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3599. 一つの音・一つの生命


つい今しがた昼食を摂り終えた。これから午後の活動に入る。

もう一時間ほど今日の取り組みに従事したら、一旦いつものように20分ほど仮眠を取ろうと思う。

今日は早朝に、ダークブルーの空が薄紫色に変化する光景を見た。時間としてはとても短かったが、空が幻想的な雰囲気に包まれていた。

薄紫色の空から今度は、薄い灰色の雲が空を覆い、辺りは瞬く間に厳粛な雰囲気を放つようになった。今もそのような雰囲気が続いており、これから夕方にかけて小雨が降るようだ。

先ほど昼食を摂りながら、人は一人で生まれ、一人でこの世を去っていくことについて思いを馳せていた。その様子は、どこか一つの音が現れ、その音が消えていく様子を想起させた。

午前中に作曲実践をしている時に、人の人生の始まりと終わりは音楽の始まりと終わりに似ているように思えた。一つの音は、それが生まれてから最後の瞬間に至るまで、多様な音と触れ合う。

それが音としての人生だ。これは人間の人生にも当てはまる事柄だと思う。

一つの音も完全なまでに孤独のうちに人生を始め、そして人生を終えていくが、人生の最中には常に多様な音という他者がその人生に寄り添っている。一つの音が輝くためには、他の音が必要であり、他の音との関係性ないしは交流が不可欠となる。そのようなことを考えていると、本当に一人の人間と一つの音はそっくりだと思う。

午前中には作曲理論の学習も行っていた。その時に学習していたのは和音についてであった。

改めて和音の学習をしてみると、実に奥深いテーマであることに気づき、和音の研究に多大な面白さを見出した。三つの音、ないし四つの音を組み合わせて音を鳴らすとき、一つの音を半音変化させるだけでここまで響きが違うのかに驚く。

一つの音を半音変化させると、他の音とのダイナミズムが変化し、まるっきり違う質感の音を生み出すことは本当に興味深い。これは人と人とが生み出す相互作用に似ている。

人は誰と一緒にいるのかによって発揮される力、さらには協働で生み出すものがまるっきり異なってくる。それと全く同じことが和音にも当てはまる。様々な和音の音色を聴き比べてみると、それぞれの和音が持つ色や形、そして喚起する感情が異なるのは本当に興味深い。

実験として色々な和音を作り、それを一つずつ聴いていると、「これはいい音だね」と思わずつぶやいている自分がいた。一つの音に愛着を持てるような自分が生まれていることに気づく。

一つの音に愛着を持ってそれを聴いてみると、一つの音にも固有の命があるかのようだ。これからは、一つ一つの音に生命を見出していきたいと思う。

すべての音に命を見出し、一つの有機的な生命として曲を生み出すにはまだまだ道のりは長いが、午前中の体験は今後に向けた貴重な一歩だと言えるだろう。

一音成仏。一音即多音。一音即一生命。それらの言葉が自分の内側から滲み出す。フローニンゲン:2018/12/29(土)12:55

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