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3677. 大自然に潜む隠れたコードと作曲


時刻は午後二時半を迎えた。これから午後の仕事に取り掛かりたい。

それにしても、今日は不思議な天気だ。午前中に、数分間ほど激しく雪が降った。それはみぞれ混じりの雪であり、強い風に煽られる形で、斜めに地上に降りつけていた。

雪の多さと風の強さが相まって、時折、外の世界に白い波が押し寄せているかのようであった。そうした光景が数分間ほど続くと、空が突然明るくなった。

それ以降は、時折太陽が顔をのぞかせるようになり、昼食前に買い物に出かけた際には、久しぶりに太陽の光を浴びることができた。仮眠を取る前後も、太陽の光が出ていたのだが、今は再び雲に隠れてしまっている。

それでも、雲間から太陽が地上に差し込んでいる様子を見ることができ、その様子はとても美しい。薄黄色い光の筋が地上に降り注いでおり、それはどこか恵みの光のカーテンのように見える。

今日はこれから、バッハに範を求めて作曲実践を行いたい。作曲実践を終えたら、辻邦生先生の日記の続きを読み進めていく。

オランダのこうした環境の中で過ごす際には、似たような環境で精神生活を営んでいた先人の言葉に対して深い共感の念を持つ。

辻先生はフランスに住んでおられたため、お互いの生活拠点は異なるのだが、そこでの物理的環境と精神生活の有り様には随分と重なるものがあるかと思う。そうした点が、辻先生の日記を思わず読んでみたくなる気にさせるのだろう。

昨日は、作曲に関する専門書を探していた時に、バルトークの音楽を解説している興味深い書籍にであった。そのタイトルは、“Bela Bartok: An Analysis of His Music (2006)”というものだ。

本書の概要を確認すると、今の自分にとって必要な一冊のように思えたので、昨夜、本書をイギリスの書店に注文した。

バルトークは、伝統的な調性のある曲を作りながらも、絶えず新たな作曲方法を模索しており、無調の曲を作っていた点や、独自の作曲体系を構築していた点に私は関心を持った。伝統的な形式に左右されるのではなく、新たな作曲システムを自ら構築していったバルトークにはやはり学ぶべきことが多々ある。

今から一年前に、ハンガリーを訪れた時、バルトーク博物館に足を運んだ際の記憶が蘇ってくる。バルトークもまた自然を愛する人であった。それは、博物館の中に所蔵されていた、蝶の剥製のコレクションを見てもわかるし、それ以外の所蔵品からも十分に伝わってくることであった。

なにやらバルトークは、大自然の成り立ちに着目し、自然現象の中に潜む黄金比などを積極的に自身の作曲に取り入れていたそうだ。それを知って、ますますバルトークの作曲方法に関心を持った。

黄金比を含め、私も、自然の摂理を作曲の中に活用していきたいと思う。それは今すぐに実現されるものではもちろんなく、これからの研究と研鑽によって、少しずつ実現されていくものだろう。

昨夜そのようなことを考えながら、書斎の本棚にある、“The Secret Code:The Mysterious Formula That Rules Art, Nature, and Science(2008)”という書籍を引っ張り出し、近いうちに再び読み返そうと思った。

本書には懐かしい思い出があり、それは、本書をコペンハーゲンのニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館で購入したことだ。本書はまさに、自然の奥に潜む「隠されたコード」を取り扱っており、バルトークがそうしたコードを参考にして曲を作っていったように、私も本書から様々な着想を得ようと思う。フローニンゲン:2019/1/14(月)14:52

No.1573: A Cool and Jocular Little Bird

I saw a little bird perching on a tree in the garden. It looked cool and jocular.

Our reality is always phlegmatic and droll. Groningen, 12:19, Tuesday, 1/15/2019

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

過去の曲の楽譜と音源の保存先はこちらより(MuseScore)

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