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3850. 日記の味

February 20, 2019

時刻は午前11時を迎えた。もうあと一時間ほどで昼食どきとなる。

 

今日もまた穏やかな天気であり、ライトブルーの世界が広がっている。早朝は、そうした表情を見せる空が、この世界に対して静かな挨拶をしているように思えた。

 

午前中に、協働者のある方が送ってくださった日記を読み、その内容に大変感銘を受けた。その方の日記を読みながら、一人の人間の固有な体験と、そこから汲み取られる知見ほど貴重なものはないと改めて実感する。

 

言い換えれば、一人一人の人生の多様さと豊かさに改めて感銘を受けたのである。私が日記を書き続ける意味もここにあるだろう。

 

自分という一人の人間の人生は固有なものであり、そこで体験されること、そして汲み取られる知見というのは固有なものである。そうした固有なものをこの世界に共有していくこと。それもまた、社会的な生き物として生きる人間としてなすべきことの一つだろう。

 

その方の日記に並行して、昨日に引き続き、辻邦生先生の『春の風駆けて』の続きを読み進めていた。本書もまた、辻先生がパリに滞在していた時の日記であり、知人の方の日記と同様に、気付かされることが多々あった。

 

私にとって重要なことをもたらしてくれるのは、やはり日記なのだと思う。得るものが最も多いのは、正直なところ、科学書や哲学書ではなく、自他とこの世界をより深く知ろうとする人が執筆した日記なのだと確信を持って言える。

 

真に生きた証として他者が執筆した日記を読み、真に自らの人生を生きて行く過程の中で自分も日記を綴り続けていく。

 

今日はこれから、昼食までの時間を活用して、一曲ほど作りたい。その際には、スクリャービンに範を求めようと思う。

 

季節が春めいているためか、明るい調を選ぶ傾向にあり、時間帯も影響してか、これから作る曲も明るい調を選択したいと思う。先ほどふと、音楽空間の中に、一旦調性による平衡状態を作り、そこにあえて異物を混入させることによって、平衡状態に破れを生じさせ、そこから驚きと面白さが滲み出すようにしていくこの大切さについて考えていた。

 

調和と混沌を一つの音楽空間の中に体現させ、調和から混沌への移行と、混沌から調和への移行の際に、驚きと面白さが溢れるように工夫を凝らしていく。もちろん、それは今すぐにできることではないが、そうした意識を絶えず持ってこれからの作曲実践を行っていく。

 

私たちの日常は、何からの形で絶えず調和と混沌の間を行き来しており、そうだからこそ人生が進行していくという側面があるのではないかと思う。

 

自分が作る一つ一つの曲は、そうした人間の人生の特性が滲み出すものにしたい。そして何より、そうした特性に触れることによって、真に自らの人生を生きて行くきっかけになるような曲を作っていきたいと思う。フローニンゲン:2019/2/18(月)11:23

 

No.1695: A Light Blue Road

 

I feel as if a light blue road in front of me extended endlessly.  Groningen, 09:43, Tuesday, 2/19/2019

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