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3905-3908:パリ小旅行記 2019年3月2日(土)


(ドビュッシー博物館の外観)

タイトル一覧

3905.【パリ小旅行記】滞在三日目の計画と今朝方の夢について

3906.【パリ小旅行記】昨日購入した五冊の楽譜について

3907.【パリ小旅行記】Ariosoという楽譜専門店にて

3908.【パリ小旅行記】ドビュッシー博物館を訪れて

3905.【パリ小旅行記】滞在三日目の計画と今朝方の夢について

パリ滞在の三日目の朝を迎えた。目覚めた瞬間に、屋根から雨が滴る音が聞こえてきた。

天気予報を確認すると、今日は午前11時頃まで雨のようであり、そこからは天気が回復するようだ。

今日の計画としては、午前中に、宿泊先のホテルから歩いて30分ほどのところにある楽譜専門店に行く予定である。ちょうど二店の楽譜屋が隣接しており、それらの店でゆっくりと楽譜を吟味する。

午後からは、ドビュッシー博物館に足を運ぶ予定だが、土曜日は三時からしか開いていないため、一件目の楽譜屋でゆっくりと楽譜を選んだ後に、近くで食事をし、その後にもう一軒の楽譜屋に行ってから博物館に向かいたい。

地図を調べてみると、楽譜屋からドビュッシー博物館までは、電車で40分弱かかる。一度乗り換えをして、博物館に到着したら、そこでゆっくりと時間を過ごしたい。事前情報によると、そこはドビュッシーの生家だが、二歳までしか住んでいなかったとのことである。

また、博物館の入館料は無料だが、見学できるのは二つの部屋のみとのことである。どれだけゆっくりしても、その博物館に滞在するのは一時間ほどになりそうだ。

今日は楽譜専門店とこの博物館だけを訪れる予定なので、博物館を訪れたら、その周辺を散策し、今日は早めにホテルに戻ってこようと思う。書き残している日記が多々あり、また今日は作曲をする時間も十分に取りたい。

旅の最中は当然ながら、足を運びたい場所で過ごす時間を多く確保するようにしているため、作曲をするゆとりはそれほどない。また、ホテルの自室の机に関しても、スペースの都合上、楽譜を広げながら作曲をするのが難しいことと、そもそも普段楽譜を見やすくするために活用している書見台を持ってきていないのだから、曲は作りにくくて当然だ。

しかしそうした環境の中でも、やはり毎日一曲は作りたいと思う。今日はこれから、昨夜作った曲を編集し、その後にまた短めの曲を作りたいと思う。

土曜日を迎えたパリ。雨脚も弱くなり、これから天気が徐々に回復していくことが期待される。

今朝方の夢をまだ振り返っていなかったので、少しばかり振り返りをしておきたい。ただし、昨日と同様に、今朝方の夢についてはほとんど覚えていないので、夢の中の断片的な場面と、どのような感覚があったかだけを書き留めておきたい。

夢の中で私は、昨年よりオランダで生活を始めた日本人の知人の方と談笑をしていた。何について話をしていたのかは定かではないが、穏やかな雰囲気の場所で、和気藹々と対話し、楽しいひと時を過ごしていたのを覚えている。

その後夢の場面が変わり、何か不安を感じさせる状況を想定している自分がいたのと、そこから一転して、笑いを感じるような場面もあった。今朝方の夢について覚えているのはそれぐらいである。

二つの異なる感覚が夢の中で現れたが、そうした感覚すらも何かしらのシンボルと言えるのだろうか。今回は、不安や楽しさ、ないしは笑いを感じていた対象が何なのかを覚えていないが、もしかすると、対象そのものは確かにシンボルであるが、そうしたシンボルから喚起される感覚もまたシンボルとして見なすことができるかもしれない。ここに、シンボルの重層的な構造を見て取ることができる。

旅の最中は、日中に様々な刺激を受けており、五感を通じて大量の情報が自分の内側に流れ込んでいるはずなのだが、夢をあまり覚えていないというのは何故なのだろうか。間違いなく、大量の感覚情報を夢として整理・統合する必要があるはずなのだが、鮮明な夢を見ていないというのは不思議だ。

もしかすると、脳が夢を見させる情報量以上のものが内側に流れ込んできており、旅の最中に得られた感覚情報は、旅を終えた後に徐々に整理・統合が進んでいくのかもしれない。

昨日は、ラヴェル博物館からの帰りの列車の中で、少しばかり仮眠を取っていた。その最中には、サトル意識状態に入り、千変万化する無数の心的イメージを知覚していた。

このように、間違いなく大量の感覚情報が自分の内側に流れ込んできていることは確かであるため、それらは旅を終えてから徐々に整理されていき、少しずつ自分の内側に統合されていくのだろう。パリ:2019/3/2(土)07:42

No.1727: The Morning on the Fourth Day in Paris

The morning on the fourth day to stay in Paris came.

