今回のボストン旅行においては、何一つトラブルはなかったように思う。今、フローニンゲンにほど近いアッセンという駅のカフェでこの日記を書いている。
スキポール空港からアッセンまでは電車が問題なく走っていたのだが、なんと電気の供給切れということでアッセンで立ち往生することになった。実はオランダの鉄道はかなり杜撰なところがあり、数分間の時刻の遅延は日常茶飯事で起こり、スキポール空港からフローニンゲンに戻ってくる時に、実は過去にも何度も途中駅で立ち往生する事態に見舞われてきた。
だがいつもであれば、途中で降りた駅から無料のバスがフローニンゲンまで走っており、列車に乗せる代わりにそのバスに乗客を乗せるという代替手段を取って対応することが常だった。しかし今日は、電気の供給切れといういつもと異なる事態のためか、アッセンからフローニンゲンまでの無料のバスが運行していない。
そのため、アッセン駅の構内にあるアジア料理店で昼食を摂り、その横にあるカフェでこの日記を書いている。アッセンの駅には0.5ユーロを支払う有料のトイレが一つあるのだが、今回はなぜだかそれを無料で利用することができた。
有料のバスに乗ってフローニンゲンに戻ることもできたのだが、電気の復旧まで後一時間ということもあり、特に焦ってはいなかったため、カフェで復旧を待つことにした。そのカフェで小さなサイズのコーヒーを注文すると、なんと無料とのことだった。
メニューには2.10ユーロと書かれているのだが、それはミディアムサイズ以上の場合なのだろうか。レジですでにカードを取り出し、支払いの準備をしていたため、無料と言われて一瞬戸惑ってしまったほどだ。
念のため、もう一度店員に確認すると、オランダ鉄道からの寄付でこのコーヒーが無料で提供されているようだ。アッセン駅で途中下車せざるをえないトラブルに見舞われたが、特に焦って帰る必要がないため、コーヒーを飲みながら、過去の日記の編集をしたいと思う。
今日は平日なのだが、オランダには平穏な空気が流れ、時間も緩やかに進行している。金曜日の午後に、何一つ焦ることなくカフェでくつろいでいる自分を静かに観察している。
いろいろな国で様々な体験をすることによって、絶えず平静な自己が随分と確立されているように思う。おそらく、日本の文化的な衣が自己を覆っていた時であれば、このような事態に見舞われると、不要な焦りや苛立ちすらも感じていたかもしれない。それが今では、思わぬ形で与えられた一時間ほどの時間をゆっくりと過ごそうとする自分がいる。
今日はフローニンゲンの自宅に戻ったら洗濯をしようと思っていたが、この分だと明日の朝に洗濯をした方がいいかもしれない。今日は近所のスーパーに買い物に行くことに留め、作曲実践をしたり、気の赴くままに読書をし、早めに就寝しようと思う。
アッセンのカフェの中に流れる時間はとても緩やかだ。アッセン:2018/10/5(金)13:05