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3718. 小さな積み重ね・小さな発達


時刻は午後の七時半を迎えた。午後から降り始めた粉雪が、今もまだ降っている姿が見える。

粉雪の舞を眺めていると、自然と心が落ち着いていく。街頭に照らされた粉雪が、ゆっくりと地上に降り注ぎ、それは着実に地面に積み重なっていく。

日々少しずつ積み重ねていくことの大切さを、粉雪の堆積から学ぶことができる。

夕食後、ここ最近ずっと聴いていたバッハのピアノ曲から、サティのピアノ曲に変えた。サティの曲を聴きながら、なおかつ粉雪が奏でる静かな音にゆっくりと耳を傾けたい気持ちだ。

今日は午後に、かかりつけの美容師であるメルヴィンの店に足を運んだ。その際に、メルヴィンは開口一番、「今日の格好はお洒落だね!」と述べた。

今日は早速、スーツを普段着として着てみるという実験をしてみた。メルヴィンの反応を見る限り、その実験は成功に終わったように思う。

ただし、本日着ていたオーダースーツは、企業社会でも違和感なく着れるようなものであったから、幾分硬さがあったように思える。スーツを着崩す際の原理である、インナーと靴をカジュアルなものに変えることを心がけたが、果たしてどれほどそれが効果があったのかよくわからない。

鞄に関しては、スーツの色とリュックサックの色が同色であったこともあり、さすがにリュックを背負うことはやめた。スーツを着ないまま、クローゼットに仕舞っておくのはやはりもったいないため、今後も積極的にスーツを着ていこうと思う。

今、少しばかりメルヴィンとの会話を改めて思い出している。そういえば、人間発達について少しばかり話をしていた時、メルヴィンが、「二年前の自分とは別人の自分がここにいる」ということを述べていた。これはまさに発達の要諦である。

また、前回髪を切ってもらった時から今日にかけて、お互いの人生で少なからぬ変化があることをメルヴィンが指摘しており、それもまた小さな発達現象だと述べることができるだろう。例えば、前回髪を切ってもらってから、解説・監修を務めた書籍が完成に向かったことは、書籍という一つの作品の発達に他ならなかった。

また、解説・監訳を務めている書籍のレビューが終わったことも同様である。その他にも、日々の日記の執筆そのもの、そして生み出される曲の全てが、小さな発達現象を内に抱えており、また、それらは小さな発達現象に他ならないと言うことができる。

このように、目を凝らして私たちの日々をよくよく見てみると、そこに無数の小さな発達を見つけることができるのだ。

粉雪から吹雪に変わり始めた。現在の気温はマイナス2度であり、明日はマイナス7度まで気温が下がるそうだ。

今夜から明日の午前九時まで雪が降り続けるようであるから、明日の起床時には、一面が白銀世界になっているだろう。フローニンゲン:2019/1/22(火)19:59

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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