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2897.【オランダ国内小旅行記】列車の進行と人生の流れ


先ほどズヴォレの駅で乗り換えをし、あと一時間弱ほどで目的駅のアーネムに到着する。それにしても今日は本当に暑い。

フローニンゲンからズヴォレまでの列車にはおそらく冷房が備わっておらず、どこから吹いているのかわからない微風が車内を流れているだけであった。列車の中で暑さを感じるのはオランダに来て初めてのことである。

今回がオランダで迎える三回目の夏だが、こうした暑さを列車の中で感じたことはただの一度もなかった。乗客もこの暑さのためか一様に無口である。

今日は平日であるが、午後のこの時間帯は休日のような雰囲気を放っている。列車の中は特にそのような雰囲気の色が濃い。

もう八月も迫ってきており、多くの人は夏期休暇に入り始めているのかもしれない。毎日が夏休みであるかのように過ごすこと。いや夏休みのみならず、秋休み、冬休み、春休みとして毎日を過ごしていく。休みの最中に耐えず創造活動を行っていくことが人間の根源的な生き方のように思えてくる。

異国の地での生活が長くなるに応じて、自分の労働観が変わっていく。仕事の捉え方が随分と異なり、自分の中でライフワークと呼べるものが何なのかを掴みつつあることを嬉しく思う。

ズヴォレからアーネムに向かう列車は先ほどの列車とは異なり、一階建てのものだが、車内は程よく冷房が効いている。空席が十分にあり、各乗客は二人がけの席を一人で使ったり、四人がけの席を一人で使ったりしている。私も今、二人がけの席を一人で使っている。

車窓から外の景色を眺めると、いつもそこに広がっているのはのどかな景色である。こうした景色を見るにつけ、オランダで生活をすることの居心地の良さを感じる。

窓から見える落葉樹が青々と輝いている。自然というのは本当に偉大であり、私たちに平穏さと活力の双方を与えてくれる。それでは一体私たちは自然に何を与えているのだろうか?と考えざるをえない。

今日はこれからデ・ホーヘ・フェルウェ国立公園と目と鼻の先にあるホテルに宿泊することになっており、自然の静けさとそれがもたらす活力をこれから全身に浴びることになるだろう。私にとって自然とは本当になくてはならない存在である。

自然の中でゆっくりと過ごせば過ごすほどに、私は自己の深い部分を見出すだろう。あるいは、自己の根源に立ち還っていくような感覚を経験するかもしれない。なぜなら、自然とは私たちにとって原初の存在だからだ。

列車がある駅に止まった。乗り降りする乗客の数は少ない。汽笛が聞こえ、列車が再びゆっくりと動きだす。

私たちの人生もこのようであっていい。むしろ、このように立ち止まり、そしてゆっくり進み、そして再び立ち止まることが人生の本質なのではないだろうか。

自らの足で歩みを進めていかないこと、そして立ち止まることをしない人生はどこか不自然だ。現代人は生き急ぎ、なおかつそもそも自らの人生を生きていない。そのようなことを思う。

列車が再び速度を上げ、目的地のアーネムに向かっていく。アーネムに向かう列車の中:2018/7/26(木)14:48 

No.1168: Magnificence of Nature in Northern Europe

The third day to stay in Helsinki began.

I’m struck very much by the magnificence of nature in Northern Europe.

I was musing over a life surrounded by nature. Nature always bestows tremendous inspirations on me. Helsinki, 08:25, Friday, 8/31/2018

過去の曲の音源の保存先はこちらより(Youtube)

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