3352. 書籍の原稿の完成

気付かぬうちに、時刻は午後の五時を過ぎていた。今この瞬間のフローニゲンの空は、美しい夕日に包まれている。

夕日が空に浮かぶ雲に反射し、幻想的な色を発している。それは夕方に見られるオーロラだと形容していいだろう。

つい先ほどまで、来年の一月に出版予定の書籍の原稿をレビューし、各章の合間合間に挿入するコラムを執筆していた。

ついに、本書の原稿が全て仕上がった。協働執筆者の方は本当に素晴らしい物語を書いてくれたように思う。

最終章に関しては、解説的なコラムを入れることは物語の締めくくりを壊してしまうことにもなりかねないと判断し、最終章だけはコラムを一切挿入しないことにした。

一日の夕日は一つの固有の生命を持っており、一つの生命が今、この世での役割を全て全うしようとしている。その輝きはとても美しい。雲が赤紫色に輝いている。

今日は書籍の執筆の合間に、午後に一度散歩に出かけた。行きつけのチーズ屋に行き、ナッツ類とチーズを購入した。

その帰り道に、枯れ葉の舞う姿を見た。それはどこか忍者の舞いのようであり、まるで生き物のように思われた。

散歩からの帰り道、自分はオランダで四冊ほどの書籍を世に送り出すことになるとふと思った。一冊は昨年に出版した書籍であり、残りの三冊は来年に出版される。

それらはどれも共著か監訳書なのだが、それでも自分が関与した書籍としてとても思い入れのあるものになるだろう。今年は共著で書籍を執筆していく経験をし、今後もしばらくはどなたかと協働して書籍を世に送り出したいと思う。

今の私は単著で書籍を執筆することに関心はなく、それよりも誰かと一緒に書籍を作っていくことに関心がある。自分の日記に対して自分で解説を加えた単著を書くことには関心があったとしても、そうした本の需要はないであろうから、書籍にはならないだろう。出版に関しては、今は誰かと協働して書籍を執筆していくことに意義を見出している。

無事に原稿のレビューが終わり、コラムの執筆も終えたので、今日の残りの時間は作曲実践に充てたいと思う。すでに二曲作ったが、残りの時間を考えると、二曲ほど曲を作る楽しみを味わえそうだ。

今日もとても充実した一日だった。フローニンゲン：2018/11/3（土）17:31