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3318. 闇夜の中で


時刻は午後八時を迎えた。辺りは真っ暗闇に包まれ、雨が静かに地上に降り注いでいる。

今日も気がつけば一日が始まり、気がつけば一日が終わりに差し掛かっている。ここで改めて、今日自分が生きていたことの不思議さを実感する。いやそうした実感よりもむしろ、より根源的に、結局自分は一体誰であり、自分の生は何なのかという問いが自然と浮かび上がってくる。

雨滴の付着した窓越しから、闇に包まれた外の世界を見る。それはどこか、自分の無意識の世界を覗き込んでいるかのようだ。

自らの生をできるだけ克明に記録していくこと。それを通じてしかもはや生きることのできなくなった生について思いを馳せ、この生が一体どれほど続くのかについて考える。

自分の生が今日存在していたのだということを知っているのは、自分だけなのだろうか。確かに、今日は協働者の方たちとミーティングを行った。

だが、協働者の方たちが自分の生が本日確かに存在していたかどうかを明確に認識していたかどうかはわからない。当の本人でさえ、今日の自分の生が明確に存在していたかどうかを実感することは非常に難しいのだから。

生の実感とは何なのだろうか。それについてより考えを深めていく必要がある。

今日自分が生きていたことを忘れるぐらいに探究活動や創造活動に励み、そうした状態があったことを思い出すことが生の実感なのだろうか。それもまた何か違うような気がしている。

これから季節が冬に向かえば向かうほど、そして季節が冬に突入すれば、私は考えなくてもいい考えるべき必要のあることを考えることになるだろう。つまり、逆説的ではない逆説的な事柄と絶えず向き合っていくことに迫られるだろう、ということだ。

毎日、そうしたことを考えることなど望んでいないのに、そこに考えが向かっていく。生きること。人生。自己と世界。

それらに関係する諸々の問いが自然と自分の内側から湧き上がり、気がつけば自分は問いの渦の中にいる。それを強く促す厳しい冬がやってくる。

どうせそれがやってくるなら、手放しでその到来を迎えようと思う。

窓ガラスに付着した雨滴の一つ一つが、自分がこれまで生きてきた日数であり、同時に今の自分の魂がここにあるために消えていった命であるように思えてくる。

暗い闇夜を眺めながら、先ほど夕食を摂っていると、書籍を再読することの意義についてふと考えを巡らせている自分がいた。いかなる書物も再読をする際に、必ず何かしらの新しい気づきや発見があるのは、これまで重要だと思っていたこととは違う重要性に関する意識を持って書籍を読むためなのではないかと思った。

単純に言えば、毎回の読書において異なる課題意識を持ってその書物を読むことができれば、必然的に新たな気づきや発見が得られるのではないかと思った。そして、そうした新たな問題意識というのは、基本的には自らが絶えず変化を遂げていれば自然と生まれてくるものであるから、時間を空けて再読をする際に、そこに新たな自己が存在していれば、必然的に再読によって新たな気づきや発見を得られるのではないかと思った。

書籍を読む主体が変化し、課題意識が変化を続けていれば、いかなる書物も繰り返し読むことによって新たな気づきや発見をもたらしてくれる媒体になり得るのではないか、ということをぼんやりと考えていた。

今日はこれからハイドンに範を求めて、本日最後の作曲実践に取り掛かる。フローニンゲン:2018/10/26(金)20:16

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