I’ll leave the hotel shortly for the Musée Picasso where I’ve looked forward to visiting for a long time.

I expect to encounter the essence of Picasso’s works and himself. Paris, 09:31, Sunday, 3/3/2019

3906.【パリ小旅行記】昨日購入した五冊の楽譜について

雨は止んだと思っていたのだが、まだ小雨が降っているようだ。ポツポツと雨が屋根に当たる音が聞こえる。

少しばかり日記を書き留めたら、ゆっくりとホテルを出発して街の楽譜屋に足を運びたい。昨日は、ラヴェル博物館を訪れた後に、パリ市内に戻ってきて、街の東部の楽譜屋“Woodbrass”に足を運んだ。

二時間弱ほど楽譜を吟味し、今の自分に響くものがあった楽譜を五つほど購入した。まず関心を持ったのは、バロック時代のフランスの作曲家かつ音楽理論家であった、ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)の楽譜、そして偶然にも誕生日が同じであるフランスの作曲家アンリ・ルモワンヌ(1786-1854)の楽譜であった。

ラモーに関しては前々から関心を持っており、ルモワンヌに関しては、その日に初めて知った作曲家であった。ルモワンヌについて調べてみると、ピアノ教師として活動することと並行して、とりわけ教育的な作品を多数残していた作曲家のようだ。

今朝方に早速、ルモワンヌの練習曲を参考にして二曲ほど曲を作った。その他にも、ハープシコードの曲を多数作ったイタリアの作曲家ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)の楽譜も購入した。楽譜を眺めて直感的に思ったのは、ラモーと同時期に活躍したこの作曲家からも得ることが多いというものだった。

今の私は、少しずつ作曲技術の幅を広げようとしており、多様な時代の音楽から学べることは全て学びたいという気持ちを持っている。そうした思いから、ラモーやスカルラッティの楽譜を購入したのだと思う。

その他に購入したのは、「ロシア五人組」の一人であるロシアの作曲家モデスト・ムソルグスキー(1839-1881)の楽譜と、ユニークなものとしては神秘思想家のジョージ・グルジェフ(1866-1949)と彼の友人のロシアの作曲家であるトーマス・ド・ハートマン(1885-1956)が残した楽譜である。

前者のムソルグスキーに関しては、そろそろロシアの作曲家に範を求めてみようという気持ちが前々から芽生えていたため、この機会にムソルグスキーの楽譜を購入した。今後は、ラフマニノフやチャイコフスキーなどの楽譜を購入したいと思う。

後者のグルジェフとド・ハートマンの楽譜は大変興味深く、それは何巻かにわたっているらしいが、私は書店に置かれていた第一巻を購入することにした。そこで取り上げられているのは、グルジェフとド・ハートマンが東洋を旅した際に集めてきた宗教音楽が元になって作られた数々の曲である。

私はバルトークに影響を受けて、民族音楽に関心を持ち、近い将来に東洋の音楽を参考にしながら作曲をしたいと思っていたところに、これまた偶然にもこの楽譜と出会うことができた。ド・ハートマンは、グルジェフの神秘思想に影響を受けており、そうした思想的影響を、この楽譜に収められている一連の曲の中に見ることができるだろう。

今回のパリ滞在中にこの楽譜に範を求めて作曲する予定はないが、フローニンゲンに戻ってから、ゆっくりと東洋的な音楽についての探究を始めたいと思う。

購入した五冊以外にも、何冊か購入を迷うものがあった。一つは、スペインの作曲家であるマヌエル・デ・ファリャ(1876-1946)の楽譜である。

今の私は、まだスペインの音楽に惹かれておらず、今後スペインを訪れ、感覚的にスペインを知ってからデ・ファリャの楽譜を購入する方が賢明だと判断した。もう一冊は、ラグタイム王と呼ばれた、アフリカ系アメリカ人の作曲家スコット・ジョプリン(1868-1917)の楽譜だ。

この楽譜は、ジャズピアノのコーナーに置かれており、ジャズピアノについても以前から関心を持っていたため、ジョプリンの楽譜を購入するかは最後まで悩んだ。ジョプリンは、ヨーロッパのクラシック音楽とアフリカ系アメリカ人のハーモニーとリズムを関連付ける音楽を探究していたらしく、ジョプリンもまた自己のルーツに根ざした音楽に関心を持っていたことがわかり、大変共感する。

