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3037.【北欧旅行記】水の精霊が住むストックホルム


先ほど、ストックホルムの観光を終え、ホテルの自室に戻ってきた。いついかなる時も自分の中の好奇心を司る眼が見開かれ、日常が絶えず新たなものとして知覚されるようになって久しいが、旅先ではなお一層好奇心を司る眼が開かれる。

今日もストックホルムの町を歩きながら、好奇心を司る眼が完全に見開いていたように思う。未知なる町に足を運び、そこを歩き回ることは脳と意識の双方を間違いなく刺激していることがわかる。

旅が私たちを深めてくれる力を持っているというのは本当だと私は思う。もちろん、旅をほとんどすることなく自らの人生を深めてきた過去の偉人は存在するが、モーツァルトやゴッホを含め、旅を通じて自己の才能を育んだり、自己の人生を深めていった偉人は多いように思えてくる。

ストックホルムに滞在してまだ二日目だが、スウェーデンという国はオランダと同じように、英語が全く不自由なく通じるため非常に気が楽だ。英語が市民のどの層にまで浸透しているかというのは、私のような外国人が生活をする上で極めて重要になる。

感覚として、オランダとスウェーデンはほぼ同じぐらいに両国のあらゆる人の中で英語が浸透しているように思う。一方で、今年の春に訪れたポーランドとハンガリーは少し事情が違った。

もちろんホテルや美術館などの受付の人たちは英語が不自由なく話せたが、ローカルなスーパーの店員は英語があまり話せないようであった。欧州の国を色々と巡ってみると、英語の浸透度合いとその国の文化や国力の違いなどが見えてくる。

今日は日曜日ということもあり、ストックホルムの町は落ち着いているように思えた。もちろん、年中この町には観光客が訪れるであろうから、日曜日もそれなりの人が町にいたのは間違いない。だがそれはこの町の落ち着きを壊さない程度においてであった。

今日はスウェーデン歴史博物館とスウェーデン音楽博物館に訪れた。前者に関しては、金と銀の歴史、そしてそれらを使った装飾品の印象が強く残っている。ちょうどそれは博物館の一階にあり、まずはそれを鑑賞するのに十分な時間を使った。

その後、二階と三階の展示品を続けざまに見ていった。そのどちらかの階にオルガンの歴史を伝える展示品があり、ソファに腰掛けてオルガンの音を聞ける場所があった。

私はそこに腰掛けて、オルガンの音に耳を傾けていた。すると突然、大きな睡魔が襲ってきて、私はそこでしばらく眠りの世界に陥っていた。

昨日の移動の疲れがあったのかもしれず、その時間帯はまだ昼前だったのだが、抑えがたい眠気に勝てずにその場で寝ていた。眼を覚ますと、とてもすっきりした状態になり、そこからまた博物館内を見て回った。

歴史博物館の中にいる時に雨が降り始め、博物館を出る頃には雨が上がっていた。雨上がりのストックホルムはまた別の美しさを醸し出していた。

ストックホルムは水の都と形容されるように、町を取り巻く水が美しい。歴史博物館から音楽博物館に移動する最中も、船着き場を眺めながら、町と水とのコントラストを堪能していた。

数日後に訪れるヘルシンキには森の精霊がいるような感覚があり、ストックホルムには水の精霊がいるのかもしれない。明日は今日歩かなかった道を歩き、ストックホルムのまだ見ぬ表情を眺めたいと思う。ストックホルム:2018/8/26(日)17:47

No.1264: Rhythm of Fine Weather

It’s too good to be true, but ithas stoppedraining.

I’ll begin to read some books. Groningen, 09:00, Monday, 9/24/2018

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