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3693. アーノルド・ショーンバーグに関する論文を読んで


時刻は午前11時を迎えた。早朝は、晴れ間が広がっていたのだが、そこから一転して、今はしとしととした雨が地上に降り注いでいる。

早朝に作曲実践を行い、少しばかり過去の日記の編集をした後に、ショーンバーグの音楽に関する論文を読んでいた。この論文は、ショーンバーグが調整の無い曲についていかような思想を持っていたのかを解説したものである。

音楽理論に対する私の理解は、まだまだ微々たるものだが、それでもこの一年間、独学で理論を少しずつ学び続けてきたおかげもあり、今となってはこうした論文を読めるようになってきていることは非常に喜ばしい。作曲実践を本格的に始めてからちょうど一年が経ち、この一年間探究を続けてきたことが、少なからず自分の身になっていることを実感する。

この論文を読みながら、随分と考えさせられることがあった。一つは、調性の機能は統合化と分節化だというショーンバーグの指摘についてである。

統合化と分節化というのは、まさに発達の原理に他ならず、この点においても、音楽の中に発達現象を見出すことができる。ショーンバーグは、調整の機能をこの二つの点に見出したが、それは調整の無い曲にも当てはまると指摘している。

調整の無い曲は、調整のある曲とは異なる形で、統合化と分節化が行なわれている。調整の無い曲は、決してまとまりの無い曲なのではなく、12音技法を用いる場合であれば、それは基本形に端を発したまとまりを持つ。

この点に関して、調整のある曲と無い曲との間にある、統合化と分節化の差異についてはより探究を深めていきたい。端的には、両者の発達プロセスの違いに関する探究をし、探究成果を自分の作曲実践に取り入れていきたいと思う。

論文を読みながらふと、私が日々行っている作曲実践は、単に過去の偉大な作曲家の作品を模倣しているというよりも、それはオマージュの創作に近いかもしれないと思った。オマージュというのは、敬意を表する芸術家の作品に感化されて生み出された作品のことを指す。これからも無数のオマージュを作り続け、その過程の中で、少しずつ自分の作曲語法を確立していく。

今日はこれから、昼食前に近所のスーパーに買い物に行く前に、12音技法を活用した曲を一曲ほど作りたい。そこでもオマージュを作ることを意識する。

音列に関する基本形は、ショーンバーグの既存の曲のいずれかと同じものを作り、モチーフは他の作曲家の曲を参考にしていく。ショーンバーグは、楽曲を基本形の変化から成り立つものだとみなしていた。そして、ここでいう変化とは、基本形が徐々に新しさや多様性を生み出していくことを指しており、楽曲とは基本形の発達に他ならないと言えるだろう。

午後からも引き続き、音楽理論に関する書籍を読み進めていきたいと思う。ここに今の自分の大きな情熱がある。フローニンゲン:2019/1/17(木)11:24

No.1584: A Royal Ballroom

The setting sun is dancing in a ballroom of the sky.

Under the sun, we are dancing, too. Groningen, 15:51, Friday, 1/18/2019

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