昨日は荷物の都合上、五冊しか楽譜を購入できなかったが、もし今日訪れる楽譜屋にジョプリンの楽譜があれば、この機会に購入してもいいかもしれない。パリ:2019/3/2(土)10:02

3907.【パリ小旅行記】Ariosoという楽譜専門店にて

パリ滞在の三日目がゆっくりと終わりに近づいている。少し前にホテルに戻り、つい先ほど入浴を終えて疲れを癒した。

今日はまず最初に、パリ市内のAriosoという楽譜専門店に向かった。ホテルを出た時には、幸いにも雨が止んでおり、少しばかり冷えるパリの街を散歩しながら街の景観を楽しんだ。

30分ほど歩くと、音楽関係の店が多く並ぶ一角に、Ariosoを見つけた。まず目に付いたのは、店の外にディスカウントで販売されている楽譜の数々だった。

私は店内に入る前に、まずはそこに置かれているピアノ曲の楽譜を全て確認した。確かに今朝のパリは幾分冷えていたが、30分ほどの散歩によって体が温まっていたことと、楽譜に対して強い関心を示していたことが重なり、外の寒さは一切気にならなかった。

しばらく楽譜を眺めていると、いくつか今の自分にとって必要な楽譜を発見することができ、それがかなりのディスカウントで購入できることを喜んだ。まずは五冊ほど店の外に置かれていた楽譜を選び出し、それを持って店の中に入った。

この楽譜専門店は、中古と新品の楽譜のどちらも豊富に揃えており、私の心は高鳴った。店内のピアノコーナーに行き、そこで五冊の楽譜を近くの机の上に置いて、そこから楽譜の本格的な吟味に入った。

以前から注目をしていたニコライ・メトネルのピアノ全集に関する楽譜や、オリヴィエ・メシアンの楽譜に目が止まったが、今それらを購入する時期ではないと直感的に感じ、それらの楽譜を棚に戻した。

メトネルの曲を参考にする日は近いかと思うが、メシアンに関してはもう少し遠い将来に参考にすることになりそうだ。とにかく豊富な楽譜に圧倒されながらも、作曲家の名前がアルファベット順に並べられた棚の一つ一つを確認していき、背表紙を見たときに惹きつけられるものがあったものを本棚から取り出し、中身を確認するということを繰り返していた。

結局私は、昨日購入を悩んでいた、アフリカ系アメリカ人の作曲家スコット・ジョプリンのラグタイムのピアノ曲全集の楽譜を購入することにした。

昨日、ロシアの作曲家モデスト・ムソルグスキーのピアノ曲の楽譜を購入したのだが、今日訪れた楽譜専門店には、ムソルグスキーのピアノ曲全集の楽譜が置いてあった。しかもそれはディスカウントで販売されており、どのような曲が昨日購入した楽譜の中に収められているのかを覚えておらず、重なる曲があったとしても問題ないと思い、それを購入することにした。

先ほど調べてみると、昨日購入した楽譜の中に収められている曲は全て、今日購入した楽譜の中に収められていた。昨日購入した楽譜には、フランス語、ドイツ語、英語での解説文が掲載されており、資料価値は高い。

一方、今日購入したものにはそうした解説がない。全ての曲が重なっていたことは残念だが、解説文を一読したら、今度一時帰国した際に、せっかくなので母にこの楽譜をプレゼントしようと思う。

それ以外には、この人生において幾つになっても新たなことを始めることができるということを私に教えてくれた、アレクサンドル・ボロディン(1833-1887:ボロディンは化学者として名を馳せており、30歳から作曲を始めた)が師事したミリイ・バラキレフ(1837-1901)の楽譜、ロベルト・シューマンの楽譜(1810-1856)、フランスの作曲家シャルル=ヴァランタン・アルカン(1813-1888)、ヨハネス・ブラームス(1833-1897)の楽譜、スペインの作曲家イサーク・アルベニス(1860-1909)、リヒャルト・シュトラウスの楽譜(1864-1949)、アンリ・コレ (1885-1951)の楽譜の合計13冊を購入した。

一冊一冊がしっかりとしたものであるため、13冊の楽譜はかなり重たく、レジに運ぶのも一苦労であった。その数の楽譜を見て、優しそうな店主の中年女性が、「ディスカウントしますね」と笑みを浮かべながら述べてくれた。

