起床して一時間ほど経つが、今朝方の夢の内容について少しばかり覚えている。夢の中で私は、今住んでいる家からどこか別の場所に引っ越すことになっていた。
どういうわけか、母方の祖母と一緒に良い物件はないかとあれこれ探していた。ある古びた駅のプラットホームに私は立っており、そこから列車に乗って、良さそうな物件のある町に向かおうとしていた。
その駅が田舎にあるためか、列車の本数は非常に少なく、しばらくの間プラットホームでとりとめもなく時間を過ごしていた。次の列車の時間が近づく頃になって、ようやく何人かの人がプラットホームに姿を現し始めた。
すると、今いるプラットホームとは別のプラットホームにすでに黄色い列車が停まっていることに気づいた。「もしかしたらあの列車に乗る必要があるのかもしれない」と私は思い、その列車の目的地を確認した。
どうやらその列車は私が行きたい場所には止まらないらしい。それに気づいたとき、ふと先ほどのプラットホームに目をやると、どうやら列車がやってきたようだった。その列車の色もまた黄色だった。
その列車の目的地を確認すると、どうやらそれが正しい列車のようであり、列車に乗り込み、私は目的地に向かっていった。車内にはまばらに人が乗っていることはわかったが、どの人もそれほど存在感がない。
かといって、車内の雰囲気が暗いわけではなく、太陽の光が窓を通り抜けて車内に降り注いでいた。数十分ほど列車に乗ると目的地に着いた。
私は目的の物件に立ち寄る前に、その町の博物館に足を運ぼうと思った。駅から博物館までは歩いてほんの数分であるから、携帯の地図を確認することなく、頭の中に記憶した地図を頼りに駅から博物館に向かった。
町の風景は見慣れないものであり、それは日本的でもあり、西洋的でもあった。私が歩いている道には誰一人として人がいなかった。紆余曲折した入り組んだ道を歩いていると、とても不思議な空間に行き着いた。
そこは地上から地下に自然と向かっていくような空間であり、一つの建物のような作りをしていた。一見すると建物のように見えるのだが、入口らしきものはなく、外に開かれた空間だけがそこにあった。
その空間に一歩足を踏み入れてみると、部屋のような空間が現れ、同時に傾斜のある道が足元に現れた。その坂道をゆっくりと下りながらも、その空間は部屋であったこともあり、部屋の内装を見ながら歩いていた。
すると、私は行き止まりに行き着いた。その空間は、どうやらキリスト教の信者たちが祈りを捧げる場所のようだった。
天井付近の右横の壁にはステンドグラスがあり、そこから黄色い光がわずかばかり差し込んでいた。誰も入っていない白い棺がその部屋の中に置かれていた。
行き止まりに行き着いてしまったため、私は引き返すことにした。来た道を歩きながら、「数世紀前には、あの場所で多くの人たちが祈りを捧げていたのだ」ということをぼんやりと考えていた。
この不思議な空間から外に出た時、私は改めて携帯の地図を確認した。すると、少しばかり道を間違えているようだった。
だが幸いにも、目的の博物館は目と鼻の先である。博物館に到着すると、私はチケットを購入した。
どうやら特別展示のチケットは別に購入する必要があるらしく、合わせてそちらも購入した。ただし、受付の方が一言、「そちらの特別展示には今は誰も人がおりませんので、どうぞごゆっくり」と述べたことが印象に残っている。
その印象を持ったまま、私は特別展示のセクションに向かった。現代の写真家が撮影した俗な写真ばかりがそこに展示されており、少々私は落胆した。この落胆の感情を持った時、私は本来の目的地である目星の物件の中にいた。
そこはリゾートホテルのようであり、一階にはレストランがあり、オレンジジュースやコーヒーを自由に飲めるスペースがある。この建物の上層階がホテルではなく、賃貸物件となっており、私はそこに住もうとしていた。
ホテル暮らしというのはあまり落ち着かないが、ホテルのような物件で生活を送れることは悪いものではないと思った。毎朝、ホテルの一階のレストランで朝食を摂り、好きな時間帯に自由にコーヒーやジュースを飲めるというのは有り難かった。
また何よりも、その物件は自然に囲まれており、上層階からは海も山も眺めることができる。いつの間にか私はこの物件に住むことを決め、さらには荷物の搬入も終えているようだった。
ガラス張りのエレベーターに乗り、取り巻く景色を眺めながら上層階から下に降りている最中、その場所は日本であることに気づいた。また驚いたことに、そこが新宿区だということにも気づいた。
地上階に到着した時、夢から覚めた。フローニンゲン:2018/9/11(火)09:01
No.1307: Recollection of a Rainbow
I’m recollecting a rainbow that I saw last month.
Although arts that human beings make have intrinsic beauty, nature also has unique and mysterious beauty. Groningen, 07:42, Thursday, 10/11/2018