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3838. 経験と学び:可能性が開かれることへの恐れ


時刻は午前11時を迎えた。穏やかな土曜日がゆっくりと進行している。

今日も天気に恵まれ、今は朝の柔らかい日差しが部屋に差し込んでいる。風もほとんどなく、非常に穏やかな天気であるため、今日も午後に、ランニングと散歩を兼ねて外出しようと思う。今日は、近所のノーダープラントソン公園に足を運び、公園を半周して帰ってこようと思う。

今日は午前中にあれこれと調べ物をすることに加えて、キャリアコンサルタントの国家資格に関するテキストを読んでいた。今回、テキストに文章を執筆させていただくという役割を引き受け、この資格試験を受験するわけではないが、頂いたテキストには全て目を通しておこうと思っている。

テキストを読みながら、いくつか考えさせられることがあった。一つには、経験から学ぶというのは、自己と社会のつながりを学ぶことであり、つながりを新たに作っていくことである、という指摘に関するものだ。

欧州で生活を始めて以降、経験というものがもはや自分に属するものではなく、自己を超えて、他者や社会との何かしらの接点のことを指すのだと理解するようになった。そして個人の経験が深まるというのは、そうした接点の深まりのことを指すということを理解し始めている。

確かに、私の経験は内側の世界の中でも深まりを見せていくが、その深まりを促しているのはこの世界との交流であり、経験が発露して、それがこの世界に還元されていくためには、まさに対象となる外の世界が必要になる。

そのようなことを考えてみると、私たちの経験とは、決して自分の内側に閉じられたものではないことがわかる。こうした特性を持つ経験から学ぶというのは、まさにテキストで指摘されていた通り、自己とこの世界とのつながりについて絶えず考察し、新たなつながりを育んでいく実践を行うことを意味するのだろう。

経験も学びも、徹頭徹尾、自己の内側の世界と、この世界という外側の世界との相互作用によって生じるものなのだ。

読み進めていたテキストには、その他にも興味深い記述がいくつもあった。中でも、実存主義的心理学者のロロ・メイの言葉に思うことがあった。

不安とは、ある可能性が自分に向かってくる際に生じるものであり、しかもその可能性というのは、肯定的なものも含み、自己の実存を充足させてくれるようなものまで含む、というメイの指摘には、ここ最近自分が感じていることに通じるものがあった。

ここ最近私は、生存の不安というよりも、実存的な不安を少しばかり感じることがあった。それはまさに、この夏から新しい場所で生活をすることに伴って生まれたものだと思う。

そこで生じている不安というのは、新しい国に適応することへの不安などではなく、新しい可能性が自らの内から開かれてしまうことへの不安だと言っていいかもしれない。仮にこの夏から新しい国で生活を始めることになれば、新たな生活環境は必ずや、まだ顕在化されていない私の可能性を開くだろう。

ここ最近感じていた心の波は、自己の新たな可能性が出現すること、及びそれと向き合うことに関するものである可能性が極めて大きいことに気づかされる。自らの可能性に恐れるというのは、まさにアブラハム・マズローが指摘しているものでもある。

人は過信をする生き物だが、自らの潜在能力を恐れるという傾向も合わせて持つ。人はもしかすると、これまでの経験を通して、成長に伴う苦痛を無意識的に知っているのかもしれない。

また、さらなる成長に向けた潜在エネルギーは、これまでに携えていたエネルギーよりも巨大なものであるがゆえに、そうしたエネルギーの出現に対して、人は身構え、恐れを抱いてしまうのかもしれない。

この夏からの生活に向けて、また新しい自己の側面が明らかになってきており、それは人間に普遍的に当てはまる性質であることが興味深い。フローニンゲン:2019/2/16(土)11:23

No.1687: Insubstantiality

A new day that is insubstantial just began. Groningen, 07:47, Sunday, 2/17/2019

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