合計で100ユーロでいいとのことであり、私は店主にお礼を述べた。一冊あたり千円未満で購入できたことに大変満足している。

これからすぐに、全ての楽譜の目次のページに、購入した店の名前と購入した日付を書き留めておきたい。パリ:2019/3/2(土)18:27

3908.【パリ小旅行記】ドビュッシー博物館を訪れて

時刻は午後の六時半を迎えた。日中はパリをあちこちと歩き回っているため、日記を書く暇がなく、書き留めておきたいことが溢れ返っている状態であり、なかなか収拾がつかない。

とりあえず、もう一つだけ日記を書いて、本日届けられたメールに返信をした後に夕食を摂り、その後にまた日記を書き留めておきたい。

午前中に、パリ市内の西部にある楽譜専門店Ariosoに行き、そこで昼食の時間まで楽譜を吟味していた。今日は13冊楽譜を購入し、昨日は5冊であった。

楽譜を購入することを見越して、スーツケースのスペースを確保していて正解であった。今回のパリ旅行では、もうこれ以上楽譜を購入することはない。

今回購入した18冊の楽譜は、今後の私の肥やしになってくれるだろう。これらの楽譜に寄り添ってもらいながら、再び日々作曲技術の向上に向けて修練をしていきたいと思う。

明日はいよいよ、国立ピカソ美術館を訪れる。そもそも今回パリに再び足を運ぼうと思ったのは、この美術館の存在を先日に知ったからである。

明日この美術館を訪れる予定であり、それは今回の旅のハイライトになるだろう。明日は開館の時刻に美術館に行き、昼食は美術館のレストランを活用したい。

午後も気の済むまでゆっくりと作品を鑑賞したいと思う。ピカソの画集で何か良いものがあれば、ぜひそれを購入したいと思う。

今日は、楽譜屋近くにある日本食レストランで昼食を摂った。どこか見たことがある名前の店だと思っていたところ、そういえば一年半前の夏にコペンハーゲンを訪れた時に足を運んだ店だと思い出した。

そこで昼食をゆっくり堪能した後、ドビュッシーの生家があるパリ西部の街サン・ジェルマン・アン・レーに向かった。パリの市内から郊外に向けて出発した列車からの景色は、どこか落ち着いた雰囲気を持っていた。

パリ市内の喧騒はあまり好きではないのだが、パリ郊外の落ち着きは大変好感を持てる。列車の窓からは、古びていながらも、こだわりのある個性的な家々の姿を眺めることができた。

列車にしばらく揺られていると、目的地に到着した。駅から外に出てみると、昨日訪れたラヴェル博物館の周辺とはまた違う景色が広がっていた。

一言で形容するのが実に難しいが、そこは落ち着いた観光地でありながら、歴史も感じさせてくれる街だと言えるかもしれない。昨日訪れた街の方が自然を身近に感じられるのだが、町全体の活気はそれほどない。

一方、今日訪れた街は、自然はそれほど感じられないが、町全体に活気があり、しかもそれはパリ市内の活気とは異なり、実に落ち着いたものであった。

私は喉が渇いていたので、ドビュッシーの生家に立ち寄る前に、カフェに行き、そこでコーヒーを一杯飲むことにした。コーヒーを飲みながら作曲ノートを読み返していると、少しばかり眠気に襲われたので、10分ほど仮眠を取ることにした。

仮眠から目覚めると、脳がすっきりしており、再び活動するのにふさわしい状態になったと実感した。そこでカフェを後にし、ドビュッシーの生家に向かった。

ドビュッシーの生家に到着すると、昨日訪れたラヴェルの家と同様に、実に小さな家にドビュッシーが住んでいたことがわかった。事前情報では、博物館の入館料は無料とのことであったが、入り口の看板に、大人は5ユーロとの表示があった。

いざ一階の案内所の扉を開けようとすると、開かなかった。押しても引いても開くことはなく、おかしいなと思っていたところ、フランス語で書かれたドアの表示に目がいった。

だが私はフランス語が読めなかったので、ちょうど目の前を通りかかろうとしているフランス人女性に英語で声をかけ、その表示がどういう意味かを教えてもらった。その方曰く、「通常は土日も開いているのだが、今は特別展示に向けての準備があり、中に入ることはできない」とのことであった。

その女性の方の話を聞く前から、薄々中に入れないことを感じていたのだが、案の定、今の時期は中に入れないとのことであった。公開されている二つの部屋を見ることができなくて残念であったが、私はしばらくドビュッシーの生家の前に佇んで、その周辺の雰囲気を感じていた。

ラヴェル博物館にせよ、ドビュッシー博物館にせよ、外観だけは見れたが、中に入ることができなかったというのは何か意味を持っているのかもしれない。パリ:2019/3/2(土)18:52

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