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3150. 三つ目の修士号を取得して思うこと


時刻は午後五時を迎えた。これから夕食までの時間を、協働プロジェクトに関する明日のミーティングの準備に充てたい。

昨夜は、自分の作った曲を聴きながら闇夜を眺めていた。今日も一日が終わりに近づいているのだという強い実感が湧き上がり、自分は毎日死に、毎日生き返る日々を過ごしているのだと再認識した。

日々が生と死の繰り返しであり、新たな誕生を迎えることに驚きを隠せない。今朝も目覚めたら自己だと認識する自分がいた。そしてそれは昨日からの同一性を保ちながらも、新たな自己であることを忘れないようにすることを早朝に誓った。

今日は晴れたり曇ったりを繰り返す天気が続いている。昼食後に大学キャンパスに行き、今年一年間在籍していたプログラムの修了証書を受領した。

昨年は厳かな場所で開催される卒業式にて、修了証書を受け取った。今年はスケジュールの都合上、学生課で修了証書を受け取ることになったのだが、それを手渡された時には小さな喜びと共にどこか身が引き締まる思いがした。

気がつけば、欧米の大学院で修士号を三つ取得することになったが、学位が増えるたびに自分の無知さを実感する。修了証書を受領した時に背筋を正されるような思いになったのは、自分の無知さを再認識したことと関係しているだろう。

この社会に深く関与し続けていくためには、私は学び続けていく必要がある。当然それは必ずしも学位を取得するような学びである必要はないのだが、必要であれば学術機関に何度でも戻り、そこで本格的な探究を行っていく。

ちょうど今年一年間は学術機関から離れる期間であるが、来年は再び芸術教育と霊性教育を探究しに大学院に戻る予定だ。そこではおそらく最後になるであろう四つ目の修士課程に在籍することになる。

四つ目の修士号を取得して初めて、自分は博士課程への進学の準備が整ったと思えるようになるだろう。そのような予感がしている。

今年二年間は、科学的な観点から人間発達と教育について探究してきたが、今の私の関心はそれらを哲学的に探究することである。この思いは日増しに強くなる。

興味深いことに、学術の世界における最高学位である博士号は、一般的にDoctor of Philosophy(PhD)と呼ばれており、学位の内容が哲学ではなくても“Philosophy”という単語が含まれる。

欧州に来てから強く実感するのは、ある領域の探究を進めれば進めるだけ、どうしても哲学的な領域に踏み込んでいかざるをえないということだ。人間発達と教育に関する探究において、私が科学的な観点を大切にしながらも、探究の軸を科学から哲学に移したのは納得がいく。

ふと、今から一年半前にザルツブルグで開催された非線形ダイナミクスの国際学会において、シナジェティクスの創始者であるハーマン・ハーケン教授が「この歳になると関心がますます思想的なものになる」と笑いながら述べていたことを思い出す。

90歳を迎えた碩学の言葉が今でも記憶に残っている。欧米の大学院を転々とし、世界の様々な学者と交流し、彼らの仕事に触れることによって、自分の身の丈がわかってきている。

私は焦ることなく自分の探究を自分のペースで進めていきたいと思う。その探究の過程で、常に何かしらの形でこの世界に関与していくこと。それを行うのが自分に託された役割である。フローニンゲン:2018/9/20(木)17:18

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