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3231. 志望動機書のドラフトの執筆を終えて


気がついたら昼食の時間が過ぎていた。つい先ほど昼食を摂り終えたが、昼食前に何に没頭していたかというと、ハーバード大学教育大学院(HGSE)に提出する志望動機書の作成である。

ボストンでの体験を整理してから志望動機書のドラフトを作成しようと思っており、それには丸一日時間がかかるだろうと思っていた。しかし、いざ書き出してみると、自分の中から何かが流れるようにして、字数制限の1500字ほどの文章を午前中に書き上げることができた。

この感覚はどこか、過去に出版した二冊の書籍を執筆した時の感覚と似ている。自分の内側にはすでに書くべき事柄が存在していて、後はそれを文字の形にすればいいという状態であった。

これまでの自分のキャリアの棚卸から始まり、HGSEの芸術教育プログラムで学ぶ目的は何なのか、プログラム終了後にこの世界にいかように関与していくのか。その辺りの事柄を一気呵成に書き上げた。

ふと我に帰ると、昼食の時間を過ぎていた、というのが先ほどの出来事だ。

志望動機書のドラフトの執筆に対して一日中取り組む予定でいたのだが、それを午前中に終えることができて嬉しく思う。このドラフトを少しばかり寝かせ、あと何回か推敲を重ねたい。

推敲後、一度ネイティヴの友人にレビューをお願いしようと思う。レビューを頼む相手としては、昨年フローニンゲン大学で知り合ったスコットランド人のカルムにお願いしようと思う。

早朝と同じように、昼食後を摂り終えた今もまだスズメの鳴き声が時折辺りにこだましている。早朝には、スズメが窓辺に寄ってきたので、その姿を眺めてみると、とても愛らしい感情が芽生えた。

今日のフローニンゲンは本当に穏やかな雰囲気で包まれている。先ほど執筆した志望動機書の中でも言及していたが、HGSEの教授の中でも、最近はホウマン・ハロウニィ博士の仕事に着目している。

おそらくは私とそれほど年齢は変わらず、数歳ほどハロウニィ博士の方が年上ぐらいだと思うが、その風貌には異様な貫禄がある。私が長らく注目をしている教育哲学者のザカリー・スタイン博士とハロウニィ博士は、同じタイミングでHGSEで博士号を取得している。

二人ともおそらくユダヤ人の家系を持っており、二人の雰囲気はどことなく重なる。そんなハロウニィ博士に先日連絡を取ったところ、数十分後にメールが返ってきた。

有り難いことに、彼が提供している二つのコースのシラバスを送ってくださり、さらに深く二つのコースを知るために役立つであろうという配慮から、course evaluationの結果まで送ってくださった。

シラバスの必読文献には、ハンナ・アレント、パウロ・フレイレ、ジョン・デューイ、ミシェル・フーコーなど、私が注目をしている哲学者の書籍が並んでおり、私の関心を強く引いた。

course evaluationに記載されている受講者のコメントを読むと、課題文献の読解の際にはリーディンググループを作り、他者との対話を通じて文献を多角的に深く読んでいくこと、そしてハロウニィ博士やティーチングアシスタントのサポートによって、文章執筆に関して随分と鍛えられることがわかった。

教育哲学に関して、そして芸術教育を取り巻く思想に関して深く探究を行いたいと考えている私にとっては、ハロウニィ博士の二つのコースは非常に有益だろう。シラバスの中に掲載されている課題図書の中には、すでに所持しているものもあり、これからパウロ・フレイレの“Education for Critical Consciousness (1969)”を読み始めようと思う。フローニンゲン:2018/10/7(日)13:40

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