい。

というよりも、机がなく、ソファだけが置かれているスペースも多い。今私が座っているのはソファだが、かろうじて小さな机が付いている。

その机には楽譜を広げて置くことはできず、かろうじてパソコン一台を置くことができるほどだ。そうしたこともあり、今は人もそれほど多くないので、近くから机をもう一つ持ってきて、二つの小さな机を連結させて使っている。

宿泊先のホテルもそうだが、ラウンジに関しても、そこが不自由なく勉強できる環境かどうかは私にとって非常に大事だ。もちろん、どのような環境でも勉強することは可能であり、実際にいかなる環境に置かれても勉強するように心がけているが、落ち着いて勉強に取り組める環境があるに越したことはない。

その観点から、今机を動かし、勉強及び作曲実践に向けた環境を整えたので、これからフライトの時間まで存分に自分の取り組みに打ち込む。リスボン国際空港ANA Lounge:2019/5/7(火)09:24

No.1922: Return to the Netherlands

I came back to the Netherlands from the trip to Barcelona and Lisbon.

I’m so glad that I can resume living in this comfortable country. Train to Groningen, 17:39, Tuesday, 5/7/2019

4328.【バルセロナ・リスボン旅行記】リスボン上空より

つい先ほどアムステルダム行きの飛行機が離陸した。今私は、リスボン上空にいる。

フライトの出発時間は11:40であったが、40分ほどフライトが遅れ、12:20に出発となった。それに伴い、フローニゲンに戻る時間が遅くなってしまうが、それでも街のオーガニックスーパーで買い物をしても夜の七時半ぐらいには自宅に到着できると思うので、何ら問題はない。

また、今夜は特に何も予定がないため、自宅に戻ったら荷ほどきをさっと済ませ、ゆっくりと入浴をしたい。今夜は早めに就寝しようと思っているが、時間があれば作曲上の写経実践を行っていく。

今回の旅を通じて写経実践を継続していると、その効果と面白さが増していき、フローニンゲンに戻ってからもさらに本格的にこの実践を行っていこうと思う。絶えず工夫を凝らしながら、そして絶えず意識的な写経を行っていく。

最も意味のない写経実践は、単に譜例を再現するだけのものだ。そうした実践ではなく、譜例を分析的に再現し、そこで得られたものを実際の作曲に活かしていくという意識を絶えず持つ。

フローニンゲンに戻ってきてからは、大学入試に向けた数学の定番の問題集である『青チャート』のような網羅性を持つ、ウォルター・ピストンの“Harmony (1978)”に対して写経実践を行う。それが今からもう楽しみでしょうがない。

昨日、グルベンキアン美術館を訪れた際に得られた気づきに基づいて、作曲上の色彩感覚を磨いていくために、ハーモニーの理論を徹底的に習得していく。自分が感じられる色、さらには活用できる色の引き出しを広げていき、無限の色の無限の組み合わせを通じて、無限に曲を作っていく。今はそうした気概に満ちている。

今朝はリスボンを出発する朝であり、それは特別な朝であったことは確かだが、同時に普段と何一つ変わらない自己がそこにあった。日々は常に特別であり、常に不変である。

それと同様に、毎日の自己は変化に富む特別な存在としてそこにありながらも、同時に不変な自己でもある。可変性と不変性を同時に兼ね備えているというのが、私たちの自己の本質だということに気づく。

リスボン上空から、今改めてリスボンの海を眺めている。また昨日訪れたベレンの塔は、海の上に建てられており、その際にもリスボンの海を眺めていた。

今思うのは、私は時折海を眺めたくなる特性を持っているということだ。これはおそらく、幼少時代と青春時代を瀬戸内海の直ぐ近くで過ごしたことと関係しているだろう。

海を眺めると、様々なことが喚起される。やはり私は、来年の夏にデン・ハーグに引っ越そうと思う。デン・ハーグには海があり、この街で生活することになれば、ぜひ時折海に足を運びたいと思う。リスボン上空:2019/5/7(火)14:14

No.1923: A Walk of Fresh Verdure

Once I came back to Groningen, I noticed that the amount of fresh verdure increased.

It has plenty of vital energy. Groningen, 08:35, Wednesday, 5/8/2019

5月7日(火)に生まれた曲たち

Op.1112 リスボン出発の朝に

Op.1113 さよならリスボン

Op.1114 旅の終わりに向けて

Op.1115 オランダへの帰還

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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