時刻は午前七時を迎えた。これからゆっくりと、一日の活動を始めていきたい。
この時間帯は、相変わらず闇に包まれているが、今日の闇はいつもと異なるように見える。そこには、白い雪が存在しており、闇と雪のコントラストは静かな美しさを持っている。
静かな生活。本当に毎日が、驚くべきほどの静寂さの中で進行していく。
日々は平穏そのものであり、静寂そのもの。それは全く静止しているようでいて、その背後には耐えず何かが進行している。
静寂さと動きの中に耐えずいるのが普段の私の生活であり、それが自分の人生に他ならないことが見て取れる。一見すると静かな隠遁生活に見える、この生活のあり方を継続させていく。
それは決して消極的な隠遁生活ではなく、積極的な隠遁生活である。なぜならそこには、社会に耐えず関与していくという意思と実践が存在しているからだ。
自己に与えられたものを還元していく生活がこれからも続くだろう。そして、そうした生活はより強さを増すに違いない。
欧州での生活を通じて体現されたことの中で最も重要なものをあえて選ぶとするならば、それはこうした積極的な隠遁生活の存在を把握したこと、及びそれを実現させていく道の上を——ないしは道として——絶えず歩いている感覚が常にあることだろう。
今朝方起床した時、「今日も自分の内側に何かが通っていくのだろう」という考えが芽生えた。自己はもはや、通り過ぎていく何かを受容するものになった。
また、内側で何かが通り過ぎていくことによって初めて、その存在が認識されるような対象になった。今日も間違いなく、自分の内側に無数のものたちがやってくる。それを形にしていく生活を続けていく。
創造の器としての自己がここにある。闇と雪のコントラストをぼんやりと眺めてながら考えていたのは、そのようなことであった。
辺りに広がる白銀世界を眺めていると、ますます自然の美と人為的な美を統合させていきたいという思いに駆られる。それらの統合の果てに、新しい美を生み出していきたいという思いが強まる。
まずは、自然の美に潜む法則を学んでいこう。まさに、バルトークは同様の点に注目をして、自然の美から法則性を掴み、それを基にした作曲実践に従事していきたい。
昨日、イギリスの書店から、“Bela Bartok: An Analysis of His Music (2000)”が届いた。早速中身を確認してみたところ、秘教的なシンボルが多数掲載されていることに驚いた。
まさにそうしたシンボルは、自然の美が持つ法則を体現しているもののように映った。バルトークは、既存の作曲理論にはない観点を用いて作曲実践を行っていたことが容易に分かった。
コペンハーゲンのニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館で購入した“The Secret Code:The Mysterious Formula That Rules Art, Nature, and Science (2008)”という書籍を、昨夜本棚から引っ張り出して読んでいた。
自然が体現している幾何学的パターンを、今日の昼食前の作曲実践の際に活用してみようと思う。昨夜この書籍に目を通していると、数年前にライデンの古書店で購入した“The Egyptian Book of the Dead: The Book of Going Forth by Day (2015)”という大型の書籍について思い出した。
それは本棚ではなく、ソファの一角に積み上げられた書籍の一番下に眠っており、昨夜それを取り出して、中身を眺めていた。この書籍を購入する前に訪れていたライデンの博物館では、象形文字を解読するための小さな辞書が販売されていた。
今から思えば、本書に掲載されているイラストの象形文字を解読するために、その辞書を購入しておけばよかったと少し思うが、それがなかったとしても、イラスト内に何かしらの規則性を見出していくことは可能だろう。
死者の書に体現されている規則性を掴み、それもまた自らの作曲実践に活用していこうと思う。こうした気づきや思いもまた、自分の内側を通過していったものに他ならず、やはり自己がますます創造の器と化していることがわかる。
創造の根源に還る日まで、自らの創造活動が止むことはないだろう。フローニンゲン:2019/1/23(水)07:37
No.1603: A Stiff Dance
The highest temperature today is minus 3 degrees Celsius, and the lowest one is minus 9 degrees Celsius.
I want do a stiff dance in such an environment. Groningen, 08:23, Thursday, 1/24/2019