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3049.【北欧旅行記】ストックホルム空港にて1時間10,800,000円のサービスを利用して


ヘルシンキ行きのSASのフライトが今スウェーデンの空に飛び立った。快晴の空が飛行機の窓の外に見える。

以前の日記で、いつか宇宙旅行に出かけてみたいと述べたことがあったように思う。これはちょうど米国西海岸のアーバインに住んでいた時、ある日突然閃いたものだ。

宇宙旅行を提供しているサービス会社は幾つかあるが、単に大気圏の外に出るだけではなく、無重力を体験できるような宇宙旅行は一千万円ほどするらしい。しかも宇宙空間での滞在時間はほんの数分とのことであるから、まだまだ宇宙旅行は非常に高価なのだとわかる。

今日はつい先ほど、15,000円支払って、ノルウェー航空の飛行機を5秒ほど眺める権利を行使した。仮に一時間それを眺めるのであれば、10,800,000円ほどする。

ストックホルムの空港に到着したのは今日の午前十時半であり、私のフライトは13:25に出発する予定だった。搭乗時刻は13:05とのことであり、空港に着いてから随分と時間があった。

速やかにセキュリティーに行き、フローニンゲンからストックホルムに行く時にはセキュリティーでスーツケースを開けることが求められたが、今回はそれを求められなかった。そのため、セキュリティーを抜けた後でも時刻はまだ11時前であった。

随分と早くセキュリティーを抜けれたことを喜び、私はラウンジに向かった。世界の様々な空港のラウンジを無料で利用できるプライオリティーパスは本当に重宝する。空港によって利用できるラウンジの食事や飲み物には確かに差があるが、とにかくゆっくりと過ごせることは有り難い。

今朝はホテルの朝食をしっかり摂ったため、昼食はフライトの30分前に簡単に摂ることにした。ラウンジでは過去の日記を20本ほど編集することができた。

フライト時間が迫ってきたため、昼食を軽めに摂り、食後のコーヒーを飲んでから搭乗ゲートに向かった。まだ搭乗は始まっておらず、ヘルシンキ行きの表示が出ているゲートの下で、持参したシュタイナー教育に関する書籍を読みながら搭乗を待っていた。

私がいたのはゲート4Cであり、搭乗時間になったところでゲートの上の表示を見ると、ヘルシンキ行きのサインが消えた。しばらくその場で待っていると、「Mr. Yohei Kato, please come to the gate 15A immediately」と私の名前らしきものを呼ぶアナウンスがあった。

「今、自分の名前が呼ばれた?ゲート15A?なんだろう?」と私は思った。数年前に日本に一時帰国した際にも一度自分の名前が空港で呼ばれたことがあったが、その時は古いスーツケースを使っており、預けたそのスーツケースの中にパソコンを入れたままにしていて、中の黒い物体が何か確認したいのでスーツケースを開けて欲しいというお願いのためのアナウンスがあった。

しかし今回は、預けたスーツケースはなく、機内に持ち込める小さなスーツケースしかなかった。しかも先ほどスーツケースの中身についてはセキュリティーでチェックを受けて何もなかったはずである。

自分が搭乗予定のフライトの時間が迫っているにもかかわらず、何でこのタイミングで自分の名前が呼ばれたのか不明であり、しかし確かに自分の名前が呼ばれたため、私は搭乗ゲートを離れて、すぐに来てくれと言われたゲート15Aに向かった。

自分がいた4Cからゲート15Aまでは距離があり、私はスーツケースを転がしながら小走りでそこに向かった。するとゲートにはもう誰もおらず、なぜ自分の名前が呼ばれたのかわからないままだった。

そこでもう一度電光掲示板を確認すると、なんと私は先ほどまで間違ったゲートの前にいたことを知った。私が搭乗する予定のフライトは確かに13:05に搭乗が開始されたのだが、それはSASではなく、ノルウェー航空のフライトだった。

15Aのゲートに到着した時、誰もいなかったのだが、今まさに出発しようとしている飛行機こそが自分の搭乗するべき飛行機だと知り、本来搭乗券をスキャンする箇所を素通りし、ゲートの奥に入って行こうとした。

すると、搭乗ゲートは文字通り固く閉ざされていた。固く閉ざされたゲートの窓から、ノルウェー航空の飛行機の機体が見える。

飛行機はゆっくりとゲートを離れようとしており、私はゆっくりと動く機体を呆然と眺めていた。5秒ほどその機体を眺めた時、この5秒に15,000円支払ったことを知った。

1秒3,000円、一時間に換算すると10,800,000円ほどのサービスである。仮にビジネスクラスで欧州から日本に帰る時に同様のことが起こっていたらと考えると、少しばかり恐ろしくなる。

今回、搭乗予定の飛行機を目の前で眺めるという機会に恵まれ、ここから少しばかり考えた。アムステルダムに帰る際には、目的地とフライトの時間だけではなく、搭乗予定の搭乗便の英数字まで確認するべきである。

今回のように同じ目的地に同時刻に飛び立つ飛行機がある場合には、本当に気をつけなければならない。また、今回は空港に到着した時に、SASの飛行機に乗るものと思い込んでいたため、思い込みというものがどれほど検証しがたいものかを改めて知った。

一度思い込みとして脳内に染みついたものは本当に検証が難しい。それこそ今回のように身を持って失敗をしなければ自分の思い込みなど検証できないのかもしれない。

今回私は、5秒間機体を眺めるサービスに15,000円ほど払った。ノルウェー航空の赤く塗られた機体が緩やかに動き出した姿を忘れることができない。

その赤い機体が動く様子は、数日前にノーベル博物館で見た、金色のノーベル賞のメダルの輝きよりも印象深く私の脳裏に焼き付いている。この旅の最大のハイライトはこれだろう。

仮に今後二度と同じ失敗をしなければ今回の5秒15,000円のサービスは非常に安く、またこの日記を読んだ人がこの失敗談に思わず笑みを漏らし、同様の失敗を他の人がすることを防げるのであれば、個人的かつ社会的な意味を十分に持ったカネの使い方だったと思う。

カネはこのように使うべきなのだということを改めて教えてもらう体験であった。ストックホルム上空:2018/8/29(水)14:45

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