ボストン滞在四日目の穏やかな朝を迎えた。今日は日曜日であり、昨日よりも辺りは静かである。
今の時刻は午前八時であり、昨日のこの時間帯にはランニングやウォーキングをする人たちを多く見かけたが、今日はそれほどでもない。
チャールズ川の上には白いカモメが何羽か浮かんでおり、川の水面に浮かびながら漂っている。その白いカモメに早朝の美しい太陽光が反射してその白さの輝きがより一層増している。
チャールズ川の向こう岸に生えている木々は少しずつ紅葉を始めている。一層のボートがチャールズ川をゆっくりと進んでいった。
早いもので今日はボストン滞在の折り返しの日となる。今日はもうしばらくホテルの自室でゆっくりとし、午前十時をめどにホテルを出発して、ボストン美術館に向かう。
この美術館を以前訪れたのは、今からもう五年前のことであり、再訪がとても楽しみだ。今日はボストン美術館だけを訪れる予定であるから、気の済むまでそこで芸術鑑賞をしたいと思う。
美術館を堪能した後は、ホテルに戻り、明日に参加する予定のクラスに向けた準備を進める。明日は、教育哲学者のキャサリン・エルギン教授のクラスを聴講することになっている。
どれだけの学生が履修しているのかわからないが、仮に小規模であれば、クラスの中で発言する機会を多く得られるかもしれない。そうしたこともあり、今日はホテルに戻ってきたら、もう一度課題論文を読み返し、課題の設問に回答したいと思う。
このクラスは認識論の観点から、芸術を理解するとは何かを探究していく哲学のクラスであるが、その課題は私の印象としてかなり実践的な内容のように思える。簡単にその課題の内容について書き留めておくと、ある美術館や博物館に行き、そこで一つの展示物を見る。
その展示物を通して、その美術館や博物館は何をしようと(何を伝えたいと)意図しているのかを考える。そして、その美術館や博物館がその展示物を通じて何をするべきかを考える。
さらには、それがどれほどうまく実現されているかを考える。自分がそのように考えた根拠を、課題論文で取り上げられている観点を参考にしながら分析していく、という内容である。
私は、先月にヘルシンキで訪れたシベリウス博物館について取り上げようと思っている。それか、これから訪問するボストン美術館のどちらかの何かしらの展示物を取り上げる予定である。
明日のクラス終了後に、エルギン教授が時間を取ってくださり、オフィスで一対一の話をする機会をいただけたので、教育哲学全般に関する話を中心に、あれこれ質問をしたいと思う。明日の面談に向けて、どのようなことを質問するかについて考えておき、当日はそれらの質問を中心にし、それ以外は話の流れで色々と質問をしたいと思う。ボストン:2018/9/30(日)08:44