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3489. 人生のある一日


時刻は午後の七時半を迎えた。無性に笑いがこみ上げてくるほどに、今日も一日があっという間に過ぎていった感覚がある。

早朝に、今朝方の夢を振り返ったことがつい先ほどの出来事のように思える。仮に今夜もまた夢を見たら、私は明日の朝もまた夢について書き留めるのだろう。

真っ暗な闇が外の世界に広がっている。夕方に観察をしてみると、もう午後の四時を迎えると辺りは薄暗くなり始めている。

今、一台の車が明かりを灯しながら小道を走っていく姿が見える。そして、その車はどこかにいなくなった。

一人の日本人がオランダのフローニンゲンという町で生き、一つの人生を日々形作っているということ。私たちは特別な創造活動に従事しなくとも、人間の一生はそもそも創造的な産物なのだと思う。

昨日、かかりつけの美容師のメルヴィンの元を訪れ、話をしている最中に、「フローニンゲンは自分の第二の故郷だ」ということを私は述べた。その言葉に加え、私はいつか再びフローニンゲンに、あるいは少なくともオランダに戻ってこようと思う、ということを彼に伝えた。

これからの自分の人生はどのように進んでいくのだろうか。気がつけば自分の人生は30年を超えていた。

ここからの30年、さらにそこからの30年、そしてさらにそこからの30年はどのように進んでいくのだろうか。それはもうよく分からない。来年の今頃に世界のどの国にいるのかさえ分からないのだから。

来年の今頃は、アメリカにいるのだろうか。はたまたスイスにいるのだろうか。

次回メルヴィンの店に訪れるときには、店のオープンを祝う品を持って行こう。今回はそれを持っていくのを忘れてしまった。

メルヴィンが述べているように、メルヴィンの店は何か特別な磁場を持っているようである。彼の店に来る客は似たような特徴を持っており、そしてメルヴィン自身が自分の店に来るとどこかエネルギーを与えてもらっているような感覚になっているという。

フローニンゲンの街の中心に位置する彼の店は、何か特殊な力が宿っている店なのかもしれない。それを後押しするように、店に清らかなエネルギーが集まって来るような品を持って行こうと思う。

一つはパワーストーンであり、もう一つは彼の店に素晴らしい客が今後も後を絶たずやってくるように、縁結びの品を持って行こう。本来それらは、知人の方が私にくれたものなのだが、それらをメルヴィンに譲り渡す時期にさしかかっているように思う。

それらはふさわしい人の元へと渡っていくものにちがいない。ある人がある場所に導かれていくのと同じだ。

今日は夕方に、来年の一月に出版予定の書籍のあとがきのドラフトを完成させた。これを数日間ほど寝かせ、今週末に共著者の方へ送ろうと思う。

今回の書籍は、『なぜ部下とうまくいかないのか』と同様に、物語仕立てなのだが、登場人物の個性が豊かであり、共著者の方が書いてくれたストーリーが何よりとても面白い。書籍の合間合間に解説を執筆していくことと全体の監修が私の役割であり、その過程の中で物語を読みながら、随所随所に感銘を受け、自分の内側に深く響くものがあった。そうした書籍がもう間も無く世に送り出せることを嬉しく思う。フローニンゲン:2018/12/6(木)19:50

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